野辺山からの八ヶ岳


40年前の小海線の沿線は何処も駅舎が原野の中にぽつんと有るだけの寂しい線でした。野辺山からの、まだ原生林の残るこの大きな風景は今はもう見る事はありません。野辺山駅を降りると民家も何も無く広い原野に佐久甲州街道だけが通っており、のんびりその道端で1日スケッチを楽しみました。車も人も殆ど通らないのですが、その日は小諸の高校生が24時間ウォークをやっていて、次々と眠そう三々五々歩いて来る生徒を応援した楽しい思い出が鮮明ですが、今は家並み多く、車の往来の激しい道路に様変わりであの素敵な行事や道端の写生など夢物語です。開発と共に大きな豊かさを失いました。

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