No. 3 今井町まちづくりセンター

1997年 2月
奈良県今井町の伝統的建造物郡保存地区内にある古民家を、「まちづくりセンター」(案内所・休憩施設)として再生。
「住民活動センター」コンペ受賞、奈良県景観調和デザイン賞受賞
建設地奈良県今井町
意匠設計いるか設計集団
構造設計木構造建築研究所 田原
施工者 平成建設
0401

プロポーザルコンペにおいて、当初の最優秀案においては、鉄骨フレームによる耐震補強が組み込まれた計画であったが、当事務所が無償にて木構造の構造技術を生かした耐震補強を申し出て、採用された「面格子耐力壁」を最初に使った事例である。

この面格子は、木と木が隙間なくかみ合うことによって、横圧縮(めりこみ)抵抗することにより、耐力が発揮され、このめり込みの抵抗機構を力学的に理論式にまとめられた稲山正弘博士の「めり込み理論」により算出し、建築基準法の仕様による壁倍率の最大とされる性能を発揮することが分かり、検証実験においても同様に確認された。

このように、日本の伝統的要素である面格子が素晴らしい耐力要素を持っていることに、今までの建築家はなぜ気が付かなかったのか?



 

面格子耐力壁                 水平面格子


面格子耐力壁を2階への階段の両側とその上部の2階に配置し、階段の踏み板を格子で支持させ意匠的にも構造的にも美しくデザインしている。

補強金物は見かけはないが、柱内部にDボルト(かんざし金物)をセットしている。 

また、2階外壁構面と下屋の外壁構面をつなぐ天井面にも水平面の耐力要素として面格子を挿入して、構造性能の確保をしている。

その他見えない部分も含めて、小屋裏などで丸太が井桁状に組まれているので、耐力要素が上部と下部でつながっていない箇所は、構造用合板耐力壁等を用いて上部と下部の耐力要素を一体化している。

 ©Tahara Architect & Associates, 2003