ツツドリ(カッコウ目カッコウ科)筒鳥
Cuculus(ククルス カッコウ属-ラテン語でカッコウ 鳴声由来)
optatus(オプタトゥス 望ましい)

Oriental(東洋の) Cuckoo(カッコウ類-鳴声由来)     L32.5cm
奈良県レッドリスト 希少種

西シベリアからカムチャッカ・サハリン・オホーツク海沿岸から中国東部及び南部・台湾・マレー半島・ジャワ・ボルネオ北部で繁殖し、東南アジア・ニューギニア・オーストラリア北部で越冬する。
日本では、夏鳥として九州以北の低山から亜高山帯の林に飛来し、センダイムシクイなどムシクイ類に托卵する。森林に生息するため見る機会は少ないが、渡り期には平地の都市公園などでもよく観察され、特に秋はサクラの木の毛虫をよく食べに来る。昼間と朝によく鳴く。
【声】♂は「ポポッ、ポポッ」と単調に繰り返し鳴く。鳴きはじめに「グア」という声を出すこともある。地鳴きや♀の声は「ピピピ」。

【名の由来】「ポポ、ポポ」と鳴く声が、竹筒をたたいた音に聞こえることから、“筒ドリ(ツツドリ)”。鳴き声を“ツツ”と聞きなしたとの説も。
○平安時代から「ツツドリ」の名で知られていた。異名;「フフトリ」「ホホトリ」「タネマキドリ」「ナハシロトリ」「ムギウラシ」「ツツツドリ」「ポンポンドリ」「ムシバミ」

◇馬見丘陵公園では、2010/9月末-10月初にコナラの樹上でイラガの幼虫を捕食しているのを観察する。2011/04/22に鳴く。春秋の渡り期には観察することもあるが稀。

2011/04/22   馬見   ♂ 渡りの途中に樹上で「ポポッ、ポポッ」と鳴く (枝に腹を擦り付けるようにとまり体は動かさない)
雌雄ほぼ同色。
成鳥;頭部から背、上尾筒、胸はカッコウより暗い青灰色。翼と尾は黒褐色で、初列小雨覆は白く無斑か、黒褐色の横斑があっても淡くて不明瞭。腹は白く、黒色横斑が9〜11本あり、間隔はカッコウより広い。下尾筒は淡いバフ色で、黒い横斑が目立つ。虹彩は橙褐色から暗褐色で、カッコウに比し濃い色。嘴は黒褐色で、下嘴基部は黄色味がある。足は橙黄色。
赤色型;♀には頭部から尾、翼が赤褐色地に黒色横斑のある赤色型があり、喉にも黒っぽい横斑がある。
幼鳥;頭部からの上面が黒灰色で、頭部や翼の羽先にところどころ白斑がある。喉からの体下面は白く、黒褐色の縞模様。虹彩は暗黄褐色。
2006/09/20  大阪  ♀赤色型   2010/10/01  馬見   幼羽  
雌には稀にこのような赤色型のものがいる-赤色型は♀のみ 頭部・背・翼上面が灰黒色、先端に小さい汚白色の斑