温泉津温泉・輝雲荘 (島根県)
世界遺産登録へ →(追記)世界文化遺産登録決定(2007年7月)

温泉津は「ゆのつ」と読み、文字通り「温泉のある津」に由来する。
温泉津は、かっては世界の銀の1/3を産出し、海外にも輸出していた石見銀山と深い係わり合いがある。
銀山は鎌倉時代末期、大内氏により発見され、本格的な開発は16世紀初頭に始められ、その後17世紀にかけて最盛期を迎えた。この時期の人口は20万人と言われている。
石見銀山が佐摩村にあったことから「ソーマ(Soma)銀」と呼ばれ、海外にも数多く輸出され、中国や朝鮮半島などのアジア諸国とポルトガルやスペインなどのヨーロッパ諸国を交易で結ぶ役割の一端を担った。
発掘された銀は、周辺の港から出荷されていたが、その内の一つが現在の温泉津港だった。銀山とこれらの港の間は道が整備され、銀山街道と呼ばれていた。
銀山は大正12年(1932年)に閉山となった。その後、大規模な開発が行われなかったこともあり、多くの遺跡が極めて良い状態で保存されているため、国指定史跡となり、現在、温泉津を含んで世界遺産登録の手続きが進められている。
一部
温泉街から徒歩7〜8分、温泉津の漁港は桜が満開だった。
住 所 島根県邇摩郡温泉津町温泉津口208−1
電 話 0855−65−2008
交通機関 浜田自動車道浜田ICから約36km
JR山陰本線温泉津駅から温泉津町営バスで8分温泉前下車
施 設(日帰り) 立ち寄り湯が不可となった(2007年7月〜)
宿 泊 11,700円
休前日は上記料金に、プラス1,050円。 お正月、Gウィーク、お盆は更に1,050円プラス。
料金は逐次変更されるので下記HP参照ください。
泉 質 ナトリウムーカルシウム塩化物泉
内湯は掛け流し(湯温によって加温・加水)
露天風呂は温泉ではない。
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間(日帰り) 立ち寄り湯不可となった。(2007年7月〜)
定休日 無休
入浴料金 立ち寄りは不可となった。
入浴施設 内湯男女各1 露天風呂(温泉ではない)男女各1貸切風呂1
浴室備品(日帰り) シャンプー、ボデイソープ、ロッカー、ドライヤー
観光スポット 石見銀山・日御碕・出雲大社・松江城周辺
お土産・食事 土産は当旅館で可 昼食は温泉街
近くの温泉 有福温泉・上津井温泉・美又温泉・旭温泉・湯迫温泉・三瓶温泉・湯抱温泉
温泉津町HP
観光協会HP
輝雲荘HP
http://www.iwamigin.jp/yunotsu/
http://www2.crosstalk.or.jp/yunotsu/
http://www.kiunsoh.com/
雑記帳 平成10年、初めて「全国難読町村サミットが温泉津町で開催された。
その後、奈良県の榛原でも開催されて、日本各地から38町村が参加した。奈良県は地元で開催ということもあったので、7町村が参加した。しかし参加した町村名を見ると、何れも奈良の歴史の奥深さを感じさせるものばかりであった。名前の由来はともかく、皆さんはこの町村名、いくつ読めますか?
都祁村・平群町・斑鳩町・菟田野町・当麻町・野迫川村・榛原町
(正解:へぐりちょう・いかるがちょう・うたのちょう・たいまちょう・のせがわむら・はいばらちょう)
11泊の九州温泉旅行の最終日、自宅への中継地点として、いまだ入浴していない島根県の温泉で一泊することにし、温泉津温泉を選んだ。(立ち寄り湯は2007年7月から停止)
温泉津港近くから500mほど、、この銀山街道に沿って小さな旅館、外見からは営業しているかどうか分からない古びた土産物屋、寺院それに共同浴場が立ち並び、大正・昭和初期の風情を漂わせている。
到着したのは午後4時過ぎだったが、モノトーンの町並みには人影が少なく、この付近だけ時間の流れが止まっているように思えた。
温泉街の中程には、湯治場の雰囲気を残すとびっきりレトロで源泉かけ流しの共同浴場、元湯泉薬湯・薬師湯の2軒がある。
元湯は1,300年前から湧き出し、薬師湯は明治5年の浜田地震によって噴出した。
それぞれ5時30分、5時30分から営業開始。共同浴場は概して早朝からの営業が多いが、それにしても5時台からは珍しい。
ここに宿泊されたなら、朝食前に浴衣姿で温泉街を散策し、共同浴場で朝湯に浸かることを是非お薦めする。
落ち着いた雰囲気の和室
温泉街でここだけ真新しい輝雲荘
前日宿泊した九州の九重高原から500km余り、8時間かけて九州方面11泊の旅の最後の宿泊地、温泉津温泉にやって来た。
すれ違いが難しい旧銀山街道に入って間もなく、ここだけが真新しい輝雲荘に到着した。
駐車場は旅館の手前、徒歩30秒の寺院の横にある。

玄関に入るとスリッパが置いてない。
館内のロビー・ラウンジ・廊下の全てが畳敷きになっていて、はなはだ気持ちいい。
ラウンジは外来客も利用できるようになっていてコーヒーは350円だ。建物は木造2階建て、明治30年築の本館や旧館が中庭を挟んで繋がっていて、道路側・山側に13室の部屋と離れが2部屋ある。

建物は古いが、平成15年6月にリニューアルオープンしたばかりで、どこもかしこも新しく木の香・畳の匂いが漂っていた。
とは言え、木造のため一部の部屋では上下の物音が聞こえてくるそうで、予約の際に確認しておきたい。(旅館のHPに掲載)

案内されたのは、その音が聞こえてくる2階の8畳と広縁(T付き)の落ち着いた和室だったが、当日、宿泊客が少なく階下は無人、緑が見えるのでここに案内されたのだろう。
料金は@14,700円で、旅行券を利用したためJTB経由の予約。そのため若干、高目についたかも知れない。

夕食は部屋食。料理は土地柄、海の幸が主体のオーソドックスな会席料理で、ここの料理の目玉、鯛の塩焼きが付いた。

風呂は男女別に露天風呂の付いた内湯、それに家族風呂が1つある。

大浴場は、地元特産の淡い緑青色の福光石が敷き詰めら、周囲に木材もふんだんに使われてれて品格がある。満たされている湯は、共同浴場の薬師湯から供給されていて、海岸沿いらしく透明なナトリウム・カルシウム塩化物泉(含土類食塩泉)で湯冷めがしにくい泉質、湯船の木枠から静かに溢れ出ていた。
露天風呂は温泉でなく水を沸かしたもので、このことは旅館のホームページで断っており、きっちりと情報公開を行っている。
売り物の鯛の塩焼き
館内は、廊下・ロビーすべてが畳敷きでとても気持ちいい。
地元特産の淡い青緑色の福光石を浴室に敷き詰めた内湯(源泉掛け流し)と露天風呂(温泉ではない)。
所在地 : 邇摩郡温泉津(ゆのつ)町
施設名 : 輝雲荘 (宿泊日:2005・4・12)
温泉名 : 温泉津(ゆのつ)温泉
データは変更されている可能性もあります。事前にご確認ください。
旧銀山街道。右側が最も古い旅館・長命館。
元湯泉薬湯。温泉好きにはたまらない風情だ。