視点         
       


  鳴海クリニック (クリニックレポート皮膚と自律神経より)↑


皮膚には知覚をつかさどる知覚神経と、血管や立毛筋、汗腺の働きをつ
かさどる自律神経の二種類の神経がきている。

自律神経
  交感神経(不満、不服、心配、怒り、悲しみ、攻撃的、驚愕に緊張)
  副交感神経(喜び、感謝、楽しみ、幸せ、満足、安心、安定状態に緊張)

非常に汗かき、精神的多汗症(手のひら、足のうらによく汗をかく)も自律
神経障害。

交感神経の緊張によって微小血管の収縮がおこり酸欠血漿からブ
ラジキニンなどの発痛物質が産生遊離ポリモーダル侵害受容器を刺激
痛み
これを繰り返すうちに場所がひろがり、痛覚過敏になっていく。

ポリモーダル侵害受容器(自由神経終末)はC繊維という痛覚神経の先
端にある。機械的、化学的、温熱的刺激のいずれにも反応する。皮下に多
く分布する。

ブラジキニンによって熱刺激受容体の閾値(42℃)が低下、平熱の皮膚
温(31℃)でも痛みが生じる→自発痛

圧痛もブラジキニンによってわずかな機械的刺激(圧迫)に反応、骨や筋
硬結の上など向こう側が固い壁になる所は強い圧痛を感じる。

表皮→0.1〜0.3ミリ 真皮→2〜3ミリ の厚み    

化粧品などが浸透するのは基本的に表皮のところまで。



触覚(何かがふれている感覚)メルケル触板、マイスナー小体、ルフィニ小体、自由神経
     終末
圧覚(押されている感覚)ルフィニ小体、パチーニ小体、自由神経終末
温覚(暖かいという感覚)ルフィニ小体、自由神経終末
冷覚(冷たいという感覚)自由神経終末
痛覚(痛いという感覚)自由神経終末
                  〈ビジュアル生理学ー感覚より〉


寒いときに指先が冷たくなるのは、毛細血管が収縮し、血液が動・静脈
吻合を通るからで、これは体熱を奪われるのを防ぐための体温調節であ
る。

血液が毛細血管を流れるとき血漿の一部が組織へと滲み出し組織液と
なる。血漿の90%は水でその中にはタンパク質、糖質、脂質、酵素、ビタミ
ン、ホルモンなど多くの養分が溶け込んでいる。

動脈血は細動脈に達すると毛細血管をゆっくり流れ細胞との間で物質や
熱の交換をする。循環障害には虚血とうっ血があり、虚血はしびれ感や疼
痛、うっ血は浮腫や鈍痛を起こす。

◇神経に対する圧迫は運動線維、触線維およぴ圧線維の伝導をしゃ断さ
せるが痛覚はこれを比較的侵すこと少なく,あとまで残す。圧迫に対して影
響を受けやすいのは

運動神経、触覚、圧覚神経 > 痛覚神経

神経を圧迫すると運神神経麻痺や触覚、圧覚神経麻痺は早期に起きるが
痛覚神経は麻痺しにくい。                              
痛覚神経が麻痺してしまうと末梢からの痛み刺激は遮断されて痛みを感じ
なくなってしまう。(医科生理学展望)                        




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