すっげーヤナヤツに会ったんだぜ、と話すクセに、どことなく楽しそうな顔をする。 「むちゃくちゃ、腹立つんだ、絶対、ぶっ倒す!!」 ニコっと笑いながら、そういう顔がキラキラ輝いていて、ああ、コイツはオレとは違うんだなと思ってしまう瞬間。 ずっとずっと純粋に高みを目指せる人間。強くて、キレイで、純真で。 「今度、いつ会えるかなぁ」 なんて、アイツはお前の敵だろう? なんでそんなに気にする?そんなに、戦いたい? 敵だから? 「そんなに、会いたいワケ?」 そういうオレに。無邪気に、挑戦的な光を宿したカズマの瞳が。 「だって、アイツとの決着がついてねーもん」 カズマの瞳が、アイツだけを見ているような、瞬間。 カズマを満足させられる、力を持つ男。 「それだけ、かよ?」 そう、それだけ。そう、お前なら言うだろうけれど。 あの男を求めているお前の顔が、なんだかコイビトを待ちわびているようで。 なんだか、胸が騒ぐ。 許せない、と思ってしまう自分がいる。 そして、あの男に。 強く強く、負の感情を抱いてしまう自分がいる。 どうしてだろう、別にカズマが、あんなに楽しそうにしているんだからいいじゃないか。 友人として、あいつが危険な目に遭うのはあまり歓迎しないことかも知れないけれど、それだけじゃない、気持ち。 どこかで警報が鳴る。 カズマの傍にいてやりたいなら、これ以上は考えるなという、警報。 ―カズマの親友で、相棒でありたいなら。 |
| 恋愛レボリューション |
暗くなってきた一部屋。窓はすべて開け放たれているけれど。 じりじりと汗が噴き出してくるように、暑い。 外は既に夕焼けも消え、夜の帳が降りている。 風のない、こもった空気。 じっとりと、まとわりついてくるような、気持ちの悪さ。 そんな熱さの中なのに、どうしてアイツはあんなに涼しげに笑えるのだろう。 どうして、そんなにキレイでいられるのだろう。 「…なぁ、暑く…ないか?」 窓際で外を眺めているカズマはオレの言葉にゆっくり振り向いた。 振り向いた瞬間のカズマの表情は、自分が一度も見たことのないくらいに、静かなもので。無表情に近いクセに、清冽な艶やかさを持っていた。 じっと見つめてくる、黒い双眸が自分を痛いくらいに映し出す。 「お前は…暑いのか?」 尋ねてくる声に、どんな感情が浮かんでいたとかは、全然皆目見当も付かないくらいに、意識が集中できない。ただ、目の前にいる少年の表情だけを網膜が映し出す。 こんな表情をするヤツだっただろうか? 挑戦的で、気の強い色を持つ雰囲気と瞳の色は相変わらずだけれど。 こんなに艶っぽくて、壊れそうなくらい儚げな表情を、どうして感じ取ってしまったんだろうか。 そうあって欲しいと、自分が願うから? 瞳が映し出すのは実際のモノでも。 脳が受け取って自分に見せるモノには、既に。 主観が、混じっているから。 心が、介在しているから。 汗が、頬を流れる。 目に入りそうになって、慌ててそれを拭う。一瞬、暗闇に視界は覆われる。 ぎしっと、微かに床が軋む音。聴覚が敏感に脳裏に伝えてくる。 再び視界が開かれる。 目の前いっぱいに広がるのは、カズマの幼い表情。汗をかく、自分を不思議そうに見つめている。 きゅっとつりあがった瞳が、仔猫のようでまるで楽しいおもちゃを見つけたような純粋な興味の色を浮かべていて、その瞳を直視できるだけの自分には力もなく、ふいっと視線を逸らす。 そらした先は、白くにごった色の床。 「なぁ、君島?暑いの?」 少し舌っ足らずに聞こえてくるカズマのカワイイ声が、好きな自分。 けれど、今日ばかりは聞きたくない声。 何かが動く空気の流れを感じた後に、カズマのひんやりとした指が、自分の頬に触れる。 「…暑い…や、君島…」 冷たい指先の感触が、君島の視線を再びカズマへと戻す。 端正とまではいえないけれど、整った容貌と言えるだろう、目の前の少年の微かにさまようような、陶酔した表情に、背中がぞくぞくと震える。 抑えていたモノが、沸き上がってくるような、やばい感覚。 迸りが、体の中で猛狂う。 「なぁ、オレの指先も…お前の熱で熱くなってくる……」 そんなセリフを、とろけそうな声音で吐くなよ、と君島は心の中で舌打ちする。 触れるカズマの指先に灯る、熱。 自分の熱が、少年の指先に移っていく感覚をダイレクトに感じる。こんな風に、自分の体内にかけめぐる欲望を、アイツの体内に注ぎ込めたらどんなにか幸せだろうか。 気の強い、何にも屈しない瞳を持つ少年に。涙を流させて、縋り付かれたら、どんなにか…… けれど。それは親友であり続けたいのなら、持ってはイケナイ感情。押しつけてはイケナイ感情。 なのに、カズマの唇が、自分のその決心を強く揺さぶるようなコトバを無邪気に呟くから。 ふいに離れたカズマの指先が、汗が滲む君島の手に触れる。 以外に細い指先が、自分の手首に回される。 「手も…熱いだろ?」 そう、意味のないことを呟くだけが君島の思考状態のフル活動。 くすっと小さな笑い声が聞こえて、カズマは自分を誘う。 「オレの、頬は…冷たいよ?」 触れてみる? まるで魔術のような、甘い言葉。 少年の、柔らかそうな頬にほんのりと染まる朱を見つけて、それを支配してみたくて、ゆっくりと自分の手がカズマのそれに、触れる。 「冷てぇな…」 体温を感じさせないような、冷たさ。白い肌が、その体温の色。 君島を見つめていた黒い瞳が一瞬伏せられる。 躊躇うような、何か。触れると、壊れてしまうような、何かが影になってカズマを覆い尽くす。その存在が、カズマには不似合いなようで、でも、今のカズマにはとてもそれが、ひどく似合っていて 再び君島に向けられたカズマの瞳には、何かを耐えるような、そしてその奥にある泣きそうな表情がくっきり見えているように、感じられた。 「オレは、もぉ…冷たいから」 ―死んだみたいに 小さく、紡がれた言葉は、それでも君島の脳裏にきちんと伝わる。 カズマらしくないセリフ。 何がそう、かれにその言葉を言わせたのだろうか? 「君島は…体も、熱いね?」 カズマの下向き加減の瞳が、微妙に色っぽくて君島の指が、頬から、そのキレイで細いうなじにとかかる。 ぴくんっと小さく揺れる体が愛しく感じられる。カズマの指が、君島の首筋に触れる。このまま、その細い指が自分の首を絞めてくれるのなら。 なんて、淫猥な想像。 体のシンから、熱が沸き上がってくるような衝動に、君島の本能が音を立てて揺り起こされていく。 小さくくすっと、笑うカズマの声が聞こえたかと思うと、じっとカズマを見つめるだけの男に、猫目のきかん気な上目遣いが可愛らしく誘う。 「なぁ、オレの唇も、冷たいよ?」 その言葉に、引き寄せられるように視線が、赤く熟れたカズマの唇に釘付けになる。 しっとりと濡れた唇が、甘そうで、微かに開かれたそれが、君島の心を無邪気に騒がせる。 すっと、近づくカズマの体を、君島は両腕で受け止めて。 一瞬だけ触れる、少年の柔らかい唇の感覚を、首筋に受ける。 唇の触れた、瞬間後、温かいカズマの吐息が、君島の肌をくすぐった。 じゃりんっと、鎖が外れた音を、心の奥で君島は聞いた気がした。 自分を縛めていた、タガは粉々に無に帰する。 友達ではいられなくなるとか、傍にいられなくなるとか、男同士だとか。そんな常識が通用するほど余裕もなく。 何をするのも中途半端で、駄目な人間で、そんな情けないヤツ系の自分が起こしていいような行動でもないけれど、そんなことを考えられるほど自分の理性は強くもなく。 目の前の、この少年が誘ったからだと、食べてくれと言わんばかりだからと。外罰的理由にすべてをなすりつけた。 やっと行動の起こせる自分に、嫌悪感を抱きつつも、それが自分であることを否定しても今は意味のないことだ。 「…君島ぁ…?」 なかなか解かれない男の腕の戒めが気になったのか、カズマは不思議そうに、男の名を唇に載せて。 その何も知らない天使のような表情に、君島は小さく笑いかける。 「なぁカズマ、お前の体も、冷てーのか?」 その声に、カズマはゆっくり、瞳を上げる。アーモンドのような幼いつり目に、目の前の男だけを映し取る。 君島の腕は、カズマの細い腰に回されて。華奢すぎる体が、腕に余るくらいで。 こんな細いからだのどこに、あれだけの力が隠されているのだろうか。 胸元に添わされていたカズマの指が、小さく君島の上着を掴む。躰を君島に委ねるように、頬を彼の胸に寄せる。 ひんやりとした、カズマの冷たい頬の感触が、衣服を通して肌に伝わる。 赤い唇が、何かを紡ぐように動かされる。 「多分ね…すっげー、冷たい」 「じゃあ、あたためてやろうか?」 コトバを、予測していたように、カズマはじっと君島を見据えると。首を小さく振って、そのコトバを弾く。 「多分…あったかくなんか、なんねーよ」 開け放たれた窓は、窓の意味も果たさない。 秋という名の、暦は、まだまだ名ばかりで。その空気は、熱く粘着質。 どんどん、君島の体温を、そして猛りをあおぐばかりのその熱帯夜。 「確かめて、ヤロウか?」 「え…?」 躰を起こそうとするカズマの腕を、君島はその手でぐっと握る。簡単に指が回せるほどの手首の細さが痛々しい感じを受けてしまうけれど、それが気にならないくらいに君島はただ、少年の躰を欲していた。 そのまま、カズマの華奢な躰を、手近なソファーに押し倒す。 ぽふんっという音と軋む音が同時に部屋に響き渡った。カズマの躰をその、クッションに押しつけた時に、微かな埃っぽい匂いが鼻孔を掠めるけれど、すぐにカズマの躰から誘うようなあまい薫りが、君島を包み込む。 両手で縛めたカズマの腕を一つにまとめてソファーに押さえつける。 何をされているのか状況がつかないのか、カズマは小さく唇をひらけたままじっとなされるがままに君島を見つめていた。 君島は器用にカズマの上着を脱がせるとそれで、カズマの手首をしばる。その間、軽いカズマの抵抗にあったけれど、その抵抗は君島の膝で難なく封じ込める程度のモノであった。カズマが本気で抵抗していないのは、君島の目にも明かな事実だった。 「なぁ、なんで、抵抗しない?」 そんな支配者からのコトバに、カズマは少し、小さな声で。しかし、聞こえるように、言い聞かせるように。そして、どことなく頼りない瞳で男を映しながら答える。 「多分…あっためてほしーから…」 瞳を伏せ、それから君島を一瞬だけ黒い瞳に映した後、カズマは君島のされるがままになる。 君島の指が、カズマのシャツをたくし上げ、その白い肌に這わせられる。滑らかな肌が、自分の指にしっとりとした感覚を覚えさせてくれる。 白い肌が君島の眼に曝される。その肌に、幾つかの細かい傷が、ひどく目立つ。今までの「仕事」によってつけられてしまった、傷。 そして、ぷくんっと熟された実のような、胸の飾り。胸の中心を可愛らしく飾るそれに、君島の指が到達する。くりっと、その実を指先で撫でるように苛める。 「…ぁっ」 声を押し殺すように、ひくんっと躰が反らされる。縛られた痴態が、さらに君島の劣情を強く刺激する。 「コンナトコ、気持ちいいんだ?」 右手で果実を弄んでいる間に、開いた手が、カズマの下半身からすべてのモノをはぎ取っていく。太股に、直に触れる君島の指の淫らな動きが、カズマの瞳から涙を零れさせる。 「やめっ!きみし…まっ…ぁ!」 口では否定のコトバを反射的に発しているけれど、カズマの躰は、君島の与える快感に忠実で。 胸への刺激により、カズマの中心が激しく熱を帯びていく。 ぽろぽろと涙を流したまま、自分だけを映すカズマの媚態の艶やかさが君島の心をカズマに強く惹きつける。 このまま胸への愛撫でイかせてしまうのがもったいなくて、君島はゆっくりカズマの躰を自分の胸元に引き寄せる。 その優しい行為に、カズマは、ぼぉっとしたなかにも嬉しそうな瞳を覗かせる。 そんな素直な反応がいとおしくて、君島は引き寄せたカズマの、白いうなじに唇を寄せる。 そして、その白い肌の一部に、赤い痣を見つけて、心が冷めるのを感じた。 明かな、所有印が小さいクセに、その白い肌の中で強くその権限を主張していた。そして、さっきまでのカズマのコトバが脳裏に駆けめぐる。 ホーリーに捕まったカズマと、少年を捕らえたホーリーの男。 憎たらしいくらいに、完璧な容貌をもった青年。 「…?きみしま?」 与えられるはずの首筋への口づけが施されなくて、カズマはガマンできなくて、哀願するように、君島に甘えた口調でねだる。 けれど、その青年の瞳があまりに冷め切っていて、カズマは瞬間、息を飲む。そして自分の目からは見えない、けれどまだはっきりと付いているだろう首筋のモノに、気付く。 「…カズマ、お前。アイツに…」 「……カンケーねー!!」 君島のコトバを遮るような声で、カズマは叫ぶと、そのままふっと視線をそらせて、君島の胸に顔を押しつけてしまう。まるで、固く口を閉ざしてしまうような、強固な反発心を感じ取って、こうなったカズマの口を割ると言うことは至難の業だということは、既に理解していた。けれど、正攻法で攻めても答えてくれそうにないなら、カズマの弱いところに聞くしかないだろう。 耳元で、囁く自分の声の冷たさに自分的にも驚くほどのモノがあったのだけれど、それぐらいにあの男が許せなくて、それを許したカズマにも怒りを覚えてしまったのは抑えられない自分の本心だった。 「別に、お前のカラダに聞くからいーや」 「…え?……んんっ」 カズマの唇に、君島は自分のそれを重ねる。歯列をなぞり、君島の舌がカズマの口腔を何度も犯し続ける。くちゅくちゅんっと、唇から漏れる音が静かな部屋に響く。上から、押さえつけられるように、唇をふさがれる状態のカズマは苦しげに顔を歪める。互いの、唾液が混じり合う音の卑わいさが、カズマには耐えられないくらいに、恥ずかしくて、無意識に涙が流れてしまう。 幾筋かの涙がカズマの唇を湿らせ、さらに甘く君島を誘った。 「ふぁ…っぁ」 激しいキスが、カズマの躰から力を奪っていく。君島のカラダに縋りたいのに、縛められた腕がそれを許してくれない。カズマは、その戒めを取って欲しくて、君島に懇願する。 けれど、君島はその戒めを許してはくれなかった。 代わりに君島の指が、カズマの口に差し入れられる。舐めるようにと言われ、ぎこちなくその指に奉仕する。 「お前から抱きつけなくても、オレがお前を抱いててやるから、大丈夫だろ?」 そういうコトじゃないと、カズマは言いたかったけれど。でも半分意識が快感にもっていかれている状態では何も言えなくて。必死で、頬を君島の胸に擦り寄せた。それと同時に、口から指が抜かれ、カズマのむき出しの腰に君島の腕が回された。力強い感覚が、カズマを安心感に導くけれど。 「あっ…っぅ」 腰をくいっと持ち上げられて、カズマのからだは君島の両足を跨ぐような格好にされる。君島の左手は掴むようにカズマの双丘の一つを優しく撫で上げ、もう片方の手は、太股に這わされた。 君島の指が、くいっと、カズマの秘部を探り当て、それをゆっくりと挿入させる。カズマの唾液で湿らされて、いくらかの潤滑液の役目を果たし、ぬぷっと言わせながらも鈍い痛みを伴いつつ指が入っていく。 「あァンッ…」 びくんっと突然与えられた刺激がカズマを大きく揺らめかせる。ぎしっとソファーの軋む音が、君島の耳に心地のいい優越感を感じさせた。 指に絡みついてくる、カズマの内壁が柔らかで、熱い。 片方の指は、太股を曲線を描くように撫で上げた後、カズマの中心に添えられる。 「ぁ…」 ふいに自分に触れられてカズマは再び息を飲む。さっきまでの胸の愛撫で先走りの蜜が溢れていたカズマを、君島の指がぬるぬるとその先端を弄ぶ。 「もうこんなに濡れてるじゃねーか?」 「だって…そんなのっ」 意地悪くいう君島を睨み付けるように、カズマはキッと目の前で楽しそうに笑う男を見上げる。 「お、そんないうこときかねー悪い子には、あげねーよ?」 そういうと、指の本数を増やして、内部をかき乱す。ぐちゅぐちゅと愛液が漏れ始める。 「やぁ…ぬけってばっ!やぁ…」 絶妙な強弱で、自分の体の快感を引き出されて、カズマのからだがどんどん熱くなっていく。躰の中心に何かが集まっていくような感覚。それが溜まってきて、外に出したいのに、君島の意地悪な指が、その迸りをムリに塞き止めるのが、辛くて、もう離して、と嗚咽を漏らしながら君島に縋る。 「あっ…ダメっ」 「もう少し、ガマンしろよ?広げておかないと、後で大変だろう?」 優しい声音で諭してくれるけれど、少年の躰はもう快感に忠実で耐えられないところまで来ていたのは事実で、だらしなく開いた口の端に涙が吸い込まれる。 「アッ…も……出る…ぁっ……やぁ!」 可哀想なくらいのカズマの哀願の声に、君島は表情を少し緩めると、カズマの耳に小さく囁いた。 「…オレの指だけでイってみる?」 そういうと君島は挿入した指をくいっと、内壁を爪で撫で上げるように動かす。それと同時に、カズマのぴんっと立ち上がった中心を乱暴にぎゅっと握った。 「ぁんッ ! あぁっ!!」 ぴゅくっと白いものが可愛らしく吹き出る。 くちゅんっと言わせて、君島の指とカズマの下肢を白く染める。 秘所から引き抜かれた指を伝って、カズマのモノがシーツを汚した。 1人でイかされて、カズマは恥ずかしくて、力も抜けてしまう。君島のカラダに縋り付こうにもすがりつけず、むしろ、君島の手によってそのまま、ソファーの上に横たわらされた。 ずきんっと、痛む手首を掴まれて、小さく躰を竦めたけれど、カズマは君島の指がそのまま縛めていた布をほどいていることに気付いた。けれど、一度達せられた躰は重くて、両手が自由になっても、躰を起こすことも自力で出来なくて、裸体を、君島の前に曝す。 「カズマ……」 君島は、華奢な躰を惜しみなく自分に曝しているカズマを愛しげに見つめた。自分のだしたモノで、白く汚れているのに。全くその清らかな表情が汚されていない。自分を見つめてくる瞳には、迷いがなくて。でも、どことなく哀しそうな色が、君島の心を強くかき乱す。 はっきりいって、強姦行為といってもいいだろうに。友人を、犯している自分。 なんて、ヒドイ行為。けれど。どうしても。許せなかった。 首筋に、薄くともはっきりわかる、印が。 「カズマ。イイだろ?」 そういって、横たわる少年の細い腰を引き寄せた。 言葉の意味を悟って、少年は少し躊躇した表情を見せるけれど。 君島の頬に指を添えて。 「アイツを…消しちゃって……?」 首に、所有印を付けた、あの存在を、目の前のオトコが消してくれたら 「足、広げろよ?」 「あッ」 肘で躰を支えながら、カズマは自ら大きく足を開かされる。 君島の無骨な手が、カズマの柔らかい太股を掴み、左右に割る。ひくひくと、桃色にそまった、カズマの秘所が甘い蜜を零して、君島が入ってくるのを待ちわびる。躰全体が熱くて、熱くて、カズマはまだ、自分の中にこんな熱が持てるなんて思わなくて、それがさらに躰の快感を呼び起こす。 「…きみし・・ぁ!」 「カズマ…入れるから」 君島は自分の猛りを取りだし、そのままカズマの下の口に突き刺す。ぐちゅぐちゅっと湿った音が挿入部分から漏れる。 指とはあまりに違う質と熱さに、カズマの口からは高い悲鳴が漏らされる。 「イたいっ!!やぁ!!!」 「カズマ」 無意識に逃げようとする細い腰を高く引き上げると、そのまま上から挿入を続ける。ずぶずぶと少しずつ深くなっていく、楔にカズマの躰が激しくゆらされる。 思っていたよりも狭くキツイ挿入感に、君島は一瞬、自分の考えが間違っていたように思えたけれど、自分に媚びてくるカズマの表情が初めてのヤツができるようなものでないことは分かったから、敢えて深く考えず、欲望のままに抉り続ける。 「ぁ…!!やぁ……!!きみしまぁぁ!」 「もう、少しすれば気持ちよくなるから、ガマンしろ」 君島は乱れるカズマの髪を指で梳いてやりながら、ぐっと体重を掛けてカズマの最奥に欲望を貫かせる。 その時、ぴくんっと漏れたカズマの声が、さっきまでの苦痛だけではないモノを含み始めていることに君島は気付く。 「ぁ…ぁ…なんか…変…」 「どう、変なんだ?」 涙で潤んだ黒い瞳を、快感で揺らしながらカズマはふるふると首を横に振る。コワイモノでも感じたように、幼い表情で君島にぎゅっと縋り付く。 「痛いのに…キモチイイのが…なんか変だよぅ」 「変じゃねーよ、それでフツウなんだ」 カズマの中心に手をやり、君島はそれをぐっと掴む。扱くこともせず、ただそれを人質にするように、手中に収めると、そのままカズマの躰を反転させる。 「何、すん・・だよっ!ん…ぁあっん!」 四つん這いの格好をさせられ、コレにはさすがのカズマも抵抗しようとしたけれど、弱いところをいくつも君島に握られてしまっている状態では、少し動いただけでも躰を突き抜けるような、痺れの渦が襲いかかる。 「バックでヤルっての、なんかバージンを犯してる気がしてよくねー?」 「!!!!!君島の、エロおやじぃぃ!!!!」 カズマの悪態をははっと笑顔で交わしながら、君島はカズマの腰を高く上げさせる。その上からグっと最奥を何度も貫いてやる。 挿入がどんどん早くなっていく。 それと同時に、カズマの内壁に掠れる時の快感の渦が自分の中でも多くなってくる。自分の体の下で、足を広げて君島のモノを受け入れるカズマの姿が愛しくて、少年の胸に再び手を伸ばす。 「…ぁ、もぉ…オレ、きみしま…出る、…っ」 「もう少し、ガマンしろよ」 既に、君島の欲望も限界だった。早くカズマのからだの中で、自分を注ぎ込んで溢れさせたいと、鎌首を持ち上げているけれど。 その前に、しておかないといけないことがあったから。 「消すからな、カズマ?」 「…え?…ぁっ!イタっ!」 首筋に鋭い痛みが走る。 キツク、唇で付けられたキスマーク。 あの男の印を、消すように。君島は、カズマのうなじに、激しくも優しいキスを落とした。 そして、カズマのからだを腕の中に閉じこめたまま、後ろから最後の刺激を与える。 「…っ!も、イク…きみ、しまぁぁ」 ふにっとカズマの中心の、先ほど開発した弱いところを一気にしごいてやる。 ぴゅくんっと再びイってしまった反動で、秘所の内部が、ぐっと締まり、それが君島の快感を最高潮にまで達する原因となった。 「カズマッ!」 「く…ぁぁ!!」 カズマの熱く柔らかい内部で、欲望を一気に注入する。最奥に叩きつけるような奔流がカズマのからだの中で渦を巻いて、浸透していく。 強い、想い。 信じられないくらいの、自分の熱情が。 ただ、この腕の中の存在を誰にも取られたくないというそれだけの理由で。 今まで築いてきたモノを一瞬にして無にかえしてしまうくらいの 独占欲。 くったりと腕の中であまりの衝撃に意識を手放してしまったカズマの、青白い頬が、君島の胸に突き刺さる。 幾筋の涙の跡と、未だこぼれ続ける、涙の滴の透明感。 そして、ごぽっと湿った音を立たせて、秘部から溢れる君島の欲望の液と、微かに混じる赤い血の、濁りと。 どうして、こんなコト、したんだろう。 どうして、自分から、壊すようなことをしたんだろう。 でも、それでも。 自分はあの男のように、アルター使いでもなんでもなくて。 ただのなんの力もない、男に過ぎないから。 何もしてやれない、自分が、惨めで。それでも、アイツはオレに特別な笑顔を向けてくれる。 どこがいいのか、自分でもわかんねー。 こんな、男の何処がいいんですか? 勝手に、コイツとなら組める、なんて言うだけの、男なのに。 「なんで、オレなんかと、一緒にいるんだ?」 何かが頬を滑り落ちていくような感覚が、したけれど。 君島には、それが何かすら感じられなくなっていた。 けれど。 「…あったかい……」 「…え?」 微かに、震えるように呟く声に。君島の意識は徐々に自分の膝の上で眠っていた少年に上らせた。 古くなっているけれど、頑丈な作りのソファーのクッションが微かに弾む。 情交の後を色濃く残したままの、カズマの白い腕が、ゆっくりと君島の頬に伸ばされる。ただそれだけの動作なのに、躰は大きな負担を背負うのか、カズマの表情が一瞬強ばる。 それでも、その指を自分を見下ろす君島の頬に触れることは、やめず、そしてムリに笑顔をカズマは浮かべた。 「オマエ、何、泣いてンの?」 「泣く…?」 ぎこちなく動くカズマの細い指が、自分の目の下に溜まる「涙」を拭おうとしているのが分かったから。君島は、その指を自分のそれで絡めた。 「…自分が泣いてンのも、分かんないわけ?」 鈍感すぎると、唇を少しだけ緩めた表情で言葉を紡ぐカズマを、君島はじっと見つめて。そして、彼の少し赤みを帯び始めていた頬に、水滴が落ちていたことを初めて認めた。 ―あったかい、 と呟いたカズマの声が、リフレインする。 君島の涙が、カズマに言わせた言葉なのだろうか。 絡み合った指が、互いの熱を伝え合う。熱くもなく、冷たくもない、心地よい温度が繋ぎ遭う。 「オレの、指…あったかい」 そう愛しげに、繋がれ合う自分の指を視線で捕らえるカズマが。 純粋で、汚れがなさ過ぎて。 今の自分には、見ていることすら辛いのに。 どうして、 絡み合った指を離せないのだろう。 「なぁ…なんで、オマエ、オレなんかに抱かれたんだよ?」 その言葉に、カズマは小さく瞳を細める。 犯されてもなお、その黒曜石の瞳は透明に煌めく。 射抜くように、真実をしっかり見極めるような、そんなカズマの双眸に君島は視線をそらせたくて、ふっと顔を動かそうとした瞬間。 「どうして、オレから逃げるんだよ?」 「…え?」 逆に疑問文で返されて、君島はカズマを見遣る。 微かな月の明かりだけが部屋の中を照らす唯一の照明道具だったけれど、そのほのかな光だけでも、充分カズマの表情は君島の眼に映し出された。 怒ったような、哀しそうな、そして傷ついたような、複雑な表情が、そこにあった。 その表情があまりにも見慣れないモノで、君島は戸惑うように、カズマに腕を伸ばそうとする。 けれど。ぱしっと、はねつけられた、自分の腕。 カズマは億劫そうに、自らの躰を起こして、そして抱かれたままの姿で、君島に向かって座り直す。つきんっと、躰を襲う鈍い痛みが辛いのか、前のめりになるのを必死で立て直す華奢なカラダに、君島は罪悪感を感じて、直視できなくなる。 「どーして!?どーして、眼を逸らすんだよ!?」 自分の体から逃げるように目を逸らし続ける男に、カズマは悲鳴にも近い声で訴える。 君島の瞳が、罪悪感で揺れているのが、カズマには分かったから。 どうして、と、どうして?と問いたくて。 「なんで、オレのこと、見てくんねーの!?」 ぐっと噛みしめる君島の唇が今にも切れそうに、赤く鬱血してきている。それ程までに、何をくすぶっているの。何を、恐れているの? そう、カズマは問うけれど。 カズマにも、分かっていたから。 君島の、葛藤が。 だけど。 「オレを、こんな風にしたの、君島じゃんっ!!!」 一度ははね除けた君島の腕を、カズマはぐっと両手で握りしめた。 人としての、腕。 自分の、アルターで侵されたモノとは違う、あったかい手が。 どんなに、自分は好きだったか。 どうして、分かってくれないんだろう? アルターの有無なんて関係ないのに。 むしろ、アルターを持たない、君島だから。好きになった。 ぎゅっと握りしめた指が、力を失いそうになって、でも必死で君島に訴える。 「あの日、オレに声をかけたのは、オマエの方だろう!?」 もう一度、信じられる人に、出会った。 もう一度、温もりを与えてくれる人に、出会えた。 裏切りも、別れも、喪失も。何もかも、知ってしまっていた自分だけれど。 もう一度、信じられるかもと、思えたから。 あの日、自分にとってはとても大きな、勇気を、使った・・・・・・ そして、その先に、君島は、いた。 泣いたって、しょうがないから涙なんて流さないと思っていたのに。 どうして、どうしても。こぼれるのを抑えられなくて。 「カズ…マ?」 不意にぼろぼろと泣き出した自分に慌てたのか、目の前の男はあたふたとその手でカズマの涙をふき取ろうとする。 「やだ!触るな!!」 ぱしんっと再び手を弾こうとしたけれど、その攻撃を避け、君島はがっちりとカズマの細い手首を掴んだ。 拘束されるような形になって、カズマはじたばたと暴れるけれど、でも、真摯な君島の視線に気付いて、抵抗を徐々に緩めていく。 「カズマ、もう一度、きいてイイか?」 「………」 肯定も否定もしたくなくて、カズマはただじっと君島の視線を受け止める。 「なんで、オレに抱かれたんだよ?」 ―オマエ、初めてだったんだろう? かっと、カズマの頬が紅く染まる。 デリカシーのカケラもない、君島のコトバにカズマは真っ赤になって、自由な足で君島を蹴ろうとするけれど、それも難なく男の膝で押さえつけられる。 カズマはもう、泣きたくなってしまう。 なんで、そんなこと、聞くの? ぎゅっと目を閉じて、涙がぼろぼろとさっき以上に勢い良く流れていくのをとめることもなく、必死でコトバを紡ぐ。 「そんなの…!好きだからに、決まってんじゃんかっ!!」 「…かず・・、ま?」 あまりの単純な答えに、君島はただ目を見開くだけで。 そんな反応を、カズマは呆れていると取ったようで、ぶんぶんっと首を振ってそのままぎゅうううっと君島の胸の中に顔を埋める。 「だって、好きだったんだ…あったかくて、君島が、触れてくれると、そこがあったかくて、気持ちよかったんだっ!」 埋めてしまった顔の表情は、君島からは見えなかったけれど。でも、髪の毛から微かに見える首筋と耳たぶは赤く染まっていて、きっとカズマの頬も同じ朱であや取られているのだろうと、君島はそれを想い、小さく笑う。 すると、その笑い声に過敏反応するように、カズマのからだがぴくんっと震えると、再びキッと君島を睨み付けるカズマの双眸にぶつかった。 くりっとしたつり目は、けれど愛しさを増大させるのには一役買っても、恐怖を感じることはなくて、君島はまた、笑い声を漏らしてしまう。 「なんだよ!!…君島だったから、あ・・アンナコト…させてやったんだから!」 バカにされたと思ったのか、カズマは必死で言い訳を探すけれど、別に笑ったのはカズマに対してではなくて。 結局自分の鈍さと、自信のない情けなさに対して。 「なぁ、じゃあ、ココにつけてた、キスマークは…あれはなんだよ?」 「…え……あ、あれは…」 口ごもるようなカズマに、何かを企んでいたのだろうと言うことをはっきり勘づいた君島は悪戯を咎めるような口調で迫る。 「…カズマ、いえねーことか?」 「ちがっ・・う!」 しゅんっと、うつむいてしまったカズマは、少し上目遣いで君島の反応を伺いながら、さっきより幾分小さな声で、話し始める。 「劉鳳ってやつに…ココにつけられたのは、本当だけど……だって、でも、別に付けて欲しくて付けられたんじゃないっ!」 そりゃそうだろう、そうだったら、それはそれで問題だろうと君島は思う。 「……その、いきなり・・で。で、びっくりして、硬直しちまって…でも、押し倒されそうになって、必死で…抵抗したぞ!!」 絶影の触手を、まさに火事場のバカ力でなんとか逃れて、そして水守に助けられつつ…というのはあまりにも格好が悪いので、君島には秘密だ。 「じゃー、……」 君島が何を言おうとしているのか分かって、カズマはむっとする。 「当たり前だろっ!オレが、許すわけねーじゃん、敵だし。」 それに…とぴしっと指を立てて、カズマは君島に言い聞かせるように、コトバを発した。 「オレ、そんなに安くねーもン。こういう表情を見せるのは、本当に好きな人か、自分だけにしろって、アイツに言われ…」 ハッと、自分で墓穴を掘ったことに気付いて、慌てて口を塞ぐけれど、既に後の祭り。 君島の、不審な瞳にぶつかって、慌ててその場を繕う。 「た、確かに、初めてってわけじゃねーけど…っていうか…だって、アイツはオレの兄ちゃんみたいな存在だったから、フライングっていうか…あの、その…」 はぁっと盛大な溜息を聞かされて、カズマは君島が怒ってるのかと、甘えるようにきゅっと見上げる。 そんな、計算尽くされているのかナチュラルなのか分からない、カズマのカワイイ表情に、しかもナチュラルなまんまの姿で許してと、言われたら、君島に抵抗できるはずもなく。 それに、結局こんな大芝居を打ったのは、すべて自分がカズマにちゃんとした態度をとってやれなかったのが原因だろう。 つんつんっと腕をひっぱる震動に、君島はカズマを見遣る。 どうした?と問うと、カズマはちょっと傷ついたように眼をうるっとさせて、でもどことなく不機嫌になって、ぶぅぅっと頬を膨らませる。 「なーに、フグになってんだ?」 パンパンに膨れたカズマの頬を人差し指で、つんつんと突っつく。 「だって…オレの計画、まだ途中なんだぞっ」 「…え?」 間抜けヅラして、聞き返す君島に、カズマは頭痛がしてくるのを感じる。どーして、オレ、こんなヤツ、好きになったんだろう…ちょっと変態入ってても、劉鳳の方が100万倍良かった気がする。 けれど、もう、今さら言っても仕方ないし。 「オレの躰、すっげー良かっただろう?」 にっこりと君島が好きそうな、カワイイ顔でそんな砂吐きそうなセリフを紡ぐ。 案の定、鼻の下がどんどん伸びてることに気付いて、カズマはよっし!とガッツポーズを心で取る。 「でさ、オレ、すっげー寒がりなの。でもね、オレ1人だと、すっげー寒いの。でね、オレ、あったかくしてくれる人が、好き。だから、あったかく感じる君島は、オレ、好き」 ふわんっと笑ってカズマは君島の首に、腕を頼りなげに巻き付ける。 すべての技術は子供の時修得済みだ。かなり、ムリさせられたけれど、でも今になって役に立ってるんだから、あのスピード狂に感謝ってところだ。 で、ここまでしっかり天使ちゃんで惹きつけた後は、小悪魔に。 「君島は、オレのこと、好きか?」 答えを既に確信しているような口調で、でも目の色には少し自信なさげなところを浮かべて、微妙なアンバランス。 そして、この答えが一番聞きたかった。 全然動いてくれない、君島が、真面目だな、凄いなって思う一方、結構かなり、辛くて。でも、こんなに好きな人なんだから、自分のこともきっとすきでいてくれないとヤダって思ったから。 こんなバカバカ計画を発動させるしかなかった。手間暇は、全部、君島のせい。だから、これからは思いっきり、甘えないと、損じゃない? 「ああ、すっげー好き。ずっと、好きだったよ」 そういって、ぎゅっと抱きしめてくれる腕が幸せでカズマは静かに目を閉じる。 ホント、オレ、君島が好きなんだなって。思えて、それがすごい幸せ。 「オレ、寒いの嫌いだから…オレのことちょっとでも目はなしたら、きっとすぐに凍えちゃうよ?そしたら、すぐに、あったかい人求めちゃうよ?」 そういって、カズマはしたから君島をのぞき込むように、いたずらっ子のような表情で、話しかける。 「きっと、誰でもイイっておもっちまうかも。そしたら、オマエ、やだろ? だから、そんなことさせたくなかったら、ずっと、オレの傍にいなきゃ、ダメだぞっ!…って、イテ!」 ぴこんっと、突然デコピンならぬ鼻の頭ピンがカズマを襲う。ふにゃっとはなを抑えて痛みに耐えるカズマを、くくくっと君島は笑う。 初めは小さく笑いをこらえていたけれど、耐えられなくなってはははっと大爆笑になる。その際に、ぎゅうぎゅうっとまるでぬいぐるみのように抱きしめられて、ぎゃーーー離せ!!!っとカズマの悲鳴が響くけれど、そんなものはシャットアウトだ。 まったく、可愛いなと腕の中の存在を思う。 天使な表情で、小悪魔なコト考えるんだから。 いくら鈍感な君島でも、今のセリフがカズマのカワイイたくらみだということくらい見抜けるし、そしてそのセリフ自体は一部を除いて、本心だということも、理解できて。 嬉しいと思う反面、こんなコトまでコイツにやらせてしまったという矜持が傷つくのと、愛しいのと情けなさとが入り交じる。 「そんなこと、思ってねーくせに、カズマ君は」 もう一度、今度はぷにっと頬をひっぱる。 イタイイタイとカズマは暴れるけれど、でも、今のセリフで計画がばれたことを聡く感じたカズマは、再びむぅっと君島の顔をじっとりと見る。 「だって…君島。なんも言ってくんねーんだもん、鈍感すぎるんだから、しゃーねーじゃんっっっ!!」 「わーるかった、カズマ」 そういって君島は軽くカズマの唇に自分のそれを軽く合わせる。ちゅっと小さな音を立ててすぐに離れるキスが突然で、カズマはめをぱちくりしてしまっている。 そんな初々しいカズマの反応に苦笑しつつ、いくつか気になるところはあるけれど、まあこういうところで寛大なオトコを演出するのもいいだろう。けれど、これからは独占欲は、発揮させてもらうから。 「でもまあ、これからはずっと傍にいるからさ、安心していいぞ」 「…君島」 寒いなんてコト、もういわせねーからさ。 あったかくなっただろう? 確かめて、良かったじゃん ごちゃごちゃ悩んでしまったけれど、結局、こんなに独占欲の塊になるのも、こんなに1人の存在を強く欲してしまうのも。 全部、一つの簡単なセオリー。 どうして、そんなに傍にいて欲しいの? どうして、そんなに欲しがるの? ―そんなの、好きなんだから。 なんで、好きなの? ―そんなの、好きなモノは、好きだから、しょーがないじゃん。 意味なんて、考える必要ないよ。 「も一回、キスする?」 「・・・ん、キスしよ、君島」 好きだから 傍にいてくんなきゃ、困る。 好きだから 傍にいれないと、困る。 友人とコイビトの境界線はココ、とか、そーいうんじゃなくて。 今まであった関係が、「アイ」っていうキーワードで、革命を起こして、新しい自分たちになる。 改革じゃなくて、革命。 流れる血は、少しあるかも知れないけれど。 それは苦い、恋。 そんな恋もたまにはいいんじゃない? それでも、恋は甘くなきゃ。 甘いだけじゃ飽きちゃうけれど、苦いだけだと辛くなる。 ビターとスウィートのスパイスで。 どうやって、これから調理していこう? ずっと傍にいられる料理をどう、作っていく? そんなのは、きっと試行錯誤だけれど。二人で考えていこう。 ケンカして、仲直りして。時には、一瞬だけ離れちゃうコトもあるかも知れないけれど。 でもやっぱり二人で作っていくの。考えるの。 じかんはたっぷり、あるから。 革命は、革命後が大変なんだから。 でも、きっと二人なら、イイ方向に、進んでいけるよ |
| COMMENT:君カズ、なれそめ話。っていうか、この話だと、めっちゃ最近からしか、恋人同士ではなかったと言うことですか!?それは違うだろうという感じですが、まあこういうのもアリということで、適当に流しておいて下さい。ところで、初物といいつつ、実はカズマ君はやっぱりクーガーさんに食われちゃってるようです。これだけは、どうも動かせない私の中でのセオリーのようです(笑)いつか、かきたいクーカズ。はるかちゃんからもリクもらっているんですが(笑) ところで、今回、エロ頑張ったんですけど、大したことないデスねー。前回のが、エロナシってのがハルカちゃんにちょっと指摘され、少しリベンジ。なんだか、リベンジになってない気もしますが・・・ 題名、またしてもモー娘。でも、特にそれをイメージしたわけではないです。革命かレボリューションってのをいれたかったんですね。君カズ、書き慣れてきた今日この頃。次も君カズ・・・かな? でも、エッチは次は・・ない・・・話にしたいなぁ(笑) |