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2007年7月16日に起きた中越沖地震の被害について



2004年10月23日に発生した小千谷市を震源としたM6.8の大地震が起きてから約3年が経とうとしている中で、約30キロ離れた柏崎沖で海底にある断層が動き、M6.8(震度6強)の地震が発生した。

この2つの地震は、関連性について地震学者から色々と説明されているが、本当の意味での重要な点が抜けていると思われるので、説明したいと思う。

前回の中越地震が起きて中越地域においても「もう2度とこのような恐ろしいことは起きないだろう」といった安易な考えがあったように思う。

なぜならば、今回の中越沖地震で被害を受けた震度6弱〜6強の範囲の地域においては、前回の地震では震度5弱程度であり、この程度の地震動では非常に脆弱な耐震性能の木造住宅以外は軽微な被害しか受けないのである。

だから、震度5弱程度で軽微な被害しか受けていないので「もう地震への対策は少し先でいいだろう」と思い耐震診断や耐震補強を後回しにしていた人たちがほとんどであったと言える。

このように日本中どこにいても1度起きてしまえば2度とこないという事はありえず、常に「明日は自分の近くで起こるかも分からない」という心構えが必要ではなかろうか?

2004年の新潟中越沖地震以降においても2005年の福岡地震、そして今年の3月に起きた能登半島地震のように頻発している事が分かっていながら「まあ、すぐには起こらないから後でもいいや」といった心の油断や経済的な理由でできない人が多いのが現状である。

このような点から、国はどうしたらその様な人に対してその気になってもらえるか、本気で考える期限が目前に迫っていると考える。

再度言うが、築年数の古い木造住宅は震度6強以上に対して特に注意を促す必要があると思う。


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©Tahara Architect & Associates, 2007