施設名 : 弥五平 (入浴日:2006.12.11)
下田市は伊豆半島の南東部に位置し、面積の約8割を占める山々と約50kmにおよぶ海岸線が美しい景観を作り上げている。
人口は約26,600人(平成18年4月1日現在)、気候温暖で自然に恵まれ、夏は白浜・柿崎・入田・吉佐美等の海水浴場が混みあう。
また、平野部には蓮台寺・下田・河内温泉などの温泉が湯煙を上げている。
下田は歴史上、所謂「下田条約」が結ばれたことで知られている。
江戸末期、欧米列国が江戸幕府に開国・開港を迫り、1854年(安政元年)、米国・ペリー提督は再び艦隊を率いて神奈川の沖に錨を下ろした。
幕府はついに日米和親条約を結び、ここ下田港と函館港に外国船の出入りを許した。
これに基づき、ペリー提督は7隻の軍艦とともに下田港に入港し、和親条約の細かな取り決めを幕府と結んだ。
これが下田条約である。
首都圏在住の人には「踊り子号」の名前はお馴染みで、すぐに東伊豆・中伊豆の温泉を連想する。
この列車は、、東海道本線・JR伊東線そして伊豆急行に乗り入れて下田に向かう路線と熱海駅から伊豆箱根鉄道駿豆線に乗り入れて修善寺に向かう2つの路線がある。
熱海から国道135号線に沿って南下した列車は、伊豆山・熱海・網代・伊東・川奈・伊豆高原・北川・熱川・片瀬・稲取・蓮台寺と次々に温泉地を通り過ぎ、終点の下田駅に到着する。
蓮台寺温泉は、下田市街から稲生沢川を3kmほど遡った、静かな山間にある温泉地。下田の奥座敷ともいわれ、稲生沢川の支流・蓮台寺川に沿って立派な高級旅館が立ち並ぶ。
1300年前の奈良時代、行基が伊豆行脚の途中、温泉を発見したという伝説が残る。
湯量が豊富なのが特徴で、近くの下田温泉の湯もここから引湯されている
幕末に密航を企てた吉田松陰が隠れ住んだ、隠れ家などの史跡や唐人お吉の菩提寺・宝福寺に併設されている記念館等がある。
住 所 |
静岡県下田市蓮台寺337−1 |
電 話 |
0558−22−2202
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交通機関 |
東名用賀IC、厚木IC(小田原厚木道路)、小田原(国道135号線)由で約160km
東名沼津ICから国道1・136・414号線で下田方面へ約72km
伊豆急行 伊豆急下田駅からバス8分弥五平旅館前下車すぐ
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施 設(日帰り) |
ロビー、駐車場20台 |
宿 泊 |
16室 7,000円〜20,000円程度(詳細は旅館に照会) |
外来入浴時間 |
9〜20時(予約不要) |
定休日 |
無休 |
泉 質 |
性単純温泉 |
適応症 |
不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照) |
入浴料金 |
大人 500円 |
入浴施設 |
内湯:男女各1 混浴(温泉プール)1 貸切1(旅行代理店のデータ)
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浴室備品 |
シャンプー、ボディソープ (ロッカーは未確認) |
観光スポット |
吉田松陰寓寄処、開国記念館、宝福寺、長楽寺、下田海中水族館、下賀茂熱帯植物園、爪木崎、石廊崎 |
お土産・食事 |
両方とも下田温泉及び国道414号線沿いに多数(ワサビ漬け・干物等)
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近くの温泉 |
河内、下田、下賀茂温泉、観音温泉、大滝、河津七滝、今井浜、湯ヶ野、河津浜、峰、稲取 |
下田市HP
観光協会HP
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http://www.city.shimoda.shizuoka.jp/
http://www.shimoda-city.info/ |
雑記帳 |
吉田松陰
山口生まれ。父は萩藩士杉百合之助。山鹿流兵学師範であった吉田家の養子となる。藩校明倫館を経て、諸国を遊学。佐久間象山のもとで砲術と蘭学を学ぶ。
安政元年(1854)海外密航を企て、下田港のアメリカ軍艦ポーハタン号に乗り込もうとしたが、拒絶され投獄。のち萩の野山獄に移されるが、翌年免獄となり実家杉家に幽閉の身となる。その間松下村塾を開き、高杉晋作、久坂玄瑞、伊藤博文、山県有朋ら約80人の門人を集め、幕末から明治にかけて活躍した人材育成の場となった。
安政6年(1859)、安政の大獄により江戸で刑死した。
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データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。
吉田松陰(雑記帳参照)寓居処
幕末期、ペリー艦隊に便乗し海外渡航を企てた吉田松陰が寄寓した、蓮台寺温泉の奥にある茅葺きの家。
下田市にある開国記念館に陳列された黒船
宿泊した河内温泉・金谷旅館からの帰途、温泉サイト仲間で渋い温泉に詳しい温泉たまこさんの紹介で、蓮台寺温泉の老舗宿・弥五平に立ち寄った。
吉田松陰寓居にある風呂。今は建物が傷むので温泉でなく水が張ってある。その代わり庭先の竹筒から温泉が流れている。
静かな流れの稲生沢川(いのうざわがわ)沿いに蓮台寺・河内温泉などが湯煙を上げる。
蓮台寺温泉の草分け、創業が明治6年の老舗・弥五平は、蓮台寺温泉の端、街道筋から少し奥まった場所にひっそりと佇んでいる。
目の前に茅葺の「吉田松陰寄寓処」もあり、この一帯だけは時間が止まっているような雰囲気だ。
この旅館は、かなり詳しい温泉ガイドブックにも掲載されておらず、温泉サイト仲間の温泉たまこさんの紹介が無ければ訪れることのない宿だった。
館内は古びているが清掃が行き届いている。
部屋数は16室、宿泊料金は7,000円〜20,000円程度の幅で設定されている。
風呂は男女別内湯の他に、プールのような大きな混浴風呂があるようだが、当日は入浴しなかった。(パンフレットでは温泉プールと紹介されている。水着着用なのかどうか定かでない。)
ボランティアの方が館内を丁寧に説明してくれた。
写真は吉田松陰の像。
入浴した風呂(500円)は、旅館の売り物である石風呂の「薬師湯」。玄関近くにあり、仕切りの無い脱衣室から4,5段下った一段低い場所にある。
普段は男性用らしいが、立ち寄り湯の場合は、貸切にして女性でも入浴できるようだ。
素朴な浴室だが、なんとなく歴史を感じさせる風情が漂う。
ほぼ正方形の浴槽は4つに仕切られ、それぞれに2〜3人が浸かれる大きさだが、1人で入浴すると自分の縄張りを得たような気持ちになり、のびのびと入浴が楽しめる。
温泉は湯口と湯舟の一つの底から供給されているが、足元湧出ではなくて、パイプを底に引っ張ってきて湯舟に注いでいるものと思われる。
泉質はさっぱりした単純温泉、湯温は仕切られた浴槽によって異なるが何れもかなりの高温だった。
石風呂の薬師湯。面白い設計で4つに仕切られている。