別館玄関
本館玄関
写真の絨毯の色調・デザインで分かるように格調高い高級旅館の雰囲気ではない。また、トイレ無しの部屋であれば手軽な料金で泊まれ、これ以外の部屋でも、箱根にあっては目の玉が飛び出るような高額料金の宿が多いが、ここはそうではない。
部屋数が50を超えるが敷地が広く、宿泊棟が3ヶ所に分かれ、それぞれにロビー・ラウンジ等があるのでゆったりした寛ぎを覚え、騒がしさは感じられない。
スタッフのサービスもさっぱりしていて、私好みだった。一方、仲居さんはよくしゃべる人で、楽しく会話をしながら夕食を取った。
風呂と同じ階(1階)の部屋を頼んだ。
新館・遊仙館の253号室、2が付くが1階で10畳和室、縁側や広い廊下でトイレや洗面所が少し離れた所にあり、室内のスペースは全部で17〜18畳近いのではないか。料金は12月29日の年末、平日2人1室で税込19,000円だった。
施設名 : きのくにや (入浴日:2002.11。19 宿泊日:2007.12.29)
「きのくにや」は江戸時代中期の正徳5年(1715年)に創業された老舗旅館で、多くの文人や著名人が宿泊している。
「箱根の山は天下の険 函谷関も物ならず」で始まる「箱根八里」は、滝廉太郎がこの旅館で療養中に作った。
敷地が3千坪もあり、内庭を囲むようにして3棟の宿泊棟が建ち並んでいる。
昭和5年建築木造の吉昇亭、昭和63年築鉄筋3階建ての春還楼、昭和48年築鉄筋2階建ての遊仙館がそれだが、どれも平成に入って改装されており古びた感じは全くない。
3つの棟と浴室は、風情有る渡り廊下で繋がっている。
玄関が2ヶ所あり、どちらでもチェックインできるようだ。
部屋数は全部で55室、BT付きが37室で最も多く、BT無しも6室有る。
宿泊料金は、本館部(春還楼・吉昇亭・・・食事処、朝食はバイキング)が12,000円台から、別館部(遊仙館・離れ・・・部屋食)が16,000円台からとなっている。
(尚、年度・季節・曜日・宿泊人数などによって料金が異なり、各種プランも有るので下記HPを参照下さい)
豊かな自然に恵まれた閑静な芦之湯温泉。正面奥の老舗旅館松坂屋本店(創業寛文2年/1662年)は現在休業中だ。
明治時代まで、湯本・塔之沢・宮ノ下・堂ケ島・底倉・木賀・芦之湯の温泉が「箱根七湯」と呼ばれていた。
険しい峠道が続く山深い土地柄なので、大きな温泉地は育たず、それが逆に幸いして、箱根山全山に個性的な温泉地や旅館が生まれた。
現在は強羅・仙石原・芦ノ湖等が加わって17湯となり、老舗旅館・高級旅館から手軽に利用できる宿・ホテルまで選択肢は広いものの、概して料金設定は高めだ。
芦之湯温泉は上記の通り箱根七湯に含まれる歴史ある泉地で、江戸時代は湯本とここが最も栄えていたようだ。七湯の内六湯は、早川の渓流の横を東西に走る国道一号線沿いにあるが、芦の湯だけが離れ、駒ケ岳の南麓、標高700mの奥まった所に湯煙を上げている。
夏の避暑に適した高所にあるので、江戸時代から文人墨客が数多く訪れ、松尾芭蕉・賀茂真淵・本居宣長等がここで句会などをしながら湯浴みを楽しんでいた。
当時は宿がかなり多かったようだが、現在は老舗の松坂屋が休業しており、僅か2軒だけになっている。
データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。
住 所 |
足柄下郡箱根町芦之湯8 |
電 話 |
0460−83−7045(本館) 6531(別館) |
交通機関 |
東名高速厚木ICから小田原厚木道路・国道1号線で51km
東海道新幹線・小田急線の小田原駅から箱根・元箱根方面行きバス40分東芦の湯下車 |
施 設 |
食事処、休み処、売店、駐車場(30台) |
宿 泊 |
本館 12,000円台〜 新館 16,000円台〜
年度・季節・曜日・人数・プランなどによって異なるので、下記HPで確認下さい。 |
泉 質 |
単純硫黄泉・重曹芒硝泉 |
適応症 |
不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照) |
入浴時間 |
12時30分〜16時(繁忙期は15時) 予約不要 |
定休日 |
無休 |
入浴料金 |
大人1,000円 |
入浴施設 |
湯船が15あるが立ち寄り湯としては内湯・露天風呂男女各2 |
浴室備品 |
シャンプー、ボデイソープ、ロッカー、ドライヤー |
観光スポット |
芦ノ湖、駒ケ岳、大涌谷、多数の美術館・ミュージアム |
お土産・食事 |
箱根寄木細工・各種ミュージアムのグッズ
レストラン・食事処多数 |
近くの温泉 |
湯本、塔之沢、宮ノ下、強羅、小湧谷など箱根17湯 |
箱根町HP
観光協会HP
きのくにやHP |
http://www.town.hakone.kanagawa.jp/
http://www.hakone.or.jp/
http://hakone-kinokuniya.co.jp/ |
雑記帳 |
箱根町ホームページから面白い記事をご紹介します。
「約3000年前に箱根の最高峰の神山が、箱根火山最後の水蒸気爆発をおこした爆裂火口で、今もなお熱い水蒸気と硫気を噴出しています。
古来より「大地獄」とよばれていましたが、明治6年に明治天皇・皇后両陛下が箱根に御静養に来られる際に「両陛下がお出になる地に地獄があってはおそれ多い」と大涌谷と改称されました。」
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高級食材を使用し、一手間かけた料理を地味な食器に盛り付けた夕食は、デザートに至るまで手を抜かず美味、この宿に泊まった時の最大の楽しみが食事だろう。朝食も充実していて、特に玉子焼きは美味しかった。
● 夕 食
● 朝 食
館内には内湯と露天風呂がセットになった浴室が男女別に2ヶ所、その他に貸切風呂3ヶ所があり、風呂の数は全部で15になるらしい。
源泉は、自噴の単純硫黄泉や重曹芒硝泉など全部で4種類を使用しており、単独又は混合して浴槽に注いでいる。
循環・掛け流しの併用で、季節によって熱交換方式による加温もある。3つある貸切風呂の中に源泉掛け流しの浴槽(正徳の湯)があるらしい。
「あるらしい」と曖昧なのは、チェックインが4時過ぎ、先着順による貸切風呂はすでに予約で翌朝まで満員、入浴が出来なかったからだ。
別に貸切風呂に拘っていなかったので、それでも構わなかったが、貸切風呂(源泉風呂)に入りたい場合は早めにチェックイン(午後2時30分 要確認)し、貸切風呂の予約をすることをお薦めする。
以前入浴した時は4本の湯筒から温泉が出ていたが、今回は3本からだった。
湯香殿に付属する「芦ノ湖周遊露天風呂。
7,8人が一度に入れる湯香殿、湯は白濁していた。
貴賓殿に付属する山風の湯、温泉は透明。
貴賓殿、硫黄の臭いが漂う白濁した温泉。
旧東海道きっての難所である箱根八里は、小田原から三島の間を指し、峠に関所が設けられ江戸時代の交通の要衝だった。
小田原から箱根峠までを東坂、箱根峠から三島までを西坂という。
箱根峠を境として西を関西、東を関東と呼ばれたことは知られたところだ。
一方で、関東を坂東と呼ぶこともあったが、これは箱根峠から小田原へと下る坂の東側の地域という意味だ。
このような歴史を持つ箱根だが、加えて
富士箱根伊豆国立公園の風光明媚な自然、
かって7湯いま17湯と呼ばれる温泉群とバラエティに富んだ旅館ホテル、
数多い美術館・ミュージアム・テーマパーク
それに背後の富士山や富士五湖などとも相まって、年間2000万人の観光客が訪れ、500万人が宿泊する日本最大の観光地・温泉地になっている。
芦ノ湖
別格扱いの瀬古さんのシューズが展示されていた。
往路・復路合計218kmを10人のランナーが繋ぐ襷。
駅伝の歴史を伝えるパネル。
新春のビッグイベント・箱根駅伝。
芦之湯温泉に宿泊したのが12月29日、箱根路は、4日後に開催される箱根駅伝の幟と幔幕がいたるところではためき歓迎一色だった。
母校も出場することもあって、芦ノ湖畔、往路ゴール地点にある「箱根駅伝ミュージアム」に立ち寄ることにした。
箱根駅伝は大正9年(1920年)に第1回大会が開催された。当時の出場校は早稲田大学・慶応義塾大学・明治大学・東京高等師範学校の4校のみ、以来、戦時中を除き毎年開催され、今年で84回目を迎えることになった。
改訂版
読者の「さすらい人」さんから上記の源泉掛け流し風呂・正徳の湯についてお便りを頂きました。
きのくにやに宿泊される方は、是非、早めにチェックインしここの予約をおとりください。
「きのくにやは、貸切風呂の源泉湯に入らないと感動がありません。とにかく本館の建物の前に造られた江戸時代からの源泉に浸かると感動します。
それがご隠居好みのぬる湯なのです。白濁の湯でイオウ臭がします。
私は過去3回宿泊しましたが、ご隠居の言われる通り、やや遅めに到着する関係でいつも入れませんでした。
前回、別館の遊仙観に宿泊した時、たまたま入る機会を得ました。
最初はどうせたいしたことはあるまいと、たかをくくっていたのです。ところが入ってみてビックリでした。自慢するだけあることが、肌を通して実感できました。」
日帰り入浴を歓迎している証拠の看板。