深緑石舞台

 夏休み、美術部の生徒を引率して明日香へ出かけた。
 ちょうどお盆初日とあって、多くの人で賑わっており、日ごろ目にしている明日香の「静かな村」というイメージがかき消された。
 生徒を引率するときは、自分はあまり描か(描け)ないのであるが、この日は参加生徒が少なかったので、一緒にスケッチした。
 石舞台は近くで見るより、少し離れた土手から見下ろすこのアングルがお気に入りである。スケッチをしている時間、多くの観光客がこのアングルから写真に収めていた。
 名古屋から来た夫婦が、「すばらしい。雄大な眺めですね。」と何度もため息をついた。そんな人々の姿を見て、郷土のよさを再発見した一日であった。