栂 海 新 道
北又小屋〜朝日岳(2418.3m)〜親不知(0m)

H19年8月10日〜13日
参加        3名

栂海新道は北アルプスと日本海を結ぶ国内唯一、3000mの山から海へ、海から山へのロマンあふれる長大な縦走路です。
北又小屋から朝日岳へは急登連続、下りに適すると地図に記載されています。イブリ尾根を上り、日本海目指して進む本格縦走路、超健脚者向きとある栂海新道に身の程も知らず挑戦します。
行きたい、行きたいの一心、長い間の憧れでした。
朝日岳から気の遠くなるような、見えるピークは全て踏む長大な下りから親不知の海抜0mに足を入れた時の感動は多分忘れることはないでしょう。
11日 北又小屋〜イブリ山〜朝日平(朝日小屋テント場)
コースタイム
北又小屋 6:45→イブリ山 11:25→夕日ヶ原 13:10→テント場 14:50
小川温泉から北又小屋へは一般車両は通行禁止なのでタクシーを利用します。(歩くと3時間)
小屋から100段の階段をダムに下り登山道に入ります。

イブリ山(1791m)を10合目とする合目標識があります。
聞きしに勝るキツイ上りにいくらも歩かないのにドッと汗が吹き出します。でもとっても緑がキレイです。
5合目ブナ平は休憩ポイント、ブナの葉を揺らす風が芳しいです。少し下った所に水場があります。(行っていません)
イブリ山からは樹林を抜け夕日ヶ原のお花畑、ここで夕日が見られたらさぞかし美しいことでしょう。
黄色の斜面はキンコウカ、ギボシ、イワショウブ、イワイチョウ、カライトソウ、ニッコウキスゲ、リンドウ、シシウド、シナノキンバイ等など色鮮やかなお花達でいっぱいです。あまりの暑さにいったん腰をおろすとなかなか動けず、食欲もなく水ばかり飲んでしまいます。
睡眠不足、暑さ、急登の苦しい上り、唯一お花になぐさめられています。

お花畑の向こうは前朝日岳、前朝日岳を巻けば朝日小屋です。
お花畑から突然小屋が見えた時はどんなに嬉しかったか〜!!!涙が出そうでした。

北又小屋から朝日岳まで殆どアップダウンのない上りはイブリ尾根恐るべし〜でした。

小屋前で顔と手を洗い、ビールとジュースで乾杯! ビール1人対ジュース2人はちょっとワ・ビ・シ・イ・かった〜
その後睡眠不足と疲れでウトウトしてしまいました。
食事は超軽量を心がけたのでカレーピラフ(アルファー米)とポタージュ、春雨とキュウリとハムのサラダ。
このキュウリとハムを持って上がるのさへ私にしては決死の覚悟でした(爆笑)

食後は日本海に落ちる夕日です。朝日平をピンクに染めて紅色の夕日が雲に入ったり出たり、どんどんトーンを落としてやがて最後の光が吸い込まれるように消えて行きます。今日もとっても良い日と素直に感謝します。

12日 朝日小屋〜朝日岳〜長栂山〜黒岩山〜サワガニ山〜犬ヶ岳(栂海山荘テント場)
コースタイム
テント場 5:25→朝日岳 6:20→長栂山 7:40→黒岩山 10:20→サワガニ山 12:22→犬ヶ岳 14:50→テント場 15:30
朝の清清しい空気を胸いっぱいに朝日岳への上りも花ざかり、そして雲海に浮かぶ立山連峰や白馬岳、とりわけ堂々とした剣岳が朝日に輝く様は素晴らしいの一言です。

山頂は広大なお花畑、360度の展望、どちらを見ても名だたる秀峰です。アルプスの真っ只中にいる幸せに包まれる時間です。

まだまだお花マークが続き、ハクサンシャジン、シオガマ、シロウマアサツキ、ウルップソウ、ウサギギクと華やかなこと、可憐なこと、天上の楽園です。お花好きなら動けません (;´ `)
千代の吹上げで蓮華温泉への道を分けます。小屋からここまでは大勢の人でしたが、多分ここから先は人もグッと減り栂海新道の正念場、無数のアップダウンを繰り返し海抜0mの親不知まで長い、長い道のりです。


(照葉ノ池と白馬岳)

花畑、湿原、池塘、展望と快適この上ないのですが……暑いの何のって、水分ばかりで固形物が全く喉を通りません。これではシャリバテする〜と不安になりますが、頭で分かっていても食べられません。もちろんここに良く冷えたスイカがあったり、ぶどうがあったり、かき氷があるのでしたら即いただきますが、ザックに入っているパン、クッキー、チョコ、非常食など、見たくもありません。辛うじてドライパインが甘酸っぱくて一口食べられました。
雪解け水がふんだんに流れる絶好の休憩ポイントがあり、手がしびれそうな冷たい水を全員ガブ飲みしてしまいました。お腹大丈夫かなぁ〜〜?

長栂山からは稜線がはっきり見え、快適尾根歩きに違いありませんが、アップダウン、暑い、長い、不安材料がいっぱい。でも尾根を渡る青い風に吹かれる快適さは何物にも変えがたいです。

アヤメ平はヒオウギアヤメの群生で、標識を見るまでもないです。濃い紫のヒオウギアヤメがきつい日差しの中で少し涼を感じさせてくれます。
黒岩山、サワガニ山も大展望、大快晴です。でも暑い!体が渇水状態です。

栂海山荘には水場がないので北俣の水場で調達します。
この水場の標識が大変見にくい、うっかり見落としそうでした。水場は稜線から下って往復10分の所で冷たい美味しい水をまたまたガブ飲み、今夜と明日の共同水+明日の水場までの行動水1Lとして3.5Lを補給します。お腹にもたっぷり〜です。その後、まだまだある犬ヶ岳へのキツイ上りがどんなに苦しかったかーーー。
やっとの思いでたどり着いた犬ヶ岳、ここまでくればこっちのもの、もう小屋はすぐ下に見えています。もう上りもないッ!この開放感に長い時間心地よい風に吹かれて過ごしました。
山頂で、アルプスの中で、ただ、ただ風が通り過ぎるのを感じて青い透明な時間を見つめていました。
無人小屋ですが今日は20人ほどの団体と何組かのパーティです。テントは私達とあと1張でした。

日本海に落ちる紅の夕日と漁火を見ます。そして夜空には散りばめた宝石、ペルセウス座流星群もたくさん見て今日も幸せな日でした。

13日 栂海山荘〜白鳥山〜尻高山〜入道山〜親不知
コースタイム
テント場 4:55→黄蓮の水場 6:35→菊石山 6:55→白鳥山 9:15→坂田峠 11:45→尻高山 12:25→入道山 14:05→親不知登山口 15:33
今日もロングコース、いよいよ日本海まで下ります。すぐに樹林の急下り、ガレ場などがあるので日の出を待って出発します。ヘッドランプだけではこの下りはコワイですが、暗い内に出発したパーティもあったようです。
このコースは最終日がキビシイ!とありましたが、確かにキビシかったです。
黄蓮の水場で水を補給します。このあたりはとてもきれいなブナ林です。


(黄蓮の水場 ブナ林)

今日の最大の上りは白鳥山でガレ場、クサリ場も少々あります。もういいかげん足が疲れているのでアップダウンが恨めしくなります、と言って急下りももう膝がイヤイヤをしています。青息吐息で上り白鳥小屋のわずかな影にドッかとリュックを投げ出して座るとなかなか動けません。
ここからは急に穏やかな下りになりしばらくは楽々…がそれもつかの間、金時坂の急下りにはついに足が棒状態、柔軟性をなくし曲げた状態では持ちこたえられない!金時坂の長い下りを下りきると坂田峠で林道に飛び出します。ここからタクシーを呼ぶことも出来るとか出来ないとか、白鳥山で出会った人が話していましたが、真偽のほどは???と言うことはここでエスケープも可能?


(ジャコウソウ)

再び山道に入ります。ここからは何と長い、何と単調な、何と暑いヤブ山だったでしょう。行けども行けども緩いアップダウンをくり返すばかりでなかなか高度も下がらず、殆ど展望もない苦しい下りでした。ようやく樹間から海が見えてきますが、まだまだウ〜ンと下です。あの地点まで下るかと思うと目まいしそう〜。
ついに全員の行動水が少なくなり分け合って少しずつ飲みます。ここで頭に思い描いたのは親不知におりたら先ず一番に自販機に直行!!でした。冷たい水、カキ氷などが頭にグルグル浮かんで来ました。
高速を走る車の音が聞こえ、親不知のホテルの屋根が見え、やっと辿りついた海抜0m!ヤッター!
いいえ、海まではホテルから階段をかなり下ります。と言うことは海に足をつける、階段を上がる?(@_@)

ホテル前にザックを置いて海へ、足がバカになったと言いつつも空身だと楽勝です。


(証拠写真)

海で〜す!海!海!
潮風、海の匂い、貝殻、潮騒、波、わァ〜い、海、海、バンザ〜イ!
登山靴を脱ぎ捨て海に足をつけたこの爽快さに、朝日岳から0mまで下ってきた実感をジンと感じてしまいました。
温泉の後は潮風に吹かれて親不知の駅へ、上りも下りもない道はこんなにゆったり、ぼんやりしていてもいいんだ〜。
ラストシーンはとてつもなく大きな、真赤な夕日が日本海に落ちて行きました。