候補者の経歴 :2007.7.23
戻る
次の日曜日が参議院選挙の投票日だ。先週の新聞報道によると
民主党が躍進しそうで、自民党はかなり苦戦しているらしい。まだ5日間あるので
わからないが、自民党に良い要素は今のところ無い。
奈良選挙区は、自民党、民主党、共産党の3人が立候補しており、民主党の
中村哲治氏が優勢と伝えられている。
先週後半、妻のところに自民党の松井正剛氏の推薦はがきが届いた。その
葉書に松井氏の経歴が書かれている。最初はさっと流し読んだだけだったが、
よく見ると、政治家としてどうなのかな、と感じたので書くことにした。
経歴の途中を抜き書きすると
「昭和53年に大阪歯科大学卒業、松井歯科医院を継承。祖父・父の意思を継ぎ
昭和58年県会議員に初当選。」となっている。
親を継いで歯科医になり、親を継いで県会議員になっているらしい。もちろん、歯科
医になるには歯科医になるための努力をしたはずだし、県会議員になるには、
選挙区の有権者の支持を必要とした。だから、松井氏の人生自体に口をはさむ
つもりはない。
しかし、国政に携わろうという人が自分の職業を「継承」という形で決め、「意志を継」
いで政治の世界に入ったことを強調し、さも立派な家系にいるかのように書いている
ことが非常に気になる。
自分でよく考えた結果、親と同じ職を選ぶこともあるだろう。しかし、そのことを「経歴」に
わざわざ「継承」という言葉を使って表現する人に、「継承」する職業のない人たちの
ことを考える素地があるのか、疑問を持つ。
議員の2世、3世が多くなっていることをよく聞く。今からはさらに4世、5世が増えて
くるのだろう。「継承」する人たちに、過去から現在にいたる状況を批判することは
できるのだろうか。
今回は自民党の候補者への批判となったが、民主党にも同様の議員、候補者は
いるだろう。議席が「継承」されていくことへの異議を唱えていくのはもちろんだが、
新たな候補者の擁立が市民にとっての大きな問題だ。