木質構造の学習 - No.11 真壁で面材耐力壁を使う時の注意点

1.はじめに

2004年4月

真壁造の場合は面材が直接柱に取付けられずに、受け材を介して取り付けられる点が大壁造の耐力壁と異なっている。

この場合、受け材と柱・梁材との間のずれが生じて、変形量が同じときの耐力が小さくなり(壁倍率が小さくなる)そうだが、実際には、外周が囲まれていて枠材大きく変位しないことや、耐力壁全体が変形していく過程で合板が周囲の梁・柱材と接触して抵抗するために耐力が増大して、結局大壁と変わらない耐力が出る。

このことを考えると、真壁造で耐力壁を作る場合は枠材をしっかり止めつけること、隙間のないようにすること、合板と柱・梁の隙間をあけすぎないことなどを注意しなければならないことがわかってくると思う。

その他にも、受け材の断面が小さいと多数の釘を打ったときの強度が不足するので、枠材の寸法は最低でも45mm角程度は確保しておきたい。

また、柱頭・柱客金物の設置可能な箇所が限られてくるので事前によくチェックしておくことが必要である。

特にHD金物を取り付ける場合、柱に直接設置しようとすると、枠材を切り欠くこととなり、釘を増し打ちする等の対策を取らないと、耐力が低下してしまうので注意が必要である。

引き抜き力が枠材を通して伝わることを考えれば、筆者としては枠材(断面が十分ある場合)上から取り付けてもよいのではないかと思っている。

さらに、第4回で説明した背割りの問題も、真壁仕様では必ず出てくる問題であり、当然この面材耐力壁の受け材を設置する際に背割りへの影響も考慮しなければならない。

背割り面へ金物を設置すれば、耐力が得られないのは、背割りへのホールダウン金物設置した実験を行った際に証明済みである。

従って、受け材止め付け釘・ビスも同様のことが言え、背割りへ受け材止め付けビスを設置した場合の耐力壁の性能は、あまり期待できない事がわかる。


 ©Tahara Architect & Associates, 2004