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four seasons in Karuizawa
painted by Kaito Hayashi

ブライド
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高原の四季

気候の厳しい軽井沢では、四季によって風景の色彩が劇的に変わります。
その地の生活者は、季節の移ろいを強く意識します。

一般の歳時記で読み取れる季節感は、
都で育まれてきたもののようで、
軽井沢のそれとは一致しないところもありますが、
むしろそのことが高原の特徴を印象付けます。

軽井沢の風物に題材をとり、ここでは一般の歳時記に
準じながら季節わけをしてみましたが、
高原固有の季節感との微妙な差違を感じとることもまた
趣のあることと考えます。



私は軽井沢へ1991年に転居してきて以来、
随分この地の特異性に影響を受けてきたと痛感させられます。
当初は、この地に対してこだわりもなく、
ひたすら森の中のアトリエで存分に描けることだけを期待し、
創作を始めたものですが、
瞬く間にこの地の特異性に取り込まれてしまい、
軽井沢の自然と文化に題材を求めるようになりました。

私を含めて絵を描こうとする人たちは、
概ね外界の有形無形の対象を取り込んで、
作品に昇華させる作業を続けていると思います。
私の場合、周囲により豊かな美的環境があればあるほど、
より良いものを創り上げる可能性が高まってくると考えます。
勿論、対極では、必ずしも豊かな自然に囲まれることが、
創作意欲をかきたてる環境とはいえないとする立場の方もいらっしゃるでしょう。
例えば、ほとんどまとまった緑を目にすることのない
無機的な機能美に囲まれる都会で、多くの人々と無言のまま道ですれ違うことが、
むしろ創作の糧となることも考えられます。

一方で、私にとっての創作に相応しい環境は、天然の美であると素直に自覚できるのです。
この地の美しさに日々気おされ、感嘆することを重ね、
私は創作の栄養素に恵まれたといえるでしょう。
美しい風景に目が奪われるにつれて、
常にその美に惹かれ自分の創作する美に昇華させようともがく毎日となっていきました。

厳しい気候の中、四季によって風景の色彩は劇的に変わります。
季節の移ろいを強く意識するようになり、
それまで長く本棚に眠っていた歳時記を頻繁にめくるようになりました。
高原の気候は、必ずしも歳時記から読みとれる季節感と一致しませんが、
先人の豊かな季節感を偲ぶ機会が増えることで、平生の感覚が豊かなものとなります。

西の峠を下りると妙義の山々、北に上ると鬼押し出しがあります。
奇岩が視界に迫り、写生をする意欲がかき立てられましたが、
奇岩の印象をそのまま描出するためには、
それまでの私の表現様式では不十分であることも痛感させられたのです。
自然が呈示する形態が、私独自の様式を導き出す契機となりました。

また、歴史が浅いとはいえ、独特な文化も同様に影響を与えてくれました。
特徴ある歴史を背景にして、この小さな町には健全で清潔な印象が際だちます。
多くの結婚式が催されるのも、この地がもつ特異な付加価値が支えているからだと思われます。
そして、私の描く人物画にも一定の方向性をもたせることになりました。

軽井沢に特別なこだわりがあって創作活動を始めたわけではありませんが、
豊かな自然と深みのある文化に忽ちにして影響を受け、
育まれてきたことを自覚することとなったのです。
そしておそらくこれからの創作活動の方向性や感性もまた、
この地を抜きにしては語れぬものとなるに違いありません。

新年
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