ポチくんのひとりごと    

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「親バカ」

遠い昔
まだ紅顔の美少年だったころ 高校時代を学生寮で過ごした
悪ガキばかりだった 毎日 寮長先生に怒られていたっけ

その恐い寮長先生の長男S君が小学校に入学したとき 
大きなランドセルを背負って学校へ通うS君を心配して 
寮長先生は S君に気づかれぬように 見つからぬよう 
後ろからそっと学校までついて行ったことがたびたびあった 
ボクたち寮生は確り目撃している その忍者寮長姿がとても滑稽だった

わが子を思う親とはこんなものだ
「バカを見たけりゃ親を見よ」とは 実にうまく言ったことばだ 
わが子は無条件でかわいいもの

私たち人間が 楽しく生きてゆくために 
大自然は 大きな大きな親心で育んでくださっている ありがたいことだ

親バカの寮長先生を笑った我ら悪ガキ共も 今や壮年期 
早や孫を見ている輩もいる  S君も3児の父だ

わが子だけではなく 寮生も我が子のように育ててくれた寮長の姿が偲ばれる

世界の人すべてに 親心を使わせていただきたいもの
「親バカ」になりたいものだ
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