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No.3 耐力壁と接合金物について

2002年8月


3,必要壁量の根拠

壁量は現在の建築基準法では、風においては沖縄を除く日本の各地で観測された台風の風速で最大のものを対象としており、その風圧においても大体軽微な被害として建物の傾きが1/120ラジアン*1(修復が容易に行える範囲)程度で収まるように設定されている。

地震においては数十年に1度という中規模地震(震度5相当程度)でも大体軽微な被害として建物の傾きが1/120ラジアン*1復が容易に行える範囲)程度で収まるように設定されている。

しかし、数百年に1度という大地震においては命は何とか保証するが建物の保証はしない(修復不可能な被害になってもしかたがない)というのが現在の建築基準法における壁量の考え方である。

つまり、阪神淡路大震災のような大地震において大破と応急危険度判定され、修復不能となり解体になったとしても、その木造住宅は法律の上から言うと「あたりまえ」といえるかもしれない。

話は横にそれたが台風と中規模地震に対して建物の被害が軽微に収まるように、それらよって生じると予想される水平力から逆算して、耐力壁の長さを求めたものが壁量と呼ばれる指標になっている。

必要壁量は地震の場合は床面積、風の場合は見つけ面積から表を用いて簡単に求められるようになっている。




1つ気をつけなければならないことは、ここで求められた壁量は、先に述べたように雑壁が水平力の1/3を負担すると考えて、耐力壁の見かけの耐力を実際の1.5倍にして求めていることである。

つまり、雑壁の効果が期待できない場合は壁量を1.5倍増して考える必要があるということである。


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 ©Tahara Architect & Associates, 2003