昭和の老いの風景 NO2

故岡本嗣郎氏にお礼をこめて
今(絆)の言葉がよく言われます . この版画は30年前にものですが、姑嫁孫等、家族間の葛藤が日常風景の絵が多いです。まだ3世代同居の家庭が普通だった時代、その分、皆人と付き合い方を鍛えられ、他との違いに悩み、向き合いながら絆を結んでいたと思います。その力で戦中戦後を生き抜いた人達の姿です。
今、それぞれ個別でしがらみ無く気楽はいいが、事が起こるとセーフティネットが無く独りフ安で、豊かなのに寛容さの無い、貧しい世の中です。
東日本大震災から急に(絆)と連日テレビでは簡単に言ってますが、お気楽なことです。被災地の人々は今必死に絆を結びつつ日々を生きておられるのでしょう。。
先日、岡本嗣郎氏の原作 (陛下をお救いなさいまし)を下敷きに制作されたハリウッド映画(終戦のエンペラー)を観ました。敗戦後日本の命運を分かつ決断がなされた、その過程を、荒廃した日本が戦後復興への第一歩を踏み出した歴史的瞬間の背景を緊迫感のある映像で見せてくれました。
本と違い 脇筋に恋愛物語を脚色してますが、英国人ピーター・ウエーバー監督は終始客観的に事態を、マッカーサーの思惑,勝者の傲慢さもチラチラと英国人の目で映し出しています。
マッカーサーの対日占領政策、とりわけ天皇の扱いを決定づけたのが側近ボナー・フェラーズです。彼は軍人でありますが、大学時代日本人留学生と出会い日本文化に興味を持ち、ラフカディオ・ハーンの文学と日本文化に魅せられ、神道、天皇、武士道と日本の文化と伝統を愛した人で、天皇フ訴追を進言し、連合国全員訴追の中で独りその説得の為に難航極める調査を進め、天皇とマッカーサーの会見に持ち込みマッカーサーに 天皇免責の決断をさせた人です。
岡本氏はこの本の前にマッカーサーの副官だったF・パワーズを主人公に(歌舞伎を救った男)を書いてますが、そのパワーズが元帥を含め側近の事を酷評するが、フェラーズだけ (良心的で信頼に足る人 )占領中の役割について (天皇を救った人)と言っていたのが、このテーマに取り組む切っ掛けと記しております。
時移り、今、平成日本で、上の方の方々の品格?の中 (良心的信頼に足る人)の顔が垣間見れるのは天皇だけかも?12歳の時、父が死刑になるかどうかを経験した平成天皇は、戦後、5歳の時爺様の膝での事言う首相閣下とではと思考の深さに格段の差があると思います。(万歳)よりも陛下に歴史の御進講を仰げばと思ってしまいます。
焼野原のバラックの映像は鮮烈です。日本中の街が、東日本大震災の状況で国の機能も混乱の終戦時、この昭和の老い人達は自力で立ち上がり、兎に角ここまで平和に豊かになりましたが、、今、金ばかり、で他の事はお上任せの人々の国になったようです、お上が頼りにならん事が今回の震災でよく解ったのですが!又、お任せで流れている間に、しっかり議論説明もせずせず、お気軽に憲法まで変えること無いようと念じております。
当時 マッカーサー65歳 フェラーズ准将49歳 パワーズ少佐28歳 フェラーズの日本の友人とはは恵泉女学園学長 河井道68歳でした。
(文中 (、、しない)のフの漢字が文字化けして使えませんのすが、こんな時どうすれば?)
(2013.8.1)

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