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全国の木造住宅建築の実務者の方へ



建築基準法が改正され、3年が経過し、そろそろ実務者においても、その内容を理解したものと思われる。

この改正は、木造住宅において、耐震構造の技術規準としては、かなり大幅な改正であり、今まで、曖昧であったバランスの問題点や接合部における金物の規定等が明記されて、耐震安全性能が、かなり改善されたのである。

このような改正による内容は、今までの規準(旧建築基準法)が、木造住宅における本当の意味での耐震安全性能を担保した技術規準ではなかった。

そこで、木造住宅における実務歴10年以上の建築士の方へ問いたい。

「あなたは、改正基準法までに何棟の木造住宅を設計・施工をしましたか?」

そして、その過去において設計・施工した木造住宅の施主に対し、「現在の改正基準法に当てはめると、お宅の住宅は、既存不適格となりますよ」と、正直に説明しましたか?

このような問いに対し、一体どれだけの建築士が、「私は今まで、設計・施工した中で、過去の物件において全ての責任を負っているので、施主に対しきちんと説明し、リフォーム時に改正基準法と合致するように耐震補強を行いました。」
と、一体どれだけの人が言えるのだろう。

おそらく、1万人のうち数人程度の比率ではないかと思われる。

これから起こるであろう大規模地震に対し、建築士は、過去に携わった木造住宅に責任が無いとは言えなくて、現行基準法に照らしてみて当時は良くても今現在不安があれば、その改善を促すのも、建築士の使命であると言えるだろう。


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 ©Tahara Architect & Associates, 2003