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杉の板材を利用した水平構面の性能実験


B試験結果

(4)試験結果より得られた剛性

剛性については、試験データから求めた剛性及び、完全弾塑性にモデル化したものから剛性を算出したものを下記に示す。



試験データからの剛性




完全弾塑性のモデル化による剛性



           P:変計角が1/150rad時の荷重 (t)

           M:P×試験体高さ (t・cm)

           Ry:変計角=1/150rad(0.0083)

           K:剛性 M/Ry (t・cm/rad)


流しダボ仕様及び隠し釘仕様は、変形角1/150radのときの耐力を1とするならば、変形角が1/50radを超えてから最大耐力で2倍以上の耐力が出ている。

合板仕様に対して初期剛性はやや低いが、その後の粘りが大きいことが分かる。

上記の結果より、実験データと完全弾塑性モデルに差が生じたのは、降伏後の非常に大きな粘りが要因の一つであると考えられる。

今回の実験結果より、流しダボ仕様は合板仕様に対して、基準変形角時(1/150rad)の剛性は半分程度であるが、流しダボ仕様の粘りは合板仕様の約2倍以上で、靱性率は5程度あると思われる。

(実験装置の限界を超えても耐力と変形が増大することが予想される)

さらに、合板に対する最大耐力も1.3倍と大きくなっているのが分かる。


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 ©Tahara Architect & Associates, 2003