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「金色夜叉」
もう30年も前。
某株式会社の支店長だったころ、
熱海の後楽園ホテルで「某株式会社創立20周年式典」に参加した。
急成長を遂げた、1部上場のインテリア会社だった。
せっかく熱海へ行ったのに、熱海の海岸を散歩しなかったのが、
今となっては残念…。
あの有名な金色夜叉の舞台を見ておきたかったのに…
「熱海の海岸散歩する貫一お宮の二人連れ。ともに語るもきょう限り、
ともに歩むもきょう限り…」
第一高等学校の学生、間貫一。その恋人だったお宮。
お宮は、銀行家の跡取りのダイヤモンドに目がくらみ心変わりをする。
「可(よ)いか宮さん、1月17日だ。来年の今月今夜になったならば、
僕の涙で必ず月は曇らせて見せる」
いよっ!ご両人! なんて言葉が飛ぶ名場面だ。
その後、貫一は、高利貸しになって復讐を誓うが…。
その後はどうなるのか?
一世を風靡した「金色夜叉」は、未完に終わっている。
久しぶりに昔の仕事仲間を思い出した。
モーレツ社員だった彼らも、まもなく年金生活者になる。
日本の国も財政難だとか…。
60年経って、戦争の結果が意外なところで出てきているとは…。
世の中、金金金金…。いつの世も同じことか?
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