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No.8 吹き抜け・下屋を設計する注意点

2003年11月


6.木造建物に吹き抜けが設けられた場合に生じる構造上の問題点


1)剛床仮定で建物を計画している場合に、吹き抜けの残りの部分(ブリッジゾーン)の水平構面に力が集中する。

ブリッジゾーンが存在する場合の問題点


特に建物の全幅に吹き抜けを設ける場合、そこで力が伝達されなくなり、建物全体の剛床仮定が成立しなくなる。

3面にわたる吹き抜けがある場合


2)床面内の力の釣り合いから、吹き抜け周りの梁に引抜き力が生じる。

ブリッジゾーンが存在する場合の問題点


3)剛性低下により水平構面及び鉛直構面の変形が大きくなり、梁が変形に追従できない場合は折れてしまう。

ブリッジゾーンが存在する場合の問題点
3面にわたる吹き抜けがある場合


4)屋根(下屋含む)の水平構面に天窓等があれば、その部分には吹き抜けがあるものと見なし、水平力の伝達に支障を来たしてしまう。

吹き抜けを計画する場合は、上記のような問題が生じないよう、水平構面を流れる力が少なくなるような壁配置にしたり、力の生じる部分を補強するなどして対処する。



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 ©Tahara Architect & Associates, 2003