施設名 : 小森温泉 (温泉名に同じ 入浴日2008.8.6) 
所在地 : 加賀郡吉備中央町
温泉名 : 小森温泉 
交通量が少ない国道429号線沿いにある小森温泉には、同名の「小森温泉」と町営の「ラーバニスト小森の里」の2つの宿がある。

小森温泉は、江戸時代享保年間に、岡山藩の藩主が湯治場として開湯したという歴史があり、旅館「小森温泉」の玄関先には、新たに温泉をボーリングをした際に発見された当時の木造噴出筒や温泉導入樋が展示されている。

同じ町内、小森温泉から数キロ奥ののどかな山里に、もう一つの素朴な温泉、湯の瀬温泉(追って掲載)がある。

この二つの温泉、手元の複数のガイドブックに掲載されていたので名前だけは頭に入っていたが、詳しくは相互リンクさせていただいている温泉サイト仲間、せっとんさんリーダーさんの紹介記事を拝見し、機会があればいつか寄ってみたいと思っていた。


小森温泉 (岡山県)
   
加茂川地区は岡山でも有数の桃の産地。果物の季節は必ず直売所に立ち寄るが、今回も道路沿いの店で岡山県を代表する「清水白桃」をかなりの量買い込んだ。
吉備中央町は、平成16年、加茂川町と賀陽町が合併して出来た新しい町だが、それでも人口は14000人余りの小さな町だ。

岡山県のほぼ中央に位置し、南で岡山市や総社市と接している。
標高が200m〜500m、吉備高原の一角を占めていて、気候は南部と比べて冷涼な地域である。
主要産業は農業で、水稲の他に高原野菜・果物・花卉・酪農が盛んだ。
中でも岡山県の特産である桃の栽培は、加茂川地区で盛んに行われており、県下でも有数の生産地となっている。

山陽自動車道の岡山総社ICで下りて国道429号線に乗り換えて北上、小森温泉に向かう途中に「吉備高原都市」という看板を何回か見かけた。

ここは岡山県が現在の吉備中央町に、東京・新宿区に相当する広大な面積を、保健・福祉・教育・文化等を中心に据えて開発する計画だった。
しかしご多分に漏れず財政の逼迫で行き詰まり、大部分のプランが凍結されたままになっている。
元勤務先の同期入社10数人で赤穂温泉(兵庫県)で一泊。この機会を逃してなるものか、幹事の了解を得て往復は自分の車で単独行動、赤穂温泉の旅館2軒と岡山県吉備高原周辺の温泉3ヶ所に立ち寄った。
小森温泉は温泉教授の松田忠徳氏が「岡山県の超穴場」と推奨した素朴な温泉だ。
国道429号線沿いの小森温泉(温泉名に同じ)
旅館・小森温泉に展示されている江戸時代の温泉設備。
瓦を葺いた立派な玄関に白壁、外見はなかなか立派だが、一歩館内に入ると創業の昭和29年まで一挙に50年をタイムスリップしてしまう。
横に広い玄関先の廊下の先端には分厚い一枚板が敷かれ、その先は緑色の安手の敷物が奥まで続き、木の彫り物や木の根っ子やガラクタに近い物まで陳列されている。

玄関には、日帰り入浴の人は奥まで進んでください、の貼り紙があったので、床をギシギシ言わせながら進む。
途中、細い流れの小川を跨ぐ廊下を渡るので、宿の主要部分は対岸にあるのが分かる。

渡った先で、下の方から「お風呂?」という声が聞こえてきたので、ギクッとしたら狭い階段の下から老婦人が顔を出した。
歩いてきた所はどうみても1階だから地下室なのだろうか。
制限1時間で入浴料550円を支払う。
住 所 岡山県加賀郡吉備中央町小森245
電 話 0867−34−0015
交通機関 山陽自動車道岡山総社ICから約40km
JR津山線金川駅からタクシーで約30分
施 設 湯上り処 自動販売機、駐車場(20台) 
宿 泊 7室(T1 BT無し6) 
宿泊料 8,400円〜12,600円(2007年度ガイドブックによるので、宿泊の場合は電話で確認下さい)
泉 質 アルカリ性単純温泉 (29℃ pH9.4)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間(日帰り) 予約不要
月曜〜土曜日 午前11時〜午後7時
日曜日・祝日  午前11時〜午後6時 
定休日 不定休
入浴料金 大人550円(1時間)
入浴施設 内湯男女各1
浴室備品 石鹸のみ ロッカーは1000円を渡してカギを貰うが、カギを返却時に1000円は戻る。
観光スポット 三休公園(桜の名所)、吉備中央公園、ドイツの森クローネンベルク、藤ヶ鳴フルーツパーク
お土産・食事 周辺では土産屋は見かけなかったが、途中に道の駅が一ヶ所。時期だったので桃の直販所が営業していた。食事処は国道沿いで散見。
近くの温泉 湯の瀬温泉、粟井温泉、八幡温泉郷、
吉備中央町HP
http://www.town.kibichuo.lg.jp/
雑記帳 果物の季節になると、温泉巡りの行程に直販所を組み込む。
今回は上記の通り赤穂温泉に宿泊、岡山は桃の産地だが今までここで購入したことが無い
(例年は甲府盆地で)。
当然のことながら帰りは岡山の温泉に決め、道中、人に聞きながら直販所を聞き、そこで岡山の清水白桃をしっかり買い込んだ。
データ (データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)
湯上り処
はじめ飲泉所と思ったがトイレの前にあったので手水(ちょうず)だろう
ドアが開いていたので客室を撮影
正面奥の階段を下って浴室へ
小川を跨ぐ廊下
玄 関
浴室は階段を下りた地下にある。
珍しいことに脱衣場は床全面に板のスノコが敷かれている。これは地下にあるので湿気予防だろうか?
その上、天井が低く頭がつきそうに思えて、無意識に首をすくめてしまう。
風呂場へは更に階段を下る。
浴室は、何故か城砦の銃眼のような小窓が床スレスレに3つあるのみで薄暗い。
入浴中、ずっとこの窓の位置を考えていたが、納得できる解答が得られなかった。しかし、浴槽の位置が河床より僅かに高い位置にあるのは、かっては源泉湧出場所の真上にあったためだろうか、と思ったりした。


温度差がある浴槽が2つあり、透明度の高い単純温泉が加温の上に掛け流しになっている。pH値が高いアルカリ性のためだろう、シットリ感がある。
鼻の利きが悪い私は認識できなかったが、わずかに硫化水素臭がするようだ。
湯の温度が違う2つの湯舟
天井が低い脱衣場
小窓から見た風景。水車が廃棄され、小川には小魚が泳いでいた。
配管がむき出しになった洗い場