ツメナガセキレイ(スズメ目セキレイ科)爪長鶺鴒
Motacilla(モタキッラ セキレイ属-ラテン語でセキレイ 絶えず動かす小さなものの意)
flava(フラウァ 黄色の)

Yellow(黄色い) Wagtail(セキレイ類-尾を振るものの意)     L16.5p

極地地方を除くユーラシア・アフリカ北部・アラスカ北西部で広く繁殖し、冬季はサハラ以南のアフリカ・南および東南アジアに渡る。
日本では、おもに旅鳥として沖縄や対馬を通過するが少ない。北海道北部では亜種(キマユ)ツメナガセキレイM.f.taivanaが夏鳥として繁殖し、繁殖期には原野や牧草地にすむ。南西諸島では冬鳥として多数が渡来する。農耕地、草地、海岸、裸地などの開けた環境に生息する。
他に亜種マミジロツメナガセキレイM.f.simillmia(夏羽は頭頂から後頸、頬が青灰色で、眉斑と喉が白い)、キタツメナガセキレイM.f.macronyx(夏羽は頭頂から後頸は灰黒色で、眉斑はなく喉は白い)、シベリアツメナガセキレイM.f.plexa(夏羽は頭頂から後頸、頬が灰黒色で、白い眉斑は細く目の後方のみ)の記録があるが少ない。冬羽・幼羽での識別は難しい。
【声】飛びながら「ジュッ」「ジッ」と鳴く。「チチチッ、ジッジッ、チチチチ」と囀る。

【名の由来】爪の長いセキレイの意。“セキレイ”は漢名
“鶺鴒”の音読みで「背筋がすらりと伸びて清伶な鳥」の意。
○江戸中期の書には「朝鮮セキレイ」の名で紹介されている。

2008/06/22  北海道  夏羽       巣に虫を運ぶ親鳥    爪の長いのがよく判る
亜種(キマユ)ツメナガセキレイ M.f.taivana   ♂♀ほぼ同色
雌雄同色。
夏羽;額から背、上面が黄緑灰色で、眉斑と喉からの体下面が黄色。嘴と足は黒い。尾は黒褐色で、最外側尾羽は白色。
冬羽;上・下面とも淡色になり、眉斑、喉、下尾筒以外は白い。
第1回冬羽;額からの上面が暗オリーブ褐色で、体下面は白っぽい。眉斑は汚白色から淡黄色で、眼先には暗色線がでる。翼帯はややバフ色やオリーブ色味を帯びた白色。上尾筒は褐色味の強い灰色で、下尾筒は黄色味がある。上嘴は黒いが、下嘴は淡色もしくは肉色味を帯びる。
幼鳥;第1回冬羽に似るが、上面はややオリーブ褐色味が強く、体下面や翼帯、眉斑はバフ色味が強い。
2010/03/28  与那国島  冬→夏羽 2009/10/01  奈良  幼鳥   渡り期に休耕田に飛来する
幼鳥での亜種識別は難しい

亜種マミジロツメナガセキレイ  M.f.simillmia 亜種シベリアツメナガセキレイ  M.f.plexa
2010/03/28   与那国島  夏羽に近い成鳥 2010/05/01  隠岐   夏羽
成鳥夏羽では頭頂から後頸頬が青灰色で、
眉斑と喉が白く、足は黒い
頭頂から後頸、頬が灰黒色で、
白い眉斑は細く、眼の後方にしかない