ジョウビタキ(スズメ目ヒタキ科)常鶲
Phoenicurus(ポエニクルス ジョウビタキ属-ギリシャ語で不明の鳥名 赤い尾の鳥の意)
auroreus(アウロレウス ローマ神話・暁の女神Auroraオーロラのような)
Daurian(バイカル湖東ダウリアと呼ばれた地方の) Redstart(ジョウビタキ) L14cm
シベリア南部・ウスリー・モンゴル東部・中国北部・チベット南西部で繁殖し、冬季はインド北東部からインドシナ北部・中国南部。台湾に渡る。
日本では、冬鳥として全国に渡来するが、厳寒期は北部日本には少ない。市街地から農耕地、草原、河原、低山の疎林など、少し開けたところに単独で縄張りをもち、杭、石などによくとまる。尾を振ってヒョコッと頭を下げる動作をよく行う。
【声】地鳴きは「ヒッ、ヒッ」「クワッ、クワッ」。春先の渡去直前には囀りに近いグゼリをする個体もいる。
【名の由来】“ジョウ”は雄の頭が灰白色であることから、謡曲で翁(老人)を意味する“尉(ジョウ)ヒタキ”(尉は炭火が灰になったもので、その灰色から老翁を意味する)。「上等なヒタキ」という説もある。“ヒタキ”はヒッヒッと火打石をたたく音に似た声で鳴くので“火焼(ヒタキ)”という。
○ヒタキは平安時代から「ヒタキ」、鎌倉時代から「ヒタキドリ」の名前でしられていた。安土桃山時代から「ジョウビタキ」の名で区別して呼ばれるようになる。
◇馬見丘陵公園では、冬鳥として渡来する。雌雄共に縄張りをもち、木の枝、石などにとまっている。冬期よく観察できるが、特に秋の渡り期に多く観られる。
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2010/03/19 馬見 ♂ |
♂成鳥;額から後頸までが灰白色で、銀色にも見える。顔から喉、背からの上面は黒く、次列風切基部は白色で、白斑になる。胸からの体下面と腰、上尾筒は赤褐色。尾は黒く、外側尾羽は赤橙色。嘴と足は黒い。
♀成鳥;頭部から背、肩羽と顔から喉にかけては灰褐色。翼は暗褐色で、♂より小さめの白斑がある。胸からの体下面は灰色味を帯びた淡橙色で、脇から下尾筒までは赤橙色。
若鳥;♂♀を問わず、風切や雨覆、尾などに褐色味が強く、バフ色の羽縁がある。 |
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2009/01/13 馬見 ♂ |
2005/03/02 奈良 ♀ |