戻る

木造住宅の耐震性能において
1981年の新耐震は関係ない(その1)


国の中央防災会議が「東海、東南海、南海地震の三つの大地震において、今後10年で半減する」と発表したが、この各大地震は発生確率が高くいつ起きても不思議でないという状態である。

地震予知連絡協議会等では「各大地震の発生が近いですよ。皆さん気をつけてくださいね。」といった脅し文句だけで、その対策に「木造住宅の倒壊する確立が高いので、耐震補強をしましょう。」という眠たい話で終わっているのが現状である。

では、そのような発言をしている学者に「どこ(どの地域)の木造住宅が危険なのですか?」とか「どのような住宅が倒壊の危険性があるのですか?」と問いただしてみたところで、地震学者は「木造の耐震構造は専門でないので分からない。」とか「阪神淡路大震災や新潟県中越地震で倒壊したような木造住宅が危ないんだ。」「そんなことは阪神淡路大震災以後マスコミ等で色々と危ない住宅が指摘されているだろう。木造住宅に関係しているのであればもっと勉強したまえ。」といったいい加減な答えが返ってくるだけだと思われる。

さらに、もっと卑劣とも言える表現で「東海、東南海、南海の各地震が発生すると死者が1万人以上と推定される。」などとマスコミで発表されているが、そのような倒壊して死者が出る木造住宅が分かっているのならば、その該当する木造住宅の住人に対し「おたくの住宅はマスコミで発表した死者の出る住宅のうちのひとつですよ。」と直接説明するのがその発言した学者の責任ではなかろうか?

そのような事をきちんと説明する学者は、おそらくは一人もいてないであろう。

倒壊する家屋の棟数や、死者数を恐怖感をあおるような数字で出すのは、危機感をもたせるにはいいのかもしれないが、もしはっきりとした事が言えるのであれば、倒壊する住宅に対し国が強制的にレッドカードを張るなりして、人が近づかないようにするのが安全確保のためにはいいと思うのだが・・・

しかし、個人の住宅に対しそのようなレッドカードを張ることはほぼ不可能と思われるし、地震学者にはその判断をすることすらできないであろう。

それなのになぜ倒壊数や死者数がわかるのだろう?

また、どのような基準式を根拠に算出しているのだろうか?

一般の人にはなにも知らされないまま脅し文句のような数字だけ出しても、その根拠をきちんと載せなければ、ほんとの防災対策にはつながらないであろうと思われる。


戻る

©Tahara Architect & Associates, 2005