前日、湯布院温泉に宿泊し、翌日、大観峰・阿蘇山観光と「地獄温泉」で入浴、その後引き返して黒川温泉に到着した。入湯手形を購入すれば3ヶ所の露天風呂で入浴出来るが、そこまでの余力が残っていなかったので、やまびこ旅館のみで立ち寄り湯をしてから、この日宿泊の「山みず木」に向った。
温泉名 : 黒川温泉 (入浴日:2005.4.5)
施設名 : 山みず木 (入浴日:2005.4.5)
世界最大のカルデラの中央に、阿蘇五岳の中岳・高岳などの中央火口丘群が今も噴煙を上げている。
南小国町は、この阿蘇五岳を囲む外輪山の北側と東側の久住連山の山裾が交差する標高400m〜900mの高原に位置し、一部は阿蘇くじゅう国立公園に所属している。
町の中を筑後川の支流が北側に流れ、町域の85%が山林原野を占める自然と温泉に恵まれた町である。
町域の温泉は数多く、田の原川の渓谷に沿って旅館が立ち並び、平成に入って癒しの温泉として大ブレイクした黒川をはじめ、満願寺・田の原・扇・白川・小田などの情緒ある温泉が数多く点在している。
データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。
阿蘇・・・周囲100km、世界最大のカルデラをドライブ
今回の九州旅行の1つの楽しみが、東西18km・南北24km・周囲100km、世界最大の阿蘇のカルデラを思う存分走り回ることだった。
そのため、前日宿泊した湯布院温泉から遠回りして、大分自動車道九重ICから国道387・212号線を南に進んで、大観峰からの阿蘇五岳と九重連山を望む大カルデラを眺望した。そこから阿蘇五岳に進み、その一つ烏帽子岳の西南麓、標高750mに位置する地獄温泉で入浴。その後、高度を上げて中岳の噴煙を仰ぎ見る草千里に到着。愛犬に思いっきり噴火口跡の草原を走らせた後、やまなみハイウエィを利用して今夜の宿泊地、黒川温泉に向かった。
大観峰の名に相応しい眺望。東側に久住山(1787m)をはじめとする久住連山が伸びる。
南側に高岳(1592m)などの阿蘇五岳。五岳は釈迦の寝姿に似ているので阿蘇の涅槃像と呼ばれる。
今回の旅行で3,160kmを走った愛車の雄姿。
五岳に向かって進み、烏帽子の山麓を走る。
地獄温泉の名物露天風呂「すずめの湯」に入浴。
草千里に向かって快適な道を進む。
噴火口跡、1km四方の草千里。
まだ茶色の草原を思い切って走り回る愛犬アルベール。
草千里で食べた豚骨の熊本ラーメンは美味かった。
やまなみハイウエィで黒川温泉へ向かう。
草千里から見る中岳の噴煙。
共同浴場の地蔵湯
黒川温泉の案内所「風の舎」。
立ち寄り湯の場合は、ここで入湯手形(1200円で3旅館の露天風呂に入浴可)と旅館マップを入手して露天風呂巡りを。
2002年9月の日経(日本経済新聞)・NIKKEIプラス1で、最高位の「温泉大賞」に輝いたのが黒川温泉である。
その他の人気温泉ランキングでも常に上位にを占めていて、乳頭温泉(秋田県)・湯布院(大分県)そして黒川温泉が、「憧れの温泉」「泊まってみたい温泉」のベスト3だろう。
黒川温泉の歴史は少なくとも江戸時代には遡るが、鉄道の整備によって繁栄してきた内牧温泉や杖立温泉をよそに、地元客中心の湯治場として細々と長らえてきた。昭和36年に6軒の宿が一般向けの宿として本格的に営業を開始し、昭和39年(1964年)、やまなみハイウエィの開通時には若干の注目を浴びたが、当時の旅館は設備もサービスもレベルが低く、再び温泉客に忘れられていった。
そんな危機の中にあって、「田舎らしさを出そう」という運動が興り、雑木の植樹、次いで露天風呂の増設が始まった。昭和61年(1986年)になって、この運動が黒川温泉全体の取り組みとなって、看板の統一、温泉手形の発売などのさまざまな仕掛けも始まった。この地道な努力が報いられて、次第に「癒しとくつろぎの温泉地・黒川」が世に知られ始めた。
バブルが崩壊し、温泉地に求められるものが、団体客・歓楽から個人客・癒しに変化して行き、合わせて温泉ブームが到来、黒川温泉は一気にブレイクし、いまや予約が取れにくい超人気温泉となった。
現在の黒川温泉は、筑後川の最上流・田の原川の渓流沿いに、30軒弱の旅館が点在する。これらの旅館は、全国の温泉旅館に大きな影響を与えた「黒川スタイル」を共通に有している。即ち、旅館の規模が中小、和の美と素材を取り入れて、黒と焦げ茶の木材を随所に組み込んだ小粋な雰囲気の内装、それに大型で自然と調和させた露天風呂だ。
超人気の黒川温泉にあって、女性を中心に人気が高く、リピーター客が多い旅館が山みず木だ。
また、湯量豊富な黒川温泉にあっても、すべての風呂が掛け流しの旅館は半分程度だが(昭文社温泉&宿・九州・・2005年度版)、ここは全部が掛け流しだ。
山みず木は、温泉街の中心から2kmほど離れた山間(やまあい)にあり、客室は全部で22室、T付が14室、BT付が8室(露天風呂付有り)とサービスが行き届くほどよい規模だ。
宿泊料金は、2名同室で「18,000円から26,400円(税・サ込み)」の幅、私の場合は、10畳T付で@19,050円(直接電話予約)だった。
風呂は、内湯:男1・女2、露天風呂:混浴1・女性2となっている。
3つの露天風呂は何れも田の原川の渓流沿いにある。
混浴露天風呂「幽谷の湯」は、温泉ガイドブック・雑誌によく紹介される大きな露天風呂で、前を流れる渓流と一体となって、まるで川の中で湯に浸かっている様な気分になる。
湯は無色透明なナトリウム塩化物硫酸塩泉である。
女性用の露天風呂2つは、「裸の散歩道」で繋がっていて、渓流を見ながら「はしご湯」が出来る。
湯上りには、3000坪の敷地内の茶房「井野屋」で小国ジャージー牛乳と地鶏の卵を使ったプディングが味わえる。
夕食・朝食とも食事処で頂く。
私は部屋食が嫌いで、出来るだけ食事処で夕食が取れる旅館を探す。
その理由の幾つかは、山みず木のホームページに記載されている。まったく同感だ。
「(食事処での夕食としているのは)当館のような客室では、(普通)お食事と寝室が同じ部屋ということになります。
「係りのものが食事を片付けお布団を敷く間、お客様は部屋の隅に遠慮がちに座っていらっしゃる」、あるいは「食事の臭いが部屋に残る」などのいろいろな問題へのひとつの答だとご理解いただければ幸いです。」
これに「私ども夫婦は腰や膝に支障を持っていて、畳に座るのが苦痛。」が加わる。
夕食は凝った料理は少なく、地元の食材を使用して素直に料理したものが多く、食べ残すような量でなくて嬉しかった。
山みず木は、黒川温泉の旅館・露天風呂の原型である「新明館」の別館である。
黒川温泉の顔である露天風呂は、新明館のものが最古だ。
先付:桜花豆腐 葉山葵 紅生姜 キャビア
酢物:木の芽酢味噌和え
刺身:馬刺し・森のサーモン・桜草
吸物:コラーゲンスープ 焼葱
焼物:山女魚塩焼き 檸檬 アスパラ酢漬け
蓋物:筍万十・・ 蓬あん・糸唐辛子
お凌ぎ:竹炭うどん めかぶ 小葱
洋皿:ビーフシチュー 生野菜のサラダ
留椀:健康鍋
白菜・水菜・白葱・牛すじ・木の子二種・大根餅
香の物:ぱりぱり浅漬け・・・ダイコン・人参・胡瓜
御飯:竹酢米
デザート:黒豆プリン ミント 生クリーム
夕 食
朝 食
山女魚塩焼き
筍万十
健康鍋
納豆
豆腐
惣菜(二人前)
女性用露天風呂「森の湯」はもう一つの「木もれびの湯」と繋がっている。
瀬音をたてて流れる渓流と一体となった混浴露天風呂・幽谷の湯
雑木林の中の山みず木
ロビー風景1
ロビー風景2
食事処入口
荒削りの木枠で囲まれた内湯は底も木造。