夏のオートルートを歩く

 7月3日  ジナールからバルコン道をワイスホルンへ


   ヴァイスホルン  レ・ディアブロン  ツィナルロートホルンオーバーガーベルホルン  マッターホルン  ダンブラッシュ

 今日の歩行時間が短いとのことで、オートルートの縦走に出かける前に、ソレボアのロープウエイで2,438mの展望台に上って展望を楽しんだ。早朝なので、山もくっきりと奇麗に見える。ガイドさんから、山の名前を教えて頂いたのだけれどすぐに忘れてしまう。そんな事くらい分かっているガイドの亜津美さんが、絵葉書に名前を書き込んでくれた。
ジナールのホテルを9:40分ころ出発。歩き始め少し急な登り、緩やかな道に慣れてしまった足に、この登りがしんどくて、皆フーフー言っていた「。休憩」と誰かがおねだりしていたら、亜津美さんは休憩していたら着かないよと言い、すぐ休憩にしてくれなかった。樹林帯の登りを1時間30分くらい、お花もたくさんあり涼しくて気持ちいい。

    
                           マンテマ                                 ヒゲズラホタルブクロ

                    
                                       ホテルヴァイスホルン(標高2,337m)

 1880年代に建てられたという伝統ある山の宿。石の階段や、少し斜めになっている所もあったり、床は木製でギシギシときしむ。廊下にはおしゃれなインテリアが施され、建物は古いがツインのベッドルームには絵も飾られていた。展望の良いところにあり人気のようです。夕食はスープにサラダ、ヒレ肉のステーキ、どれもとても美味しかった。

              
                      明日越える峠が、写真の左から3ヶ所目くらいだと説明を受けた

      

 7月4日  ワイスホルン〜メイドパス(2,790m)〜タートマン谷のグリュ〜ベン
 
  オートルートに入って今日は6日目、曇天の朝です。雨具を何時でも取り出せるように用意してから出発です。広くて緩やかな道を峠に向って歩きます。広い谷にはお花も咲いていたり、小さな沢もたくさんあって高度を感じません。標高差500m足らずを2時間半くらいかけて歩きます。メイドパスからはダラダラの下りを3時間くらい歩いてグリューベンまで下ります。H・シュワルツホルンは標高1,818mにあり、利用客のほとんどがオートルートを歩く登山者のようです。部屋は山小屋風でドミトリーです。私の寝る場所は、くじに負けて天井の低くなった奥の方で暑くて暑くてほとんど眠れませんでした。
   
                 
                           広い緩やかな道を行きます
   今年は雪解けが遅いようです。雪はあっても凍っていないのので、ゆっくりと慎重に歩けば大丈夫です。3,000m近い峠はやはり風もあってさむいですが、日の当たる側へ少し下りれば暑いくらいです。素晴らしいアルプスの山を振り返っては眺め、しっかりと脳裏に刻んでおこうとおもいました。


                    
                                       メイドパス(2,790m)

                           
                                  パスの近くのガレ場に咲いていました
 
樹林の中の長い下り、お花に励まされながら歩きます。ヨーロッパカラ松の林は爽やかで別の場所へ来たような感じがします。この頃になると、グリューベンの町も近いので、みな思い思いにお花の写真を撮ったりしながら歩いた。

                                
グリューベンのホテルに2:15分に着いた。前庭にはパラソルを立てたテーブルで、大勢の人がビールやワインを飲みながら談笑していた。私達もまずはビールで乾杯、「お疲れさま」。夕食までにはまだまだ時間があったのでシャワーを浴びたりピンポンをしたりして過ごした。この縦走も明日で終わりということもあって気分も和らいでシャワーの後にまたビールを飲んでいるメンバーもいた。

    

7月5日  H・シュワルツホルン(1818m)〜アウグスボードパス(2,894m)〜ゴンドラ(1,998m)〜サン・ニクラウス

  今日はオートルート最終日です。標高差1,000m、歩行時間8時間の行程。今日もいい天気!そういえば6/25日にシャモニーに着いてからずっと好天続きです。ほんとうに良かった、何より天気の良いのが一番。ホテルのすぐ近くから登山道に入ります。樹林帯を上り広く開けたところには、放牧された牛がのんびりと草をたべています。私達が休憩していると一頭だけ群れから離れて近づいてくる牛もいました。どうやらザックの中の食べ物が気になっているようです。

    

 
                                            アウグスボードパス(2,894m)
                     

  
 ガレ場の長い道のりも、疲れを感じることなく歩けたのは、やはりガイドさんが私達の年齢や歩き方をみてエスコートしてくれたからだと思っています。さっぱりとした性格の頼もしいガイドの亜津美さん、お陰で10名全員が元気に7日間を歩き通すことができたのです。
               
                     アルペンローゼの咲く道をフィナーレのサン・ニクラウスへ。日差しが強く暑かった。

         
               ユングのゴンドラの駅                       サン・ニクラウスの駅

 ゴンドラはいつでも動いているわけではなく、私達は30分くらい待つ事になった。夏の間だけここで暮らすという兄弟と一緒に乗って下りた。7日間お世話になった亜津美さんとサン・ニクラウスの駅でお別れです。私達は列車でツエルマットへ。のんびりとしたサンニクラウスの駅、私達がホームで時刻表を見ていると、「普通?急行?」と日本語で問いかけてきた。ここでもかと思いつい笑ってしまう。7日間、天候に恵まれ全員元気に縦走できたことが何より嬉しく、電車の待ち時間に飲んだビールは格別だった。
 


topページへ ツェルマットのページへ