ツグミ(スズメ目ヒタキ科)鶫
Turdus(トゥルドゥス ツグミ属-ラテン語でツグミ
naumanni(ナウマンイ Naumann氏 独・鳥学者)
Dusky(薄暗い色の) Thrush(ツグミ) L24cm
本種には、亜種ツグミT. n. eunomus と亜種ハチジョウツグミT. n. naumanniの2亜種が知られている。
亜種ツグミは東シベリア及びロシア極東の北緯65〜70°の地域で、亜種ハチジョウツグミは北緯60〜65°の地域でいずれも繁殖し、中国北部で越冬する。
日本では、2亜種とも冬鳥として渡来するが、亜種ハチジョウツグミの渡来数は少ない。秋渡来した頃は山地や北の地方の林にいて木の実を食べ、次第に分散して低地や暖地に移動する。平地から山地の林、農耕地、都市公園、河原などに生息し、地上でミミズや昆虫類を食べ、また木の実も食べる。飛翔は直線的で、長距離を飛ぶときには翼を数回羽ばたいては体につけ、また羽ばたくといった飛び方をする。
【声】地鳴きは「キイキイ」「クワックワッ」「ツイー」など。春の渡去前にはよくぐぜっているのが聞かれる。
【名の由来】奈良時代から“ツグミ”の名で知られるが語源は不明である。“ツグ”は鳴き声から“ミ”は群れるの略“メ”からなどの考察もある。
○奈良時代から「ツグミ」の名で知られている。室町時代には「シナヒトリ」とも呼ぶようになる。その後「シナヒ」はツグミ類を呼ぶようになり、江戸時代にはシロハラ・アカハラを呼ぶようになる。異名;「ツムギ」「テウマ」「クヮッカ」「クヮッテウ」「マツグミ」
亜種ハチジョウツグミは江戸時代中期から「ハチジョウツグミ」の名で知られるが、特に八丈島にいることはなく由来は不明。
◇馬見丘陵公園では、冬鳥として渡来し5月頃まで見られる。芝生地など開けた場所で地上を歩き餌を探している。
2006/11/08と2012/04/14に渡りの途中に立ち寄ったと思われるハチジョウツグミを観察する。その後も渡り期に観察することもあるが稀。
2005/03/24 馬見 ♂ 採餌中にとまって「胸を張り、頭を上げて、背をまっすぐ伸ばし、翼を下げた」ポーズをとることが多い | ||
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2007/01/09 奈良 ♀ | 2005/04/18 奈良 渡去前の♂ 木の上でグゼル | |
全体的に背や翼に褐色味強く、顎線が明瞭 初列雨覆の先端の黒色が薄く茶色との境界が不明瞭 |
全体的に白黒茶のメリハリがあり、翼の栗茶色が鮮やか 初列雨覆の先端の黒色と茶色部との境界が明瞭 |
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羽色は個体差があり雌雄の識別は難しい | ||
2005/01/04 奈良 第1回冬羽 | 2010/02/02 馬見 | |
雨覆・風切羽にバフ色の羽縁 | ||
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亜種ハチジョウツグミ Turdus naumanni naumanni | ||
2009/01/15 奈良 | 2012/4/14 馬見 | |
亜種ツグミよりも全体に赤褐色の羽色が目立ち、黒味が少ない。 羽色には変異が多く、淡色のものから赤味が濃いものまで様々。 |