No.30 S HOUSE 新設工事

2003年11月
3階が約2m跳ね出した混構造3階建て住宅
意匠設計マニエラ建築設計事務所
構造設計木構造建築研究所 田原(担当: 村田)
施工者 三幸建設 株式会社

神戸市の高台に建つ、1階がRC造で2・3階が木造在来軸組工法の混構造3階建て住宅であるが、外観だけ見ているとRC造かS造に見間違えられてしまう。

3階の持ち出し(約2.73m)の部分は、木造で持ち出しを構成している。



この住宅の2・3階は在来軸組工法であるが、RC造に見えるのも仕方がないほどの小さな断面(105×240)の梁を使用している。

さらに、この形態でありながら、品確法における構造の安定に関する基準の最高等級(耐震等級3、耐風等級2)を満足している。



写真は、跳ね出し部分の2階化粧柱を吟味しているところで、化粧材であり構造上重要な柱でもあるので、慎重に材の選定。



 

合成梁が施工されてから、跳ね出し床の先端部分に大人30人(約20kN程度)に集中的に乗ってもらった状態で、たわみ量の簡易実験を行なった。

左写真はたわみ量計測用に計り棒を設置しているところ。

跳ね出しスパンは2730mmであるが、たわみ量の簡易実験の結果、たわみ量は約1.0mmであった。(右写真)



完成後、跳ね出し部分(3階)から外を見たところ。(気分は崖っぷち)
右写真の、トップライト部分では、ブレースによる水平構面補強を行なっている。(水平力は空気を伝わっていきません。)
 ©Tahara Architect & Associates, 2003