KACKY的水彩スケッチの技法
 ここでは、自分なりに水彩スケッチのかき方を紹介したいと思います。「KACKY的」と書きましたが、生徒たちが使っている副読本や市販されている技法書にもたいてい同じようなポイントが示されていると思います。
 つまり、@
明るい色から暗い色の順に彩色する。A部分だけでなく画面全体を彩色する。ということです。
 それは
色は混ぜれば混ぜるほど濁るという絵の具の性質を知っていたら、当たり前のことなんですが、このことを私が最初に発見したのは中学生の頃で、それまでは私も、多くの生徒が口にするように、やはり色をぬることに苦手意識をもっていました。
 それでは、具体的に説明していきたいと思います。
B描きこみ
 画面全体に色がついたら、微妙な色の変化を見つけて、色をぬり重ねていきます。
 例えば、同じ緑でも、竹林・針葉樹・広葉樹・稲とみんな違う緑をしています。また、近景と遠景でもかなり色は変化して見えます。
 そういった色の変化を、下ぬりでぬった黄緑の上から、色をぬり重ねることで表していきます。
 ここでは針葉樹は青っぽい色を、広葉樹は黄土色っぽい色を重ねて、変化をつけています。

 この段階になると下ぬりよりも少し部分的な彩色になるので、筆もやや細めになります。
 ただやはり、今ぬっている色が、画面の他の部分にも使えないか、いつも全体に気を配りながら彩色することが、全体の調和をはかることにもつながると思います。
 画面全体を見て、強調したい部分などにはさらに色を重ねていきます。

 一番下の図は別の日にかきに行ったので、稲も幾分成長していました。
 かき込めばかき込むほど、みずみずしさが失われることもあるので、どの辺で筆をおくか悩むところです。

 以上、我流ですが、かき方を紹介しました。質問等がありましたらメールにてよろしくお願いします。 
A下ぬり
 黄色や黄緑などの明るい色から、大きな筆を使って画面全体に大まかに手早く色をつけていきます。
 透明水彩では、白は絵の具でぬるのではなく、紙の白をぬり残すようにします。ここでは田んぼに張った水の部分をぬり残すことにしました。
 画面奥の木々や山にも最初は黄緑をぬっておいて、後に暗い緑や青などをぬり重ねていきます。そのほうが緑に深みが出るからです。
 時間がなければ、ここで完成としても、画面全体に色がついているので雰囲気は伝わると思います。
@下がき
 広大な風景の中から、自分は何をかきたいのか、自分が惹かれたものを中心にどこからどこまでかけばよいのか考えて構図を決めます。
 このときに目に見えるものすべてをまじめにかくと大変なので、自分にとって不必要なものであれば省略します。
 ここでは遠くに見える家を中心に、曲線を描きながら広がる棚田のようすを取り入れてみました。


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