湯巡りを始めて間もない5年前に立ち寄った日航亭大湯、熱海では数少ない日帰り施設、その上掛け流しだ。
今回は熱海(古屋)に宿泊、チェックイン後に2度目の入浴に向かった。

熱海温泉 日航亭大湯 (静岡県)

熱海温泉の歴史は古く奈良時代まで遡るそうだが、もともとは阿大美と呼ばれたいた。
それが海中に温泉が湧き、海水が熱い湯になったことから「熱海」という地名になった。

江戸時代、徳川家が熱海を愛し、家康は度々この地で湯治を行い、三代家光はここに湯治御殿を造り、5代家綱や八代吉宗も熱海の温泉を献上させた。

明治時代になると多くの文人がこの地を訪れ、中でも熱海を全国に知らしめたのが尾崎紅葉の代表作(未完)で 、貫一とお宮の悲恋を描いた「金色夜叉」だ。

今、熱海温泉が抱えている課題とそれへの取り組みは、5年前の熱海市ホームページ中の市長の言葉から容易に推測できる。

「・・・一つ目の改革は、男性の団体客中心の観光地から、女性や小グループ・家族連れにも愛され心癒される観光地に変わることです。」
名所の大湯・間欠泉は人工間欠になった。

20人が一度に入れる大きな露天風呂。

かなり年期の入った応接セットの湯上り処

当日男性2の湯屋へ

湯気があってこんな写真の内湯




所在地 : 熱海市

データは変更されている可能性があります。お出かけ前に確認ください。

 所 静岡県熱海市上宿町5−26
電 話 0557−83−6021
交通機関 小田原厚木道路石橋ICから真鶴道路、熱海ビーチラインで約25km
JR東海道線熱海駅から徒歩12分
施 設 軽食・喫茶処、休憩室、駐車場(10台)
宿 泊 不可
泉 質 ナトリウム・カルシウムー塩化物温泉
(湧出量80,000リットル/日、泉温98.2度・・・施設表示による)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 8時〜21時
定休日 無休
入浴料金 大人1,000円、小人500円
入浴施設 内湯男女各1、露天風呂男女各1、貸切風呂、サウナ
浴室備品 シャンプー、ボデイソープ、ロッカー、ドライヤー
観光スポット MOA美術館、戸田幸四郎絵本美術館、熱海城、中山晋平記念館、熱海梅園
お土産・食事 両方とも市内各所で。(特産品は干物)
近くの温泉 箱根温泉郷・湯河原温泉・伊豆山温泉・網代温泉・宇佐美温泉・伊東温泉
熱海市HP
観光協会HP
http://www.city.atami.shizuoka.jp/
http://www.ataminews.gr.jp/
雑記帳 我々の年代ならば、熱海と言えば尾崎紅葉の「金色夜叉」、そして「貫一・お宮」を思い起こす。しかし、お宮の松が立っていた熱海の海岸は埋め立てられ、洒落たプロームナードに変身している。

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施設名 : 日航亭大湯 (1回目入浴 2004.1.4 2回目 2009.1.5)

再開発された海岸線は洒落たプロムナードになっている。

温泉名 : 熱海温泉

熱海の湯元「大湯」は徳川家康が湯治に訪れ、以後、年に何回か江戸までこの湯を運ぶように命令したそうだ。

日航亭大湯は、熱海温泉のシンボル「大湯間欠泉」(上述)のすぐそばにある。
以前は旅館だったのだろうが、現在は宿泊施設を持たない日帰り専用温泉になっている。
正面玄関にはオブジェの奇妙な石のアーチがデンと据えられている。

年代を感じさせる木造の玄関・ロビーから奥に進み、内庭を通って温泉棟に移る。
内湯は、年季が入った素朴だがかなり大き目の内湯。

どこにでも転がっている石で縁取られた露天風呂も同規模の大きさで、一度に20人は入浴できそうだ。

この風呂以外に、タイル張りの内湯に半露天風呂があり、どうやら日替わりで男女交代になっているようだ。
私の場合、前回も今回も前者の風呂が男性用だった。
他に無料で利用ができる家族風呂もある。

建物を含めて、熱海の古きよき時代を偲ばせる素朴な温泉施設だ。

この施設のパンフレットによれば、「いまも(昔と)同じ源泉からこんこんと湯が湧き出ている」というが真偽は定かでない。
また、施設の周囲の石塀に大きな看板がかけられ、それには「源泉2本、高温泉が1日80,000リットル湧出」と記入されている。湧出量単位の1分間当たりに換算すると60リットル弱でありそう豊富ではない。

それでも熱海では、旅館を含めて数少ないかけ流しの貴重な施設だ。
泉質は食塩泉(ナトリウム・カルシウムー塩化物温泉)で口に含むとかなり塩辛く感じられた。

入口にあるこの奇妙なアーチと日航亭の名前の由来を調べたが分からなかった。

熱海市は伊豆半島の東側付け根に位置し、神奈川県と境を接している。
市域の大部分が丘陵地帯で、住宅や別荘も高台に建つところが多く、海岸線からすぐに坂道となる。
地域的には、熱海・来宮駅エリア、湯河原駅エリア、伊豆多賀・網代駅エリアに分けられ、すべての地区で温泉が湧いている。
いずれの地域も山で隔てられており、国道135号線(渋滞多し)を経由して向かう(伊豆スカイラインの利用も可能)。

姉妹都市を結んでいる別府温泉と並んで二大温泉地である熱海温泉は、東京の奥座敷として団体旅行や慰安旅行のメッカとして戦後栄えた。
しかしバブル崩壊後、過剰投資や個人・家族・女性などの小グループ客への対応が遅れて急速に凋落し、旅館の倒産が相次いだ。
それでも年間350万人が訪れる大温泉地であり、近年の不況や原油高によって近場の熱海が見直され、観光客が若干増加傾向にあるようだ。