No.33 逆瀬川の家

2004年 3月
トラスのある木造2階建て住宅(構造材に「ともいきの杉」を使用)
意匠設計Gen建築設計所
構造設計木構造建築研究所 田原(担当: 村田)
施工者 水上建設(株)

「ともいきの杉」で構造材を構成した木造二階建て住宅。

正面はご覧の様に三角形状で前面道から車が駐車しやすい様に斜めにしてある。

これも意匠設計者のアイデアで、利用する家族との打ち合せで決定されたようである。

阪神淡路大震災で震度6弱程度の揺れを観測した地域なので、耐震等級は2以上の性能を許容応力度レベルで確保している。



この前面の斜めの外壁で耐力壁として、構造計算上でX,Y軸にベクトル分割し、さらに安全率を見込んで設計している。



正面の面格子は法規上の耐力要素ではなく、余力として設置している。


吹抜けの所は水平構面の弱点となりやすいが、ここの周りの水平構面と接合部は一体性が確保される様に床倍率とHD金物にて補強されている。

このような吹抜けは46条の壁量計算だけでは安全性が確保しにくいのが現実である。


この小屋組トラスは作品No.22でもご覧の通り3.0間程度のスパンを12cm角の4m材で構成できる和風トラスである。

※この様なトラスはきちんとした木構造技術者と協同でなければ見まねだけでは無理があり、木造の安全性を担保するならば技術が伴ってはじめて成り立つと言える。


一般的な洋風トラスでは下弦材が桁レベルに配置され、室内高さが少し圧迫感を感じるのだが、この様に勾配を持つ架構であればその様な事も少なく感じる。

 ©Tahara Architect & Associates, 2004