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私たちは、休耕田を借りて野菜づくりをしています。

少し野菜作りのことを勉強してみましょう。

果菜類  果菜類の中で代表的なものは、トマト、キュウリ、ナスです。結実したあとにトマトは完熟、ほかは早熟の果実を利用します。あまり草丈が大きくならないものは場所をとらないので、容器栽培でも容易に作ることができます。
 他にピーマン、トウガラシ、シシトウ、エンドウ、イチゴ、エダマメ、インゲン、三尺ササゲ、ニガウリ、カボチャ、トウモロコシ、オクラ、スイカ、ソラマメ、ラッカセイ、ハヤトウリ、等があります。
葉菜類  葉菜類は文字どおり、葉を利用する野菜です。根があまり大きくならないので、水耕栽培で作れる種類もあります。栽培期間も短いので、いろいろな種類を楽しむことができるでしょう。
 種類として、コマツナ、シュンギク、パセリ、シソ、タマネギ、ホウレンソウ、ネギ、サラダナ、ハネギ、レタス、ワケギ、ブロッコリー、キャベツ、メキャベツ、モロヘイヤ、アシタバ、ニラ、ミツバ、ツルムラサキ、セルソー、カリフラワー、チンゲンサイ、ハクサイ、コウサイタイ、スープセルリー、フダンソウ、等があります。
根菜類  土の中に生きている根が肥大して、それを利用するものを根菜類といっています。葉菜類とは違い土中深くまで耕さないと、変形したりするものがあります。容器栽培もまた、種類を選びます。
 種類として、ジャガイモ、ダイコン、ハツカダイコン、ニンジン、カブ、サツマイモ、サトイモ、ショウガ、ゴボウ、ナガイモ、等があります。


家庭菜園の道具


 最近では家庭菜園の道具もいろいろ便利なものがたくさんできて、はじての人はかえって戸惑ってしまうくらいです。
 はじめから何もかも揃えようとはせずに、基本的な道具だけ揃えて、慣れるにしたがって少しずつ買い足していくのがよいでしょう。
 また、家庭菜園といっても、広い畑での露地栽培からプランターなどの容器栽培まで、規模もまちまちです。道具もそれによって違いますが、ここでは小規模な露地栽培と容器栽培について必要な道具にしぼります。


基本的な道具とは
<スコップ>
  土を掘り返す道具で、元肥を混ぜるときにも使います。最も基本的な道具です。
<クワ>
  土を耕したり畝を作ったりするのに平グワが一丁、土を掘り起こして耕すのに備中グワが一丁あるとよいでしょう。
<カマ>
  除草や収穫時に使います。
<移植ゴテ>
  苗の移し替えに使います。
<ジョウロ>
  水やりに使います。
<ハサミ>
  収穫や摘芯、摘芽などに使います。
<レーキー>
  畝の表面をならす道具です。
<フルイ>
  土をフルイにかけたり、覆土に使用します。
<ホー>
  畝の間などの除草に用いるものです。
<土入れ>
  容器に土を入れる道具です。
<育苗箱・ビニールポット>
  育苗箱は、底が網状になっており、水はけがよくなっています。
<プランター・鉢>
  容器栽培にはプランターか鉢を用います。栽培する野菜の種類に応じて深さを選びましょう。
<他に、ホース・散水ノズル・バケツ・スプレー支柱・ビニタイ等を必要に応じて準備しましょう>


土作りのポイント


土を見きわめる
 野菜作りは土作りがポイントです。その土地に初めて作物を作る場合には、どんな土壌なのか知る必要があります。
 改良が必要ならば、十分時間をかけ、よい土壌にすることが、よい収穫につながります。よい土とは、有機物を多く含み、水はけや通気性がよく、酸性度の低い土です。


土を改良する
 そこで、作物を作り始める前に土壌の改良をする必要があります。作業はまず雑草を取り除き深く掘り起こします。掘り起こした土は、天地逆に返し毎年一回厳冬期にします。


酸性度を中和する
 土壌の酸性度を弱め、細かすぎる土の粒子を適度に祖くする。種をまいたり、苗を植える約2週間に掘り起こした土に石灰(家庭園芸用)を1平方b当たり100cまいて、よくかき混ぜることにより、土壌は中和されます。
 ホウレンソウやエンドウ  石灰の量多い目に (酸性土壌にきわめて弱いため)
 イモ類、スイカ、カボチャ  石灰の量少ない目に (酸性土壌にきわめて強いため) 
 石灰の過散布には、注意しましょう。微生物や微量要素を損なわれてしまいます。


元肥を施す
 肥料には、元肥と追肥があります。元肥は石灰をまいてから一週間後に施します。
有機物肥料 推肥 ワラや落ち葉の腐ったもの
腐葉土 落ち葉が腐食したもの
ビートモス 苔やシダ類が変化して泥炭化したもの
有機肥料 油かす、骨粉、鶏糞、草木灰、等 肥料の三要素(窒素、リン酸、カリ)を満たすのは、有機肥料と科学肥料です。
化学肥料


窒 素 ・・・  葉や茎をつくる
りん酸 ・・・ 花や実の生長を促す
カリ ・・・   根を丈夫にする



畝をつくる
 標準的な畝の幅は、60pくらいですが、作物の種類で変えると良いでしょう。畝の高さは10〜30pで、水はけのよい土地は低く、悪いところでは高くします。作物によって、イモやダイコンなどの根菜類と、キュウリ、ナスなどの果菜類は高い畝が適しています。ホウレンソウ等の根の浅い葉菜類は、低い方がよいでしょう。



連作と輪作
 同じ場所で同じ作物を繰り返し作ることを連作といいます。連作すると同じ養分が吸収されるため、養分が足りなくなったり、作物からでる有害な要素が増えるため、作物の生育が悪くなります。これを連作障害といいます。連作に強いのは、ネギ、カボチャ、トウモロコシ、米等で、弱いのは、ナス、エンドウ、ハクサイ、トマト、等です。
 連作障害を避けるためには、輪作という方法があります。輪作とは、毎年作物を変えていく方法で、何年か後には最初の作物に戻ることができます。
 どうしても連作したい場合、土壌改良剤「ミリオン・ソフト・シリカ」(ケイ酸白土)を10%の割合で混ぜます。




種と苗の選び方



何を作るか
 自分が作りたいものを作ればいいのですが、まず土地の特徴や作物の性質を考えて判断しましょう。作物が決まれば種、または苗を入手します。
苗状 <果菜>トマト、ナス、キュウリ、イチゴ、ピーマンニガウリ、カボチャ、シシトウ、トウモロコシ、オクラ、スイカ、等
<葉類>パセリ、シソ、ネギ、ツルムラサキ、セロリ、サラダナ、モロヘイヤ、レタス、アシタバ、等
<果菜>イチゴ、
<葉類>タマネギ、パセリ、サラダナ、レタス、等
種球状 <種イモ>ジャガイモ、サトイモ、ヤマイモ
<果実>ハヤトウリ
<根>ショウガ
<種球>ワケギ、ニンニク


種や苗を買うとき
 種を買うときの大切なことは、袋に記載されている、採取時期、発芽率、有効期限を見て新しいものを買い求めましょう。また表示が新しくても店先で太陽にさらされているようなものは、買うのは避けましょう。
 苗を買うときは、茎が太くてしっかりしたもの、節間が短く、葉がいきいきと濃い緑色をしたものを選びましょう。種芋はまるまるとして形のよいものを選びましょう。


種や苗の扱い・保存
 開封した種は、まききるようにしましょう。余れば人に譲るか、交換して有効利用しましょう。春夏用は、春に残った分は次の秋に、秋に残った分は次の春に利用しましょう。どうしても残った分は、乾燥剤を入れて密封して冷暗所に保存しましょう。
 苗の場合、植え付ける直前に買ってくるのがふつうですが、もし何日か保存するなら、日当たりの良い場所において観察し、乾燥に気をつけながら、水をやりすぎないように気をつけましょう。




種のまき方


種をまく
 種には明るい場所を好むもの、そうでないもの、発芽の時に温度が高いほうがよいものや高くない方がよいもの、発芽後の移植が簡単なものや難しいものなど、それぞれ性質が違います。その性質を知った上で、種まきをしましょう。
<条まき>畝に細い溝を作り、間隔を空けずにすじ状に種をまきます。この方法では、発芽してある程度成長したら、間引きをして適当な間隔を作るのが前提になります。
<点まき>畝床に等間隔に小さなくぼみをつけ、その中に種をまく方法です。カブの大きな作物では、この方法がふつうです。一つのくぼみには3〜5粒くらいの種をまきます。発芽後、数回間引きして1株にします。ほかのまき方に比べて、間引きの手間はずっと少なくてすみます。
<ばらまき>畝の上の平らな床全面に種をばらまく方法です。発芽後は間引きをします。




覆土と水やり
 種をまいたら土をかけます。これが覆土という作業で、かける土の厚さは種の2〜3倍といわれています。土は手でかけてもいいのですが、平均してかけるには、フルイを用い、ていねいに行うのが一番です。
 種まき後の水は十分に与えます。小さな種の場合は、種をまく前に水をやっておきます。水やりの時、水の勢いが強いと、種が流れてしまうことがあります。蓮口の穴の細かいジョウロでやりましょう。




苗を植える
 種まきでうまく育ちにくいものは、育苗箱やビニールポットで苗を育ててから、畑などに植えるのを定植といいます。定植は、植える時期が大切です。高温で育つものを寒いときに植えてもうまく育ちません。種の袋に書いてある植え付け表を参考にして時期を決めます。苗を植えたあとは十分に水を与えます。




水やり(灌水)



水やりは必要か
 水は肥料とともに欠かせないものです。初めのうちは水が足りなくて枯れてしまうことを恐れるせいか、水をやりすぎることがあります。種まきや定植後、または乾燥しやすい場合に、状況に応じて与えれば良いでしょう。
 容器栽培の場合、土が乾燥していたら、底の穴から水が出てくるくらい一度にたっぷり水を与えます。
 露地栽培の場合、雨水などがありますから、簡単に乾燥することは少ないものです。真夏など、特に乾燥が激しい時期以外は、表面の土が乾いたら与える程度で良いでしょう。




水やりのコツ
 春と秋は雨が多いので水をやる必要ははとんどありませんが、夏の間は注意が必要です。こまめに土の湿乾に気を配りましょう。5月頃、意外に乾燥するので注意が必要です。土の表面が乾いていたり、作物に元気がない、というときは、たっぷり灌水(かんすい)します。蕾が出始めて花をつける頃、生育が旺盛な時期なので、少し多めに灌水してもかまいません。
 水の与えすぎは、根腐れの原因にもなりますので、乾燥を防ぐためにあらかじめワラや刈り草を敷くと良いでしょう。




乾燥を防ぐには
 水は足りなくても、与えすぎてもよくありません。そこで、土の乾燥自体を防ぐために、「敷きワラ」をします。畝の乾燥を防ぐことは菜園の大切なプロセスとなります。何日も家を空けるときは、是非行うとよいでしょう。




敷きワラの効用
 敷きワラは土の乾燥を防ぐばかりか、水やりの回数が少なくてすみ、そのため水の与えすぎで土が固まるという心配がありません。さらに雑草の繁殖を抑えてくれて、除草の手間が省けます。土の表面が外気にさらされないため、地温を安定させてくれます。夏は涼しく、冬は暖かい状態を保つことができます。




追肥の施し方
 作物の途中で施す肥料を<追肥>といいます。元肥は、長期間効果がありますが窒素肥料、カリ肥料などは雨などで流出しやすいので、生育期間の長い作物では途中で何度か追肥が必要になります。
 肥料切れを起こしているかどうかの一つの目安として、葉の色が黄色っぽく感じられたり、全体にどこが元気がないようなら肥料切れです。




追肥は何をどう施すか
 追肥には即効性のある化学肥料が一般的で、いわゆる無機肥料といわれるものです。粒状のものも液体のものも、作物の株元から少し離れたところに施します。2回、3回と追肥を施すときは前回とは違う場所にします。粒状の肥料を用いるときは畝を少し掘って施し、土を寄せます。液体の肥料は同様の場所にジョウロでまいて灌水もかねると良いでしょう。いずれの肥料のしても化学肥料は土とよく混ざると吸収が良くなるので、土を寄せるとき、よく混ぜ合わせと効果が上がります。




間引きと整枝




なぜ間引きするのか
 種は実際に必要な株の数よりも多くまきましたが、全部発芽するとは限らないし、又、全部健全に育つとは限りません。まだ抵抗力のない株同士密生し寄り集まって育つことで、風雨や温度変化などに耐えていけるのです。ところがある程度大きくなると、お互いに成長の妨げになり、一本一本生育不良になるので、タイミングよく間引きを行うことが不可欠になってきます。




間引きのポイント
 間引きは一度にやるのではなく、必ず何度かに分けてやります。ふつうは、3、4回の間引きで最終的に必要な株数になるようにします。
<1回目の間引き>子葉が開ききって密集した状態になった頃に行います。全体を等間隔にし、数を半分くらいに減らすというのが目安です。
<2回目の間引き>本葉が1枚出てきた頃が適期です。
<3回目の間引き>本葉が2、3枚出てきた頃が適期です。
<4回目の間引き>本葉が4、5枚出てきた頃が適期です。
 2回目、3回目と進むにしたがって株と株の間をよく考えながら、最終的には等間隔に並ぶように抜いていきます。
 抜いた苗は、葉ものなら間引き菜として食べられますし、根を傷めないように間引きすれば、移植して育てることもできます。




整枝について
 豆類やトマト、キュウリなどの果菜類では「整枝」という作業が必要です。整枝とは、枝やツルをハサミなどで適当にカットすることをいいます。いわば枝葉の間引きです。
 また、全体をよく茂らせるために、成長の途中で一番伸びている先端の芽を摘み取ることで、側芽(脇芽)の成長を促すために同じような作業をすることがあります。これを「摘芯」といいます。
 反対に主枝を伸ばすために側の芽を欠き取る「芽欠き」もまた、よりよい収穫を得るためには必要な作業です。



支柱立て・中耕・土寄せ




つるの伸びる野菜には支柱を立てる
 苗を定植したあと、サヤエンドウ、つるありインゲン、トマト、ナス、キュウリ、ピーマン、等つるの伸びる野菜や倒れやすいものには支柱を立ててやります。
 支柱には直立式と合掌式があり、直立式には、苗に1本ずつ立てたものさらに、横に棒をわたして結んだ格子型のもの、キュウリネットを張ったものなどがあります。
 支柱の長さは、ナスやピーマンなら90pもあれば足りますが、キュウリ、つるありインゲン、トマトなどは2mくらいのものが必要です。重い実をつける野菜には、太い目の支柱を用います。




中耕のポイント
 植え付けや種まきの前に十分耕した土も、日がたつと雨がしみ込んだり、踏み固められたりして固くなってきます。そうなると水はけや通気が悪くなり、土中の酸素が不足して、作物の生長に障害が出てきます。
 そこで、畝の間や株と株の間に浅くクワを入れて、固くなった土を柔らかくすることが必要になります。この作業が中耕です。
 中耕をすると、土の通気や水はけが再び良くなって根が活発に働き始め、作物の生長が促されるほか、土をかき混ぜることによって雑草の発芽や生長も抑えられます。
 中耕は追肥を兼ねてほぼ定期的に施すと良いでしょう。目安として月に1度くらいが適当です。




土寄せは中耕のときに
 株の根元などに土を寄せてやるのを「土寄せ」といいます。土寄せは中耕と一緒に一連の作業としてやっておきましょう。追肥、中耕、土寄せの3つは一連の作業と考えて良いでしょう。




防寒・防暑




低温野菜と高温野菜
 野菜には低温を好むものと高温を好むものとがあります。そういった性質はその野菜の原産地の気候によるもので、長年の改良などでかなり変化しても、根本的な性質はそう大きく変わらないものです。
 冬野菜といえども、あまり強烈な寒気には耐えられませんし、夏野菜でも異状に暑い夏には弱ります。そんなとき、何らかの方法で寒さ除け、厚さ除けをしてやらなければならないわけです。


おもな野菜の生育温度
果菜 ナス科 トマト 15〜25(度) 葉菜 ホウレンソウ 15〜20(度)
ナス 25〜30(度) ハクサイ 15〜20(度)
ピーマン 25〜30(度) ミツバ 15〜20(度)
ウリ科 キュウリ 23〜28(度) シュンギク 20〜25(度)
スイカ 23〜30(度) レタス 20〜25(度)
カボチャ 20〜25(度) 根菜 ダイコン 15〜20(度)
その他 イチゴ 18〜23(度) ジャガイモ 15〜20(度)
トウモロコシ 25〜30(度) ゴボウ 20〜25(度)




寒さを除ける
 寒さの害でよくあるのは霜の害です。ホウレンソウなどの葉ものがいくら寒さに強いといっても、まったく無防備に霜にさらされると、肝心の葉が痛んだり、根が浮いてしまったりします。
 霜を除けるには、トンネルを作り、園芸用寒冷紗や不織布、そして塩化ビニール、ポリエチレンなどで覆ってやります。この場合、晴れた日の日中などはトンネル内の温度が上がりすぎますから、トンネルの上部に穴をあけるか、覆いの裾を少し上げてやるなどの配慮が必要です。
 ただ、あまり過保護に寒さ除けをしすぎると、かえってひ弱な野菜ができてしまいますから、霜や寒さにもなるべく自力で耐えられる程度の、生育状況にあった霜除けをしましょう。




病害虫への対処




病害虫の発生を防ぐ
 作物が病気にかかったり害虫にやられたりするのを完全に防ぐ方法は、残念ながらないといってよいでしょう。
 しかし、できるだけその発生を防ぐ努力をし、なるべく農薬を使わずにきれいな野菜を作りたいものです。それには、病害虫に強い品種を選ぶことです。園芸店や農協にたずねたり、カタログなどでよく研究するとよいでしょう。
 また土作るの段階で、酸性土壌などについては十分に手を加え、排水をよくし、元肥をしっかり施しておけば、作物も健康に育ち、病害虫に犯されることも少なくなります。
 季節外の栽培では病害虫が発生しやすいので、まだ慣れないうちは、その作物の一番適した時期に作るようにしましょう。株と株の間が詰まりすぎていたりして、日差しや風通しがうまくいかないこともトラブルの元です。畝作りや間引きに際しては、それぞれの作物にあった間隔を取るように心がけましょう。
 そのほか、連作も植物の生育を阻害しますから、病害虫が発生しやすくなります。連作の害については、病害虫を防ぐ意味でもよく気をつけましょう。
 人間の病気と同じで、早期に発見すれば薬などを使わなくてすむかもしれませんし、使っても少なくてすむはずです。おかしいと思ったら園芸店などに相談して処置の方法を教えてもらうとよいでしょう。




病害虫が発生したら
 野菜は食べ物ですし、中には生のままで食べるものも少なくありません。農薬はなるべく使いたくない、と誰もが考えるのは当然ですが、だからといって病害虫のために作物が枯れていくのを手をこまねいて見ているわけにもいかず、結局は農薬を使わざるを得ない、というのが現実です。
 でも、病害虫も発生初期のものなら、何とか被害の拡大を防ぐ方法はあります。大変素朴な方法ですが、病害虫に侵された部分を丹念に摘み取ってやるのも大切なことです。


病害虫 症 状 出やすい野菜 使用する薬剤・対処法
ウドンコ病 葉の表面や茎、果実に白いカビが生える イチゴ、ナス、トマト、ウリ類 ベンレート水和剤、トップジンM水和剤、ロブラール水和剤
灰色カビ剤 腐敗した葉、花、果実に斑点。
灰色のカビが生える
トマト、イチゴ、キュウリ、レタス ベンレート水和剤、トップジンM水和剤、ロブラール水和剤
苗立枯病 苗がしおれる。発芽したばかりの新芽もやられる ホウレンソウ、トマト等 オーソサイド水和剤、ダコニール1000、種まき前に土壌消毒剤NCS
ベト病 葉の表面に多角形の黄色い斑点ができ、広がって褐色に枯れる タマネギ、ウリ類、 アブラナ科 ジマンダンセン水和剤、ダコニール1000、サンボルドー
斑点病 葉や茎に褐色病班ができ、しだいに広がる イチゴ、セロリ、レタス、トマト ジマンダンセン水和剤、サブロール乳剤
、トップジンM水和剤
ウイルス病 葉が縮んでまだら模様ができる。
実は奇形を生じる
イチゴ、トマト、マメ類、ウリ類 媒介するアブラ虫の駆除。
抜いて消却し、手や器具を消毒
ツル枯病 つるの地際に黄褐色の病班。
上の葉に移って枯れる
ウリ類 トップジンM水和剤、スミレックス水和剤、ロブラール水和剤
軟腐病 葉や茎の地面との際が腐って悪臭を放つ レタス、ネギ、セロリ等 マイシンS
アブラ虫 葉、茎、果実などにつき、養分を吸い取る。病気も媒介 ほとんどの作物 マラソン乳剤、ベニカ乳剤、サイアノックス乳剤
アオ虫 葉の裏について葉を食べる。
モンシロチョウの幼虫
エンドウ、アブラナ科 マラソン乳剤、ベニカ乳剤、サイアノックス乳剤
テントウムシダマシ 幼虫は葉の裏について葉を食べ、成虫は果実の実を食べる トマト、キュウリ、ピーマン等 マラソン乳剤、ベニカ乳剤、サイアノックス乳剤
ハダニ 葉の裏について養分を吸い、葉裏が白変する イチゴ、ジャガイモ、マメ類 ケルセン乳剤、アカール乳剤、アンチオ乳剤、アサダン水和剤
ネキリ虫 日中は土の中にいて、夜、株元を食害し、苗を倒す レタス、ニラ、ネギ、シソ等 オルトラン粒剤、カルホス粉剤、ネキリトン、デナポン5%ベイト
ヨトウ虫 日中は土の中にいて、夜、葉や茎を食べる。ヨトウガの幼虫 イチゴ、セロリ、ホウレンソウ オルトラン水和剤・粒剤、アクテリック乳剤、トアロー
コナガ 葉の裏から葉脈を残して食べる キャベツ、アブラナ科 サイアノックス乳剤、アクテリック乳剤、
ベニカ乳剤
スリップス 葉の養分を吸い、葉が白変する ネギ、マメ類、ウリ類 サイアノックス乳剤、アンチオ乳剤、オルトラン水和剤
オンシツ
コナジラミ
葉の裏の群がって養分を吸う。
白い小さな成虫
ナス、トマト、シソ、マメ類 アクテリック乳剤、モレスタン水和剤、スミナイス乳剤
アワノメイガ 幼虫が茎や果実の中に浸入し食害する トウモロコシ サイアノックス乳剤、スミチオン乳剤



農薬散布の注意
 作物にかかった農薬が野菜を食べるときに多少口から入っても、滅多に事故は起こりませんが、農薬自体は毒物ですから、散布や貯蔵の際は十分注意しましょう。散布の時は防護服やマスクなどを着けるようにして、体に農薬がかかったり、霧状になったものを吸い込んだりすることがないよう十分気をつけましょう。そしてなるべく風のない日に作業するようにしましょう。




収穫と栽培の終了



収穫期間の違い
 栽培の終了は各々野菜の種類によってまちまちです。葉菜類と根菜類は比較的1回で収穫するものが多いので、栽培の終了が早い一方、果菜類は収穫期間が長いので栽培の終了が遅いめです。栽培の終了のめやすについては葉菜類、果菜類、根菜類別におもな野菜を挙げてみました。



葉菜類では
 コマツナ、ホウレンソウ、レタス、タマネギ、ネギ、キャベツ、チンゲンサイ、ハクサイ、カリフラワーなど株取り収穫が1回で終了するものは早めに栽培の終了を迎えます。
 サラダナ、シュンギク、パセリ、ミツバシソ、ツルムラサキ、のように外葉や下葉から欠き取り、利用するもの、ワケギ、ニラのように株元を残して刈り込みながら利用するものは栽培の終了が遅くなります。
 ブロッコリーのように頂花雷が採れるものについては全部収穫したら栽培の終了です。




果菜類では
 トマト、キュウリ、エンドウ、インゲン、エダマメ、トウモロコシ、オクラ、ピーマン、シシトウ、カボチャ、ソラマメ、などは果実を収穫し終わった時点で栽培の終了です。
 ナスはいったん夏の収穫が終わり、更新剪定後、秋ナスを全部収穫したら栽培の終了です。イチゴは果実の収穫後、次年の苗を採るため、ランナーから子苗を採取したあと栽培の終了となります。



根菜類では
 ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ、ゴボウなどは茎葉が黄変してきたら株ごと掘り起こして収穫し栽培の終了です。
 ハツカダイコン、カブ、ニンジン、ダイコンは、根が十分肥大した時点で収穫し栽培の終了です。