今週の壁新聞

ご投稿もお待ちしております!

最新エッセイ式日記
http://plaza.rakuten.co.jp/kansai/

 

☆清流茶屋☆ 2004年のテーマ 「価値観の自己創造」

「人それぞれ価値観が違う。」
よくそんな風に言われる事があるが
どちらかと言えば「逃げ」の場合が多い。


私の年代だから特に関心があるのだが
昨年末、新聞で30代の未婚率を取り上げていた。
うろ覚えなのだが、確か30代後半の未婚率が20%を超えていた。
つまり、30代のみの男女50人ずつの村だとしたら、
10組以上は未婚になると言う計算である。
出生率も一組(二人)あたり、子供二人を割っているワケだから
男女50人ずつの村では、何世代もするとやがて村は消滅してしまう。
と、これは極端な話であるが・・・。

世界全体を考えると人口抑制は良い傾向かも知れない。
全世界中の人々が生めや増せやとやっていったら食料が無くなるかも知れない。
日本人には容易に想像出来ないかも知れないが、
現実に飢え死にが日常茶飯事化している国もある。

明治維新後、日本国は、世界的に見ても類いまれな豊かさと、
市民の(ほぼ)平等を勝ち取って来た。
狭い国土に一億人以上の人口がひしめきつつも
飢えずに暮らして居ることがその実証でもある。

飢えないどころか、多くの人がカラーテレビも
自家用車を所有することは苦にならない。
高等(高校)教育もほぼ義務教育化しつつあるし
本人が望みさえすれば最高学府(大学)に学ぶこともそう困難ではない。
いくら不景気とは言え、本当に職がないとは言い難い。
70才を過ぎた老境の人でも現役の方もいるし
本来、未就労であるはずの学生で何らかの仕事(アルバイト)
をしていない者を見つける方が難しいのではないか。

第2次世界大戦後の日本国は徐々に安定を保ってきたと同時に
型にはまった「価値観」をひたすら創ってきた。

前述した、高等教育を受けるのは当たり前であるし
安定した収入の確保を第一に職を選び、
一定の年齢に達したら結婚し子供を産み育てる。
家電製品や家具を揃えるのは必然であり、出来れば自家用車も持ち家も欲しい。
生まれて来た子供には学校はもちろん、学習塾や教室習い事教室にも通わせたい。
時には家族で外食や旅行も楽しみたい。
クリスマスにはケーキやプレゼントを買ってご馳走を食べよう。
こんな価値観が「人並み」とか「平凡」とか呼ばれ長い間重宝されてきた。

中には異端児もいる。
例えば、プロ野球選手であり、プロボクサーや芸能タレントである。
たった一握りの人が大金や名声手にするが、大衆はそれ由とする。
彼らは一躍千金の夢を引き替えに、過酷な生存競争に身を投じたのだから
当然の権利である。

或いは、ビジネスに置ける事業(起業)家もそうかもしれない。
大きなリスクを背負うが勝負を賭けることが出来る。
そして実力、運ともに備わった一部の人間だけが栄冠を獲得できるのだ。


さて、この型に、はまった「人並み」とか「平凡」と言う価値観は
例えば、二流週刊誌の記事なんぞに出てくる「年齢別平均年収額」に象徴される。
50代の平均年収が1,000万円だとして、多ければほくそ笑み、
少なければ世を恨む。
職場の役職にしても、実質よりも対外的なタイトルに拘る。

そんな画一的な価値観は、「自分の時間の喪失」と言う
大きな代償を支払うことによって成立している。
或いは「心の抑制」と言葉を変えても良い。

動く家畜小屋のような通勤電車で日々我慢し、
年に少ししか連続休暇を取れないのに、
時に100キロメートルに及ぶ高速道路の渋滞に身を委ねる。
常に周囲の目を気にする毎日。

それでも、「人それぞれ価値観が違う。」と公言して憚らない人が多い。
本当に自分自身の価値観を持っているのだろうか。
なら、たかが一杯のラーメン屋になぜ行列を作るのだろうか。
いくら100円均一で安いと言っても、週末の回転寿司屋は大盛況である。

添加物たっぷりの危険な食品を並べても
不純物がはいったまがい物の日本酒を飲まされていても
文句も言わない人も多い。

なぜ、これだけ豊かな国に住んでいて自殺者が多いのだろうか。
職を失ったと言う理由で自殺する中高年が多いとも聞く。
職=名誉とか、生き甲斐かも知れない。
だが、たかが仕事ではないか。
型にはまった価値観の中で必死に生きようとするからいけないのだ。

堂々と会社をクビになったと言えば良い。
今までどおりの生活が出来なければ、環境を変えれば良い。
手放せるモノがあれば手放せば良いのだ。
人を騙したり陥れたり社会に害を与えてまで一体何を守ろうとするのか。


冒頭の話だが、私は結婚してもしなくても良いと思う。
結婚しないのか、結婚出来ないのか、独身主義者だとか、
単に良縁恵まれないとか理由は何でも良い。

但し、本当に自分の価値観を築いて欲しい。
そうすれば、世間体であるとか
後ろめたい逃げの気持ちを持たなくて良いと思う。

が、独身の貴方が、型にはまった「人並み」とか「平凡」と言う
価値観を持っているならそれにそった行動を起せば良い。
結果は別にして・・・。

今、結婚と言う事例を取ったが
これは政治・経済・文化全てに言えることである。

ビジネスの場に置いてもしたり顔で「勝ち組だ、負け組だ」と言う人が
居るがそれが一体なんの意味があるのだろうか。
経済的にも軍事的にも勝ち組であるアメリカ合衆国が住みやすい国であるのか。
一般市民が銃を携帯し、凶悪犯罪が多く、
貧富の差が激しい国を日本は目指すのだろうか。

首相が靖国神社に参拝したぐらいでなぜ日本は
中国や韓国からクレームをつけられないといけないのか。

原子爆弾を2つも落と大量虐殺をした、アメリカ合衆国は我が国に謝罪をしたのか。
英国は、過去植民地にした国々に今も謝罪して回っているのか。
そもそもアメリカ大陸は西洋人の土地だったのか。

日本国自体も、アジアの一部の地域を植民地や占領地したが、
アジア人である日本人が西洋人と正面衝突した結果
多くの地域の独立のキッカケをもたらしたのは、紛れもない事実である。

今では世界有数の豊かな島になっている台湾は、
その昔、本国からも伝染病も多く化外の地であると言われた。
日本の植民地政策がなければ、インフラ、教育などの
地盤を築くことがなかったかも知れない。

いずれにせよ、有力マスコミが口を揃えて
日本の戦争の罪悪感を植え付ける価値観を
各人が自分で判断する時代が来た。


この2004年は責任を持って、
各自の価値観を創造する元年であると私は提言したい。
いや、そうすべきであるし、そうしないとイラクの自衛隊派遣についても
アメリカ合衆国の連携にしても何一つ自分の意見が持てなくなる。

ビジネスであろうが、ライフスタイルであろうが同じ事である。
決して簡単な事ではないが、価値観の自己創造こそが次世代に生きる。
私はそう断言する。


◆祭 作太郎

関西交流大学のメールマガジンの購読先はこちらです!

 

ホームページに戻る!