氷 の華 

H22年3月10日

それはいつになく空が澄み星がきらめく寒い夜だった
夜明けに窓を開けると白い風がいっせいに舞い込んで またたく間に氷の世界になった

私はためらうことなくその世界へ迷い込む

                 

凍える草と苔たち

散り遅れたブナの葉

風が運んだ氷の華 

霜の花

風に吹かれて 咲く花はさまざま

ヒメシャラの幹に白いラインを描き

芽吹きの枝に アセビの葉に 風が氷を置いていく 

目ばたきしても 首をふっても まぎれもない氷の国

風の置き土産に 木がたわむ

雲をかき分けるように青い空が覗いた一瞬 霧氷が輝き 
キラキラの息吹きが聞こえた

さ迷った白い幻想は数時間のうちに花を散らせ ふり積む花びらは白い道と化した

垣間見たはかない氷の世界 冷たく白い氷の華