菩薩23号面制作工程

彫り塗り

       菩薩23号面の制作工程を、少し詳しく紹介します。

 
 木彫り

原木は、木曽の檜、相当大きな木が要ります。
寸法は、面により若干の違いがありますが、縦9寸5分・横幅8寸・鼻までの高さ6寸位です。
昔の面は、大小さまざまで、小さい面は、今の人の顔が入らないものも有ります。今回は上記の寸法にしました。
面本体の出来上がりは、600g位ですが、原木では6k位あります。
最初は、鉈や斧、鋸等で大まかな形を出します。
次は、叩き鑿で粗取りをします。その後、大小の彫刻刀で、中彫り、小作り、最後に細かく仕上げて、彫りあがります。

塗り

冠と面裏には、補強のため、本麻の蚊帳を漆で貼ります。その上に、錆付けと砥ぎを2・3回、蒔き地と砥ぎを数回繰り返します。下地が出来たら、黒の蝋色漆塗りです。これも何度か繰り返し、最後に蝋色磨きをかけます。
顔の部分は、木地に生漆を沁みこませ、乾いたら、砥ぎ、蒔き地、砥ぎ、蒔き地、砥ぎの繰り返しで、下地を作ります。次に黒の蝋色漆を塗り、乾いたら砥ぎ、の繰り返しです。
次に、漆で金箔を貼ります。練り供養の行事に使うため、毎年人の手に触れます。なんとか長年の使用に耐えるように、3回以上重ねて貼りました。勿論一回ずつ十分漆を乾燥させます。
髪の毛と、髷は、下地胡粉の上に、水干絵の具、最後に岩絵の具を塗りました。
眉と鬚は黒漆、唇は朱漆です。