<分科会の名称>
@住まいとコミュニティー「奈良町の安全・安心・快適な住まい&まちづくり」研究と提案
 
<分科会の開催日時・場所>  
開催日時  2004年11月19日(金) 午後6:30〜午後9:00
開催場所  元興寺極楽坊(世界遺産)小子坊 奈良市中院町11番地
 
<分科会の報告>
 本分科会は、平成16年度より「奈良町の安全・安心・快適な住まい&まちづくり」研究会により進められて来た事業の第4回ワークショップとしての位置付けにより、プロセスの紹介及び事例紹介が行なわれ、全体のコーディネートを大阪市立大学の藤田忍教授により進められた。

 研究会の発表は、上嶋晴久氏、有安美加氏の2名により行なわれ、同会が行なって来た、奈良町(中新屋町)についての安全・安心・快適に関する研究の中間報告を行い、本フォーラムの問題提起とした。

 事例紹介は、下記5名により立場の違う観点から発表があった。

・奈良市消防局文化財防災官の奥田政信氏は、奈良市消防局の取組みとして、奈良町のような木造密集地や文化財への災害対策を文化財防災官という立場より報告された。

・橿原市今井町の米村博昭氏は、今井町が伝統的に行なって来た防災についての取組みから、現在行なわれている具体的な防災計画の紹介を報告された。

・関西電力(株)奈良支店の北嘉信氏は、電力を供給する企業の立場から、電力の安全性や、環境にやさしいエネルギー、災害時の復旧の早さ等の提案をいただいた。

・近鉄ケーブルネットワーク(株)飯尾昇氏は、サービスエリアの紹介とケーブルテレビやインターネット事業により、相互通信による地域防災、防犯等の可能性を紹介いただいた。

・奈良市済美地区社会福祉協議会の川端俊夫氏は、組織的な取組みとして、自治会との連携を行なった上で、地域の高齢者、身障者等の補佐として見守りチーム等の報告をいただいた。

 事例紹介の後、地元中新屋自治会をはじめ、元興寺住職の辻村氏、春日地区消防団員の方等約30名ほどの会場出席者による活発な意見交換が行なわれた。参加者には奈良大学で奈良町を研究されている實清隆教授からの発言もあり、奈良大学が現在取り組んでいる奈良町地域の防災についての関心が高いことが報告された。最後に、春日地区消防団の団員で、奈良町に住んでおられる方が、自分の家族を守るために自身は消防団に入ったと言う経緯を話され、本フォーラムのや、研究会の意義について具体的に何をしようとしているのか、との質問があった。

 今回のフォーラムは1日だけのイベントとしての性格上、具体的なワークショップとしての成果は無いものの、参加者による発言が「奈良町の安全・安心・快適な住まい&まちづくり」に対して、より具体的な方向性を見出したいとの願いが共通していることの確認されたこと自体、大きな成果が得られたことを示している。