大和まちづくり技術者ネットワーク設立趣旨
( まかしといてや ネットワーク )


 (社)奈良まちづくりセンターに於いて、奈良の歴史と文化を生かした、まちづくりと、木の生活文化の取り組みと共に自らのまちづくりの実践による町家の再生・展示事業、そしてまちづくりの拠点としての奈良町物語館が誕生して以来、訪れる人々の数の多さはその反響の大きさを物語っています。 

 実質的には、拠点である奈良町に於いて町家の再生の気運が高まり、まちづくりの動きを数多く触発し、施設そのものが町の活性につながる為の役割を果たすと共に、全国からまちづくりの研修に来られる団体を受け入れるなどの活動が拡大して来ました。

 そういう中で(社)奈良まちづくりセンターは、まちづくりのシンクタンクとして、調査研究活動やまちづくり関連の事業を継続して行っていますが、今後の活動として、私たちはもう一歩踏み出した形、いわゆる社会に対してより実践的な貢献に結び付ける事業を展開しなければならないと考えています。

 例えば、高齢化社会をふまえ、高齢者やハンディを持った人々が生まれ育った町や家に住み続ける為にも、安全で快適な町や施設の整備、住まいへの配慮に関して技術システムを確立することや、ソーシャルワーク等のバックアップシステム確立等への取り組みは最も急がねばならない課題と考えています。 

 幸いにも(社)奈良まちづくりセンターを構成しているメンバーには、都市計画家、建築家、デザイナー、写真家、福祉関係者、教職者、行政マン、主婦、マスコミ関係者等あらゆるジャンルの職能人により構成されており、個々の力を結集することにより、これらの問題を解決出来る職能集団として多くの可能性を有しています。

 ここに、メンバーを中心とする技術者の職能を結集した「大和まちづくり技術者ネットワーク(まかしといてやネットワーク)」を設立し、奈良町物語館を活動の拠点として社会貢献を実践することにより、まちづくりの一助になればと考えています。

1997年8月

               社団法人 奈良まちづくりセンター
               大和まちづくり技術者ネットワーク 幹事一同
                 (まかしといてやネットワーク)