南宗寺 浄華院門徒会館・納骨堂

2021年春
2棟並び建つ、黒の 門徒会館 と 白の 納骨堂
意匠設計古田建築設計事務所(担当: 古田 充)
構造設計木構造建築研究所 田原(担当: 村田)
施工者 ヒラカワ建設(担当: 大瀬)
建設場所:兵庫県加古川市
規模:木造軸組構法平屋建
延床面積:門徒会館: 292.5m2, 納骨堂: 130m2

南宗寺は加古川市の西北、加古川総合運動公園の西南に位置する浄土真宗本願寺派のお寺で、天文19(1550)年に開かれて約470年にわたり地域とともに歩んでこられました。

本建物は、2021年春に完成しました。



門徒会館(左) と 納骨堂(右)

納骨堂はご先祖が還って往かれた浄土を体現できるような明るい白のイメージ、これと対比する門徒会館は現世として黒のイメージと解釈し、納骨堂は、木の格子と障子を通した光に満たされる白い空間、門徒会館は黒く染色した杉板の木目に囲われた黒い空間として意匠計画されています。


門徒会館内部の様子

室内より西方を望む

古田氏が初めて現地を訪れた時、田植えを終えた稲苗の列が日没時の水面に反射する光に浮かびながら西方の本堂と高御位山に向かって一直線に伸びていたそうです。

この時、東から西の高御位山に向かう、また仏教での西方浄土に向かうこの軸線をもとに計画すべきとの考えが浮かび上がってきたそうです。

門徒会館前より納骨堂を見る

納骨堂夜景

なお、南宗寺さんでは浄華院納骨堂の納骨壇使用者を募集されています。見学・資料をご希望の方は南宗寺までお問い合わせ下さい。


門徒会館内部、スパン約9mの空間は、小屋組みを合掌梁で架け渡すことで構築しています。


施工中の様子

納骨堂に付いては、建物の中心に構造用合板貼耐力壁によるコアを設けて仕様規定上必要な耐力を確保した上で、外周部に斜め木格子組を余力として設けています。

軒の出は桧の四寸角を重ねてせり出させて2.7m 持出しています。



軒出部分

納骨堂室内の様子
 ©Tahara Architect & Associates, 2021