ツミ(タカ目タカ科)雀鷹
Accipiterアッキピテール ハイタカ属-ラテン語でタカ accipitor引き裂くに由来
gularis(グラリス gula喉に特徴のある)

Japanese(日本の) Sparrowhawk(スズメのような小さな鳥を捕食するタカ)     L♂27cm ♀30cm   W51〜63cm
奈良県レッドリスト 希少種

モンゴル北部からアムール・ウスリー中国東部・朝鮮半島・サハリンで繁殖し、中国南部・東南アジアで越冬する。
日本では、亜種ツミA.g.gularisが夏鳥または留鳥として九州以北に分布し、平地から低山の林で繁殖する。南西諸島では越冬または通過する。関西以西では繁殖例が少ない。秋冬には各地で渡りが見られる。小鳥を主食にし、林の中でも小鳥を巧みに追いかけていく。
上記亜種ツミの他に亜種リュキュウツミA.g.iwasaki が留鳥として八重山諸島に分布する。亜種リュウキュウツミは亜種ツミに比し、上面がより濃い傾向にあり、下面はより褐色味がかる。
渡りの観られる時期;春3月上旬〜5月下旬、秋9月下旬〜11月上旬(ピーク10月中旬〜10月下旬)
【声】「ケーケーケーケケケ」と鳴く。

【名の由来】古名を“雀鷹(ススミタカ-雀のような小型のタカ)”といい、“ススミ⇒スミ⇒ツミ”と転じた。
○平安時代から「ススミタカ」「ツミ(♀)」「エッサイ(♂)」の名で知られる。安土桃山時代にはハイタカと一緒に「コタカ」とも呼ばれる。

◇馬見丘陵公園では、2010/11に渡り途中と思われる若鳥が上空から急降下するところを観察する。

2011/08   幼鳥
キジバトよりやや小さい。(翼先分離数;5)
♂成鳥;頭部からの上面が暗青灰色、体下面は白く、胸から脇は淡橙色。虹彩は暗赤色で黄色のアイリングがある。
♀成鳥;上面が♂よりやや褐色味を帯び、胸からの体下面に暗褐色の横斑がある。虹彩とアイリングは黄色。
幼鳥;上面が暗褐色で、体下面はバフ白色。胸に暗褐色の縦斑、腹にハート形の斑、脇に横斑がある。虹彩は緑灰色味のある黄色。
2010/10    愛知                2010/09    愛知 
アカハラダカのように群れずに、1羽で上空を一気に渡っていくツミ
2010/08   幼鳥 2010/09  愛知  幼鳥   左のサシバに向かっていく
ツミは気が強く他のタカ類などに向かっていく姿がよく観られる