社民党宣言最終案 :2006.2.3
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社民党は来週11日、12日に開催される党大会で、「自衛隊が違憲状態にある」
ことを明記した社会民主党宣言を採択する(本日の新聞記事)。
社民党宣言は党の綱領に当たる文書で、96年に社会民主党と名称変更後初め
ての見直しになり、94年の村山内閣時に「憲法の枠内」と転換した方針を変更する
ことになる。
新聞記事によると宣言案では、「明らかに違憲状態にある自衛隊は縮小を図り、国
境警備・災害救助・国際協力などの任務別組織に改編・解消して非武装の日本を目
指す」としているらしい。

実際に合憲と違憲の境界をどこに設定するのか、それは憲法の条文を読んで自然に
導ける境界線なのか、社民党が境界線を設けても他党は違うところに境界を設けるの
であれば解釈で改憲されてしまう状況を追認することになるのではないか、など疑問点
もある。でも、そこをしっかり議論するのであれば、歓迎すべきだし、この方針変更は、
社民党の姿勢を明確にすることができるので、非常に良いと思う。

ただし、福島党首は社民党の方針を変えたのではなく、状況が変わったという言い方を
しているようだ。ここは94年の転換が安易であったことを認めた方が、今回の宣言の
価値が上がると思う。

私は、上に書いた「違憲・合憲の境界をどこに設定するか」、つまり、「憲法で制限する
範囲をどこに設けるか」が重要だと思う。そこを議論して明確にした後、それを実現し
継続的にそれを守る手段として、憲法を改正して明記するか、今の憲法のままで解釈
だけを決めるか、どちらが良いかという話になるのではないかと考えている。
したがって、その境界を議論するという立場から、今回の社民党宣言の変更は興味を
持っている。