ポチくんのひとりごと    

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「良寛さん」

良寛さんは、子ども達と遊ぶことが大好きで、
かくれんぼうや手毬つきをしてよく遊んだという。

ある日の夕暮れ、
良寛さんは子どもたちとかくれんぼうをして遊んでいた。
良寛さんが隠れる番になり、田んぼにうまく隠れた。
日がすっかり暮れて、子どもたちは、良寛さんだけ探し出せないまま
家に帰ってしまった。

翌朝、お百姓さんが田んぼにやってきた。
「良寛さんそんなところで何してるんですか?」
「しっ!静かに!
 そんな大声を出せば、子どもたちに見つかってしまうではないか。」

のどかな春の田園風景と人間味豊かな良寛さんの姿が目に浮かぶ。

人を信じること、疑うことは、生きて行く上にも大切なことだが、
信じて生きてくことが多い人生を子どもや孫たちに歩ませたい。

良寛さんの号は「大愚」といった。
こんな偉大な愚かな人の憧れる

「山里に 桜かざして 思ふどち 遊ぶ春日は くれずともよし」

良寛さんの歌である。


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