動力泉、10年で26%増
全国で湧き出る温泉の量が増え続けている。

環境省の調査によると、2004年末時点の全国の総温泉量は1分間あたり271万リットルと10年前に比べて12%増えた。

自然に温泉が湧き出る「自噴泉」が13%減ったのに対して、温泉をポンプで汲み上げる「動力泉」は26%増えた。

社団法人日本温泉協会によると、「旧国鉄が1981年に手がけた『フルムーン』のCMで上原謙さんと高峰三枝子さんのカップルが温泉でくつろぐ姿が話題になったことがきっかけ。」で、動力泉の新規掘削が急増した。


地域振興に温泉ビジネス熱が高まったが、都道府県でみると格差も。

湯布院など人気温泉地がある大分県で湧き出る量は過去10年で12%増えたのに対し、レジャー客が減った北海道は9%、伊豆半島を中心に新規掘削を規制した静岡県は8%減っている。

バブル崩壊後は社員旅行が減り、全国の宿泊施設は89年度から15,000台で頭打ちだ。

一方で都心や都市近郊などで日帰り施設の温泉施設が増えており、動力泉は今後も増加傾向が続きそうだ。
1分間当たり湯量  都道府県
10万リットル以上 北海道・青森県・岩手県・長野県・静岡県・大分県・熊本県・鹿児島県
5万〜10万リットル 秋田県・山形県・福島県・新潟県・栃木県・群馬県・山梨県・岐阜県・和歌山県・
2万〜5万リットル 宮城県・茨城県・東京都・神奈川県・愛知県・三重県・富山県・石川県・大阪府・兵庫県・岡山県・広島県・鳥取県・島根県・山口県・愛媛県・福岡県・佐賀県・長崎県・宮崎県
2万リットル未満 千葉県・埼玉県・福井県・滋賀県・京都府・奈良県・徳島県・香川県、高知県・沖縄県
都道府県別湧出量
日経新聞 2006.2.9夕刊
大分県湯布院温泉
静岡県伊東温泉