その1   「保母さんと苦笑い」の巻!

 

 ハチ高原でイントラをしていた時のことである。いつものように修学旅行(林間学校?)のレッスンを担当することになった。ところがである、その林間学校とは、なっ、なっ、なんとっ幼稚園児だったのである。しかも人数は16人。ひえぇぇぇ〜。

 幼稚園児16人を一人で担当すると言うのは、なかなか大変。しかも当然、スキーなどは初めてするのである。レッスンが始まって、体操をしたりしてウォーミングアップをするが、そこまではあまり問題もなかった。だがしかし・・である。

 スキーをするからには当然スキー板を履くのであるが、そこからがもう大変なのである。まず、スキーブーツを左右逆に履いている園児が数名−。そしてそれを直し、スキー板をはいていく。しかし初めてであり、慣れないので、なかなか自分では履くことができない。そりゃーそうである。大人だって履きにくいもの。

 したがって順番に、1人づつ手伝ってスキーヤーとなっていく。ところが16人もいれば、それだけで30分以上かかってしまう。と言うことは、何が起こるか・・・?

「先生! トイレ!!」である。寒いスキー場でのことであり、無理もないことである。しかし、時間がかかってやっとスキー板を履いても、これであり、また1人が行くとみんなが行くのである。

 そんなこんなでもまぁなんとか、16人全員が準備ができた。しかしこうして“ほっ”っとするのもつかの間、今度は、僕のグループの園児の人数がなぜか増えている。なっ、なぜだっ?

 それは、他のグループの園児が混ざっているのである。僕たちのグループは、ゲレンデの下の方でレッスンをしていたのだが、もう少し上の方でレッスンをしていたグループの園児たちが混ざっているのであった。ほとんど斜度のないところでレッスンをしていたのであるが、スキーの板を履いたら当然滑り始めるわけで、園児たちはそれをうまく利用して(?)滑ってきてしまっていたのである。というか、流されてきたようで一度滑ってきてしまうと、自力ではもう上にはあがれないのである。そのため僕らのグループはどんどん人数が増えていく・・・。(涙)

 当然上のグループを担当しているイントラが救出しにくるのであるが、救出するより流されていく方が早いのである。そのためこのような事になってしまうのである。しかしこれはもちろん、ごく最初の時だけである。園児たちの上達はホントに早い!すぐにうまくなるんだなぁ〜、これが。っと言うか、ずっとこのままではこっちがたまらない。(笑)

 そしてさらにこれで天気が悪けりゃーもう最悪である。誰でもそうであるが、吹雪だったりすればいやなもんである。もちろん園児たちも例外ではない。吹雪の日にゃー、泣いちゃう子だって出てくる。でもこっちも泣きたいぐらいである。(笑)でも確かに、吹雪じゃー園児にとっても悲劇であろう。

 しかし、これらのおかげ(?)か、楽しさも倍増である。ほんとに・・。だって飽きさせないもの。ホントに予想外のことも起こる。しかし、かわいいよー。最初は慣れないし、寒いし泣いてばかりいた子も、途中から「楽しい」っと真っ先に滑るようになったりしたし、休憩時間も“雪合戦”なのである。そして当然我らイントラは追っかけまわされるのである。とっても元気であり、何より表情がホント豊かである。この3日間は、園児たちもぐっすり眠れたことであろう。そして、我らイントラも・・。