博打(ばくち)の神様


 競馬や競輪など、賭け事というのはいつの時代でも人の心を誘惑するもの。
現在、今御門町にある道租神社は別名、「賽の神」勝負事の神とも呼ばれている。賽とは
ゲームなどに現在でもよく使うサイコロ(賽子)の事。時代劇に見られるように博打には欠
かせない道具だった。
 道祖神が、元興寺町の御霊神社の神様と、昔、博打をうったが、道租神が負けたので、
その氏子は全部御霊神社に取られてしまった。現在でも御霊さんはたくさんの氏子を持っ
ているが、道祖神の方はわずかに今御門町だけを氏子としている。道祖神が博打に負け
てやぶれた蚊帳を質に入れるところをかたどった「蚊帳のやぶれ」と称する儀式を、毎年9
月7日に例祭として行っている。
 道祖神社の境内には荒神と呼ばれている大きな石があるが、この石のかけらを持ってい
ると勝負事に強くなると信じられているためところどころに欠けた跡がある。


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