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No.5 既存木造住宅の耐震診断の現状

2003年2月


Aバランス

旧建築基準法では耐力壁の配置に対しては、「釣り合いよく配置する」とだけでその具体的な方法が規定されていなかったので、都市型住宅に多い狭小間口の場合、前面道路側では開口が多く壁がほとんどない。

しかし、さきの大震災ではこのような壁の配置バランスが悪い家が、壁の配置が少ない側(道路側)が大きく変形するように建物がねじられて、多く倒壊した。

また、建物の形が複雑になると力の流れも複雑になるが、そのことを考慮した設計がおこなわれている必要がある。

しかし、「壁量計算」ではバランスが良く、2階建ての場合は総2階建てで各階が一体であることを前提にしている。

震災では、入り隅部分やオーバーハングした建物等が接合部で破壊された例が多くあった。

そのようなバランスの悪く壊れやすい家の例を、下記に示す。



●平面的にバランスの悪い家(壁の位置が偏っている)




全面が駐車場の家




駐車場と玄関が並んだ家




1階が店舗になっている家




南面が広縁になっている家




片廊下式の集合住宅


●複雑な形で、壁のバランスが悪い家



複雑な平面形状の家




L(T)字型の家




オーバーハング




バランスが悪く地震により被害を受け例



開口が多く耐力が不足していた例




ピロティ部は耐力上の欠陥となりやすい




前面にガレージがあった家の例




店舗のため前面が全て開口になっていた例




開口が多く耐力の不足していた家の例




開口が多く耐力の不足していた家の例



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 ©Tahara Architect & Associates, 2003