チュウサギ(ペリカン目サギ科)中鷺
Egretta(エグレッタ コサギ属-フランス語aigrettaシラサギ由来)
intermedia(インテルメディア 中間の)

Intermediate(中間の) Egret(シラサギ類-学名から)     L68.5cm
レッドリスト 準絶滅危惧種
奈良県レッドリスト 情報不足種

朝鮮半島から中国・東南アジア・インド・オーストラリア・アフリカに分布。
日本では、主に夏鳥として本州以南に渡来し、西南日本では一部が越冬する。北海道では稀な夏鳥。草地・水田・湿地・湖沼・河川などに生息するが、水辺より草地を好む傾向があり(餌の中で昆虫の占める割合が高い)、川の中や干潟に出ることは少ない。雑木林などに他のサギ類と混合コロニーをつくり繁殖する。
【声】「ゴーワ」「グーワ」と鳴く。

【名の由来】大きさがダイサギとコサギの中間なので、“中サギ(チュウサギ)”。“サギ”は、声が「騒がしい」、あるいは白い羽の「さやけき」から転化した。
○奈良時代からダイサギ・コサギと区別せず「サギ」「シラサギ」の名で知られ、江戸時代前期になると「シマメグリ」「ガラリサギ」と区別され呼ばれるようになり、中期になると「チウサギ」と呼ばれる。異名;「アヒノモノ」「ミノサギ」


◇馬見丘陵公園では、渡り・移動時に上空を飛んだり、近隣の農耕地に飛来することがあるが稀。

2006/04/13  奈良  夏羽 (眼先が緑色を帯びてきているが虹彩は淡黄色)  
コサギより一回り大きく、シラサギ類ではややずんぐりした頭や嘴をしており、頸も短め。雌雄同色。
夏羽;全身が白く、嘴と足は黒色。眼先は黄色。虹彩は淡黄色で、アイリングは黄色。胸や背に長い飾り羽がある。
繁殖期;眼先は黄緑色になり、虹彩は赤味を帯びる。
冬羽;嘴は黄色くなり、先端が黒いものも多い。眼先も淡黄緑色になる。(飾り羽はない)
2005/05/04  奈良  夏羽・婚姻色  2009/03/21  石垣島  冬羽
虹彩は赤味を帯び、眼先は緑味を帯びてきている
2009/06/24  奈良     飾り羽を広げディスプレイする♂ 2008/06/02  京都  夏羽  右はダイサギ
(背胸に飾り羽はあるが、嘴は黄色に変わっている)

チュウサギとダイサギは並ぶと右写真のように大きさが違い、また夏羽では眼先の色でも識別できる場合が多いが.、
冬羽などでは識別に迷うこともあり、最終的には嘴の長さ・口角の位置で識別する。【 参照下写真 】
チュウサギ;嘴が短く、口角は眼の後方を越えない ダイサギ;嘴が長く、口角は眼の後方を越える
夏羽
冬羽