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          紫陽花って?


アジサイ(HYDRANGEA)

植物分類はユキノシタ科、アジサイ属の花で、原産国は日本。

日本では梅雨時の花ですが、オランダでは3月〜11月に出荷されています。このアジサイは、西洋アジサイ『ハイドランジア』で、1780年代に日本からヨーロッパへ渡り品種改良が行われました。たくさんの園芸品種が生まれるようになったのは、20世紀の初め頃からで、ベルギー、オランダ、フランス、ドイツなどが中心で、現在では400〜500種作り出されており、花色も白、青、桃、紅、紅紫などがあります。

花言葉は、イギリスでは「自慢家」、フランスでは「冷たい美」「辛抱強い愛情」となっています。日本のアジサイは外国ではツバキ、サクラなどと共に、日本の代表的な花のひとつでフランスでは「日本のバラ」と呼ばれています。

学名の「HYDRANGEA」は「水の容器」という意味で、多量の水を吸収して蒸発する性質を表しています。長崎オランダ商館医シーボルトは日本のアジサイに非常に興味を示し、「日本植物誌」(1835〜1844)にアジサイ属14種の植物図とその解読を発表しました。その中で、特に花の大きい一品種に、愛人の名前「お滝」から「オタクサ」と名づけています。

アジサイの名の由来は、集(アヅ)真(サ)藍(アイ)で青花が集まって咲く様子から名付けられたという説もあります。漢字では「紫陽花」と書くのが一般的となっています。

梅雨から夏にかけて咲くアジサイは、咲き始めは薄緑色、それがやがて白色、そして段々と色づいて変化するところから別名「七変化」ともいわれています。咲いているうちにだんだん色が変化していきます。そのためか花言葉は「移り気」です。そんなアジサイ、原産は日本なのです。しとしと雨が降る庭に咲くアジサイの花、まさに日本の梅雨の風景です。

アジサイは、日本生まれの園芸品種でガクアジサイが原型種で、もとは関東地方の海岸に自生していたガクアジサイで、花が手毬状に咲くアジサイはその変形です。ガクアジサイは中心の小さい両性花と、まわりの大きな装飾花から成っています。その装飾花だけが丸く手毬状になっているのが一般的な手毬型のアジサイです。 

アジサイは現在いろいろな色の品種が売られています。青、白、ピンク、紫、赤に緑・・・でも本来の日本のアジサイは青だったそうです。アジサイについてよく言われる話ですが、土壌が酸性だと青くなり、アルカリ性だと赤くなります。もともとの日本の土壌は酸性であるため、日本古来のアジサイは青だそうです。

その青いアジサイが欧米に渡って改良されて、色とりどりの西洋アジサイ(ハイドランジア)が生み出されました。幕末から明治にかけて来日したヨーロッパの人々が初めて見る美しいアジサイを持ち帰り、青以外の色の花を作り出しました。元々ヨーロッパは土壌がアルカリ性なために、青かった花も自然と赤っぽくなり、また元来華やかな花を好む欧米人のために色とりどりで大きな花へ変化を遂げました。そしてその後その西洋アジサイ(ハイドランジア)が言わば逆輸入され、現在の日本でも人気品種となっています。

シンプルで落ち着いた風情のガクアジサイ、色とりどりで華やかなアジサイやハイドランジア、あなたの好みはどちらでしょうか。