焼石岳縦走

山行日:2007年7/4〜5日  
山域:岩手県

コース:中沼登山口―ー銀名水避難小屋―ー姥石平分岐―ー焼石岳山頂(1547,9m)―ー姥石平ら分岐
―ー東焼石岳(1507m)―ー金名水避難小屋―ー経塚山(1372,6m)―ー夏油温泉




縦走を終えて、翌日の移動中に見る焼石山群はまだ山頂付近は雲に覆われている

 日記から
 「あったか山六郷温泉」でバンガローを借りる。夕食の用意をしながら洗濯をする。残り物の野菜に鶏肉を少し入れただけのお鍋だったけど、広々としたキャンプ場で食べるのはとても美味しい。お風呂に入っての帰り、バンガローの前を流れる川にホタルが飛んでいた。8時過ぎにはシュラフに入って夢の世界へ。お風呂(温泉)は入り放題で1日¥3200は安いので連泊することにする。
7/3(火)天気予報どうり雨なので連泊して「焼石岳縦走」に備える。温泉に入ったりしてゴロゴロして過ごすが、食材の残りを整理しながら先輩達と同じように食べていたら、お腹の調子が悪くなった。やっぱり…まだまだ修行が足りないんだ〜!温泉に入って暖めたら落ち着いてきてほっとする。7/2・3日バンガロー泊


 
7/4(水)4:40分バンガローを出発。
今日から予定どうり「焼石岳縦走」。途中の道の駅で朝食を食べてから夏油温泉へ。札幌NOの250ccくらいのバイクの若い女性、道の駅でキャンプをしたのかテントをたたんでいた。MOYA・YHで会った神奈川県から来たという若い男性。雫石YH、田沢湖YHと偶然2泊一緒だった土浦から来たという若い女性はなんと50ccのバイク!若いから出来るので、羨ましく思うと同時に応援したい気持ちだった。ガンバレ〜〜


 
夏油温泉に7:20分着。ここから予約しておいたタクシーで登山口へ向う。
四国出身のドライバーさんはアウトドアが好きで、山登りも水泳も得意という方だった。山の話とか温泉の話とか色々してくれた。そのドライバーさんの話によると、岩手県は道路も広くきれいだ。皆マナーがよく、年寄りが朝早くゴミ拾いをしているという。すべてボランティアだそうだ。そういえば車で走っていてゴミを見ない。道端の草花も取ったりしないので花もきれいなのだそうだ。

 雨上がりの早朝、夏油温泉までは北海道の美瑛に似た緑の風景が広がっていた。日本にもまだこんなにきれいな所があったんだと、知らなかった自分が損をしていたように思った。1時間余りの移動の時間を緑の美しさに感動しながら飽きることなく楽しませてくれた。

 
 

 銀名水の避難小屋までは、酔いしれるほどの瑞々しい緑、リュウキンカやヒオウギアヤメが雨に打たれて咲いています。今日はザックも大きいので雨の中で写真を撮るのも大変です。雨降りで気ままな3人の山旅だから、無理をしないで銀名水の避難小屋までと決め、緑と花を楽しみながらゆっくりと歩きます。

 
                 
                                    
 中沼

 木道とかあって歩きやすくなっている所もありましたが、写真のように池の水面と道と同じような所もあって池の水がはみ出している所を通ります。雨降りなので気温は低く、雨具で身を固めていてちょうど良いくらいです。避難小屋に入って雨具を脱いで、夕食用の水を銀名水まで汲みに行きます。地元で自然保護のボランティアをしている方が来て、灯油のストーブを点けてくれた。時間もたくさんあるので、ストーブを囲みながらその方たちと山や花の話をして過ごした。
 そろそろ夕食の用意をしようかとしていたら、9人のパーティが入ってきた。その人たちの食事は豪華なお鍋に沢山のおつまみ、ビールも沢山あって賑やかだ。身のほど知らずに飲んだのか、夜中に階段から落ちたりして人騒がせな、こういう人たちもいるのかと思った。

      

 身も心も潤う。展望はなくてもいい!静かで埋もれるほどの緑の中にいることに幸せを感じる。 初めての東北、今日で何日目だろうか、日にちなんか数えたくない!今までに見たことのない緑の風景に感動の連続です。

                
 銀名水避難小屋からすぐに硬い残雪の上を行く。所々凍っていて滑る。
少し上ると、登山道は川となっている。飛び石をしながら行くのですが、しばらくどのように渡ったらいいのか考えてしまうような所が何箇所もあり、ストックを使ってバランスをとりながら、濡らさないように歩くのが大変だった。大きな石がゴロゴロで池状態のところもあって、このまま進んで良いのか不安になってきた。たまに木道があるとほっとする。周りはガスで視界がなかったが、そんな中で出合ったヒナウスユキソウ、小さくてとても可愛い。

               
                 
 ウスユキソウ                      ヒナウスユキソウ

     
   
                焼石岳山頂                                姥石平
焼石岳山頂は風が強くてとても寒かった。寒くて立ち止まることが出来ない状態です。写真を撮ってすぐに姥石平の分岐まで下ります。ここで濡れたベンチに腰を下ろし、パンなどで朝食にした。
分岐から金名水にかけての道は起伏の少ないお花畑が広がっているが、今の時期はチングルマとかハクサンイチゲは終わっていましたがウスユキソウ、ギボウシ、ハクサンシャクナゲ、オノエラン、コウリンカ、などが咲いていた。

       
                    経塚山                            サイの河原

 雨は時々止んだりしますが、昨日からの雨で登山道を覆う雨に濡れた緑のトンネルで、ずぶ濡れ状態だった。金名水の避難小屋で休憩をしようと入っていったら、私達より後のはずの9人のパーティが休憩をしていた。風が強く寒かったので焼石岳の山頂へ行かずに来たそうな!ほんとうに賑やかな人達だった。その方たちが出て行った後、私達はきれいな小屋に感謝しながら、濡れた雨具を脱いで休憩をします。雨の中をずっと歩きづめだったので、小屋の中で座って休憩できることのありがたさ、これでまた頑張って歩ける。
 盛りを過ぎたハクサンフウロやヨユバシオガマが雨に打たれて斜面いっぱいに咲いていた。この花に私達は慰められたように歩く。サイの河原から目指す経塚山が見えてきた。大きな山だ!山並みが時たまうっすらとシルエットのように浮かんで見えた。晴れていたらどんなに素晴らしいかと思うと残念でならず、背中のザックがことさら重く感じられた。経塚山の頂上で、Uさんがずっと持って歩いてくれたグレープフルーツを頂く。美味しかった!重たかったでしょうに、Uさんありがとう!!、瑞々しい緑の山肌に、コバイケソウや黄色いミヤマキンバイが咲いている。ゆっくり眺めながら歩いてみたいが、先が長いのでそうもしていられないのが残念でたまらない。
                          

 この紅い橋を渡ったらもうじき夏油温泉、と思って喜んだのですがなかなかでした。
雨の中を重いザックを背負って11時間もよく歩いた。それも悪路の中を!3人とも無口でくたくたになって夏油温泉の国民宿舎にたどり着いたのです。雨の中の2日間でしたが、機会があればもう一度歩いてみたいと思う。夏油温泉は閑散期なのか、人はまばらでそれが又、静かな温泉の風情をかもし出していた。早朝の、ひんやりとした渓谷の温泉街を、宿のサンダルをカタカタ鳴らしながら露天風呂へ行った。昨夜は3人ともバタンキューだったので露天風呂に入って、焼石岳縦走の総仕上げにしたのです。、
 

 

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