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No.7 実際の挙動に対応した接合金物とは

2003年9月


3.新設計法で多くの金物が必要になるわけ


次に、建築基準法改正以後、必要金物が増えた訳を説明しておく。

新設計法では、以前の設計法で検証方法・仕様規定があいまいだった箇所や、構法の変化・多様化により仕様が実情に合わなくなってきた箇所が修正・補足された。

その結果として不足していた金物が追加され、仕様規定では以前より金物が増えたのである。

以下に、柱頭柱脚金物と梁端の金物について、簡単な説明を述べておく。


3−1.柱頭柱脚金物

新設計法では、木造建築の様々な形態の変化に対しても安全性を確保するために、耐力壁の靭性を確保する、壁体先行破壊の考え方が導入された。

筋かいと面材との組合せなどの、変形の性状が違う要素を組み合わせている場合や、偏心により建物が振り回されて部分的に変形が進行する場合など、耐力壁に充分な靭性(ねばり)がないと変形の進行した部分が先に破壊してしまう。

特に柱頭・柱脚金物が破壊すると急激に耐力が低下して危険である。そこで、耐力壁に十分な耐力を持たせる様に壁の最大耐力に見合った金物を設置するように設計法が変更された。


そのために、以前より要求される金物の耐力が大きくなっているのである。


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 ©Tahara Architect & Associates, 2003